不確定日記(柑橘と絵柄)

柑橘類がとても好きなのだけれど、蜜柑より大きく身が詰まって甘い、ヘタの部分が盛り上がった形の柑橘がある。「デコポン」は商標で、糖度などの基準を満たしたものしかそう呼んではならず、種としての名前は「不知火」というのだと去年知った。

私は、例えば小説の文体や文化的背景が違うものを現すときに「絵柄が違う」と言うことがある。長野まゆみと山田詠美の絵柄の違い、アイドルそれぞれの「目指す絵柄」の違い。何かを摂取すると一度脳内で自分用の「絵」もしくは「画」として処理する癖がついている。(だからこそ、ファンタジー小説を精細なCGを使って実写化されたりすると、よくできていればいるほど、他人の脳内を覗き見させられてしまったようなきまり悪さがあって、うまく観ることが出来ない)。

「デコポン」と「不知火」は見た目がほぼ同じなのに「名前の絵柄」が違う。選抜されて、いきなりゆるキャラにされてしまった「カムイ伝」の登場人物みたいなものを毎回想像する。そうなるともう、店頭のデコポンはきまり悪そうだ。
不知火の方が安いのでよく食べる。

そんな奇特な