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映画感想文_SHE SAID その名を暴け

アメリカで始まった#Me too運動が世界的に爆発的に広まったことは記憶に新しい。
恥ずかしながらニュースはネットニュースを眺めるくらいしかしない私でも、なんとなくどんな運動なのか耳に入るくらいの話題にはなっていたと思う。
しかし正直なところ、その運動の発端がどんなものだったのか全く知らず。
この作品をみてなるほど、と勉強になった。

まあしかし。非常に胸糞悪い話。
こういった性加害・被害の話は今もなお日本各地で、いや世界中に蔓延していることだろう。
この話で特に悪質なのは、加害者側が金と権力を振り翳し、女性の声を奪うというところだと私は感じる。
金を持ったり権力を持ったりするとこういうふうに勘違いしてしまう人がいるんだよな。
自分は特別だと。自分は許されると。

この作品内(実話が元となっているので実際に逮捕されているのだが)で唯一の悪であるハーヴェイ・ワインスタインのような人はもう一種の病気なのだろう。
自分の立場や役職による自己肯定感?自己評価?もあいまって、自分の欲望にまっすぐ進むのみ、ブレーキが効かないような人はもうなにかの病気なんだと思う。
性癖がどうこう、相手がどうこう、というのは置いといて。
どうすればそういう人が犯す罪を防ぐことができるのだろう…

すこし話は変わるが、新聞記者や報道という仕事はすごい。
ドラマや映画では悪者として取り扱われることもあるが、
本作品での描かれ方は、
真実を追求する、警察とは異なるやり方で悪を懲らしめる、という
使命を持って、苦しみながらも戦うヒーローに見えた。
素直に、格好いいと思う。
一方で、世間を度々賑わす「文春砲」や、少し前でいうと「フライデー」、はたまた「ガーシー砲」は好きじゃない。いや、嫌い。すごく嫌い。
芸能人が不倫しようがしまいが私に関係ないし。
アイドルに彼氏がいようがいまいが可愛いものは可愛いし。
イケメン俳優がヤリチンだったとして、そりゃそうでしょうよ。
でもどれも犯罪ではないでしょ?(たまに犯罪なこともあるけど…)
それを鬼の首取ったが如く、さも正義のヒーローかのように。
罰せられるべき、バッシングを受けるべき人もたしかにいるかもしれないが、
そうではないことがたくさんある中で、それが商売になってしまっているこの現状に疑問を感じてしまう。
犯罪絡みのことは別として、そうでないことに対する〇〇砲により、
人の人生を変えてしまう・壊してしまうことがある、ということを知っておいてほしいと、心から思う。

さて話は戻って。
私は自分の勤務する会社の業務上、新聞記者のような使命感のあることや、世のため人のためになるようなことを成し遂げるのはなかなか難しい気がする。
嫌いな人もいる中で、それでも愛してくれる方のために仕事をしている。
映画の主人公のような、かっこいい仕事は出来ないかもしれないが、
まずは自分の仕事に対すして使命感を見つけるところからかな。
映画の展開のように、社会を巻き込んで大きなムーブを起こすことは難しいけど、
なにかいいことにつながればいいなぁ、なんて。はずかしいこと言ってしまいました。

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