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今年の参院選に向けて立憲民主党は何をするのがいいのだろう

 今年の7月に参議院選挙があります。各政党はこの選挙に向けて通常国会で有権者にアピールしていくことになります。

岸田総理が何をするのかは施政方針演説を通して何となく見えていますが、野党陣営はまだ何をするのかがはっきりしてきません。

野党陣営は昨年の衆議院選挙で掲げた公約の実現に取り組みつつ、さらに自民党とは別の魅力を有権者にアピールしなければなりません。

 各党はどのような政策、作戦で選挙を戦うべきなのかを分析します。今回は立憲民主党です。

・共産党との選挙協力を続けるべきか

 昨年の衆議院選挙で議席を減らし、日本維新の会に政党支持率でも抜かれてしまい、将来的に野党第一党の座を失う可能性のある立憲民主党。選挙戦において共産党と引き続き連携を組むのかが重要になってきます。

 立憲民主党がターゲットにしている有権者は中・低所得者である労働者です。そして最大の支持母体は労働組合を束ねる連合です。この票にさらに無党派層や反自民党の票を集めていかなければなりません。

 共産党との連携は接戦となる選挙区の増加には効果がありましたが、議席の増加という点では効果はありませんでした。泉代表は連携の見直しを代表選挙の際に明言していましたし、連合の芳野会長も共産党との連携に賛同していません。

どこに重きを置くかですが、私は連合との折り合いがつかないのであれば、連携は見直した方がいいと考えます。連合の票が分散して他の政党に流れる恐れがあるからです。

・議席を増やすために何をすべきか

 そして反自民票や無党派層を取り込むために立憲民主党は敵を作らない地道な政策の実現をしていくべきだと考えます。

代表質問の内容を聞いていて、今の立憲民主党と岸田政権は大枠で方針が似ていると感じました。これでは差別化できていないので、無党派層からの票が見込めません。

ですから、自民党にはできないであろう政策の実現を目指すことでこの状況の打開を図るべきです。

 無党派層は外交や環境については関心があまりないと見ていいです。主にコロナとの付き合いかたと経済(お金)の問題の二つについてのみ自民党と議論すべきです。

・感染対策

 コロナ対策について泉代表はオミクロン株用の対策を組むべきだと主張していましたが、厳格な規制を行う方針だと差別化できません。ですのでコロナの基準を二類から変更する提案は効果的です。

また、医療体制の拡充を目指すのであれば、協力しない病院に圧をかける方法は医師会に支えられている自民党にはできません。

そして昨年までの政府のコロナ対策を検証する委員会を党内に設置して、自民党の政策を批判する材料をつくることが必要です。

・経済対策

 立憲民主党の主張する雇用と格差是正の分配政策は自民党と同じです。同じことを言っても仕方がないので、立憲民主党は公約を堅実に実施を図るのが一番です。

泉代表は日本の家計の危機感について言及していました。家計の負担を減らすためには方法が二つあります。

1.補助金

 まずは補助金による家計負担の軽減です。しかし、補助金については離婚したことが原因でもらえていないという家庭の存在があることは泉代表自身が話していました。

他にも補助金を現金なのか、クーポンなのか、そして配布にどれだけのコストがかかるのかということを考えると、補助金は必ずしも安定した対策とは言えません。

2.減税

 もう一つは減税です。立憲民主党は昨年の衆議院選挙時に発表した政策の中に時限的な減税について触れています。消費税を5%に年収1000万円程度までの所得税0は極めて効果的な政策です。また低所得者に12万円現金給付するのは国会で論戦を挑むのは効果があるように感じられます。

・金融所得課税は自民党に任せておけ

 経済対策において立憲民主党が大きく主張すべきではないことがあるとすれば金融所得課税です。自民党も立憲民主党も金融業界を敵視している傾向があるのは経済状況も考えるといいことではないように思えます。

今年は各中央銀行が利上げ政策を行い株式市場が影響を受けることが予想されるにも関わらず、日本が金融所得課税を与野党問わず主張するのは日本に投資している株主たちの資本が逃げていくと考えられます。

ゆえに立憲民主党としては金融所得課税については自民党の勝手に任せて、言及を避けた方がいいのは間違いないです。

立憲民主党はアベノミクスに批判的な報告書をまとめましたが、効果がなかったとは言い切れません。ですから、金融市場を敵視している主張は控えた方がいいように思います。

金融市場を批判して分断を引き起こすより、広く薄く届く経済政策を行って広い支持の獲得を目指すべきだと思います。

・立憲民主党が国会でやるべきではないこと

 最後にやるべきではないことについてですが、森友問題と学術会議問題はメディアに注目されたとしても積極的に行うべきではないです。国民はここに関心はありません。

昨年の選挙で枝野代表が政権を取ったらやることとして双方について触れましたが、だからと言って選挙で議席を増やしたわけではありません。

ですからこの問題は無視するのがベストです。メディアからの報道は宣伝になるので、国民全体の利益になることについて議論し、メディアに取り上げてもらうのが政権の選択肢として評価されるための近道だと言えます。

・終わりに

 新体制になっても印象が変わらなければ衰退するしかありません。ですから立憲民主党は野党第一党として政権選択政党としての支持を国民から獲得する必要がないと、自民党による国民を無視した政治が続くことになります。

議会に緊張感を持つためにも野党が成長しなければならないことが本当に必要なことです。

 今回の参議院選挙では自民党が公明党と連携できない話が浮上している中で一人区で野党が躍進すれば自民党政権に大きな打撃を与えられます。

だからこそ野党がメディアを利用して国民との対話を行えるだけの信頼を勝ち取る戦略が必要なのです。

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