「インフレ」に追い付き始めた「賃金」。
またまた 日本の「インフレ」の正体。|損切丸|note の "証拠" が出てきた。今度はモロに「賃金」。しかも*「実質賃金」がプラスに転じた( ↑ 標題グラフ)というおまけ付き。
いずれにしろ「インフレ」に追い付き始めた「賃金」の事実は重い。
タイミング良くこんな記事 ↓ が出て話題になっている。いわゆる「人手不足倒産」。本格的現象としてはバブル期以来ではないだろうか。
「賃上げ倒産」急増の前兆 従業員の転退職で倒産、3年ぶり増加(帝国データバンク) - Yahoo!ニュース
一味違うクリスマス2022。|損切丸|note でも書いたが、街の雰囲気が変わってきたと思ったらやはりこういう事だったか。筆者はタクシー運転手と話をする事が多いが、後から出て来る経済指標とリンクする確率が高い。
人の動きについても顕著な変化が見て取れる。
昨年まで著しく減少した東京都への転入超過が2022年に入り大幅に増加。これは「コロナ危機」終息に伴い経済正常化の途を歩んでいるからで、**不動産市況を見るとその傾向が読み取れる。
ただし都心5区のオフィスビルについては2023年の「大量供給」↓ の影響もあり、まだ家賃には下げ圧力がかかっている。それでも不動産業者や地主に売り急ぐ向きは見られず、 "タイムラグ" に耐えている状況。本格回復にはもう少し時間がかかりそうだ。
前稿.始まるか? 相場の「逆回転」。ー ”2022年相場の逆” のそのまた逆?|損切丸|note で ”日本は丁度アメリカの1年遅れ” と書いたが、商品の「値上げ」に「賃上げ」、エネルギー価格や物流コストの上昇と「インフレ」環境は加速している。
鍵になるのは冒頭に書いた「実質賃金」の上昇。そこが揃うと人々は「お金」を使い始める。残るはアメリカと違って供給>需要の住宅市場 ↓ だが、そこの底上げが進むと***CPI+5%台もまんざら絵空事ではない。
毎日毎日出て来る「値上げ」のニュースを見ていると、 "リアル" な体感物価は+10%ぐらいではないだろうか。雪国でオール電化の家庭の電気代が月10万円を超えた、という記事もみたが、これはまさに生き死にの問題。
この状況を受けて引き継ぐ次期日銀総裁にはまさに ”茨の道” 。ある意味パウエルFRB議長の "narrow path" (狭い通り道)より厳しい。官僚特有の「出世欲」以外には就任する理由が見当らない。政治家からの風当たりも強いし、年収1億円ぐらいの「お給料」では割に合わない。
来週には候補者が発表されるようだが、さて相場はどうなるか。
10年物の円OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ、政策金利の推移を予想したデリバティブ)が@0.85%というから、これが10年JGBの理論値に近い。筆者の引いた単純なイールドカーブでも@0.80%近辺。つまり****YCCを廃止すればその辺りが落ち着き所になるはず。
そう言う意味では次期日銀総裁にはマーケットを熟知している人が望ましい。米国債金利も再度上昇を始め、2023年内の「利下げ」はほぼ消滅。ドル円や株式市場にもかなりの変動が見込まれる。FRB同様、" a lot of work left to do" (やるべき事がたくさんある)。ぜひ頑張って欲しい。
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