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米国経済本当に弱い?

 米国経済本当は弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 8月ISM非製造業指数 53.3 予想 55.6 前月 54.5
 *雇用 50.2 予想 48.2 前月 51.1
 *新規受注 53.0 予想 53.3 前月 52.4
 *価格 57.3 予想 57.4 前月 57.0 
 8月米雇用統計: 失業率 4.2% 予想 4.2% 前月 4.3%
 非農業部門雇用者数 +14.2万人 予想 +16.5万人 前月 +8.9万人 ← +11.4万人
 平均時給(前年比)+3.8% 予想 +3.7% 前月 +3.6%

 ” Sell the Rumor, Buy the Fact" (噂で売って事実で買え)

 通常の相場格言との表現になってしまうが、*注目の高かった米雇用統計後のドル円を見ているとこうなってしまう。やはり ”必勝法” なきあと彷徨うマーケット ー ここをどうやって生き延びるか|損切丸 (note.com) まさに仁義なき「ゼロサムゲーム」が続く

 中長期(5年)のチャート  で見るとドル円は@140円を割り込むと買いトレンド終了と読める。簡単には破れないだろうが、1つ可能性があるとすれば米国の「リセッション」(景気後退)が明らかになった場合。例えば7月のNFP( Non-farm Payrolls、非農業部門雇用者数)が+8.9万人に下方修正されたが、+10万人以下が常態化すれば市場の雰囲気がガラリと変わるかもしれない。その時マーケットは「ドル売り」に転換する事になろう

 ISM製造業・非製造業指数と合わせても可も無く不可も無く9/18FOMCでの▼0.25%「利下げ」の本線は動くまい米国債は反射的に買いに走ったがこちらは ” Buy the Rumor, Sell the Fact" (その後また買い直し)

 全体としては 続・”Cash is King" → "王" の帰還 ー 「適正値」へ修正の動き|損切丸 (note.com) が進行中で、ドル円もナスダックも日経平均も調整地合が今暫く続きそう。「金利」に関して筆者は 「お金」の値段 ≓「金利」が安過ぎる! ー 日銀の「ターミナルレート」は?|損切丸 (note.com) の見方を変えておらず、リアルマネーは買い相場(金利低下)を深追いはしないだろう。これはグローバルな現象でもある

 あまり大きなニュースになっていないが①トルコのCPIが▼10%近く急落 ↓ ②ロシア株が急落(MOEX指数 ↓ )③中国人民銀行による小刻みな「利下げ」等々、 ”気持ち悪い出来事” はあちこちで起きている。米中の需要減退見込に伴う原油価格の下落WTI=NY原油先物 ↓ )もブラジルの「利上げ」見通しも何だか ”気持ち悪い”

 これが単純に「リセッション」→「金利低下」と読めない所が今回の相場の不気味さ。筆者は「スタグフレーション」(景気後退下の物価上昇)リスクを結構高めに見ているが、その根底にあるのは 着実に減る「お金」の価値 ー 鍵は「正しい金融政策」|損切丸 (note.com) の主役である日銀の「金融政策正常化」。具体的には不必要にばらまいた500兆円の回収作業が迫っているからで、どうしてもJGBや米国債、特に長期債に強気になれない

 FRBや日銀の関心事はFXや株価などへの影響だろう。「作戦」として日銀の「利上げ」「テーパリング」のショックをFRBあるいはECBの「利下げ」で和らげようとしているように見受けられるが、20年以上も「低金利」に浸っていたマーケットがアレルギー反応を起こさずに "軟着陸" 出来るか

 特に日銀の「金融政策正常化」は慎重の上にも慎重を要する。だから現状のJGB市場では向こう2年間で@0.75%程度までの「利上げ」しか見通していない。甘い見通しと言わざるを得ないが、幸い「円安」修正で時間的余裕が出来ている。「ドル建日経平均」↓ @255ドル程度で、派手な「円建名目値」の下落ほど日本株の本来価値は下がっていない

 とは言え指標発表後もドル円は±1円単位で激しく上下動しており、米国債もナスダックも日経平均先物も荒れ模様WTIが一時@68ドルを割り込んだりビットコインが@55,000ドル割れなど今夜(9/6)は眠れないトレーダーも多かろう。例に漏れず ”荒れる9月相場” が暫く続くが、こうなると ”ほったらかし” ”ガチホ” なんて言ってはいられまい。恐れず、しかし気を抜かず真っ正面から相場に向き合うしかない。そうして初めて「道」が開かれる

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