見出し画像

コロナ後の世界 Ⅱ - これから起こりそうなこと。

 「緊急事態宣言」の下、「損切丸」一家も例に漏れず週末は全く外出せず巣籠り。(退職後も同様に感じたが)時間が有り余っているので、コロナ後に「起こりそうなこと」をより具体的に想定してみた。

 前稿(4/15)でも書いたが、変化の前提はアメリカ陣営と中国陣営に分断が進むこと。仮にアメリカ陣営を「Democratic(D)」グループ、中国側を「Communist (C)」グループとしておく。

コロナ後の世界

 D陣営は今回の危機を契機に、緊急事態に必要と思われる戦略物資、必需品のC陣営依存を修正してくるはず。内外価格差是正のため関税引上げ等コストが上昇するが、それは安全保障上止むなしの判断に傾くだろう。

 まずは日本国内で起こりそうなことの例: 

 ・マスクは1枚@100円、トイレットペーパー(6巻)は@1,000円に
 ・(お弁当などの)割り箸がなくなって「マイ箸」持参が常識に
 ・「100円ショップ」は「200円ショップ」に
 ・@990円のシャツは@1,990円に値上がり
 ・スマホは「Made in India」に
 ・ジェネリック医薬品は減少もしくは廃止
 ・観光、百貨店等インバウンド関連施設は縮小へ。カジノ構想は頓挫

 いずれも中国依存が高いものを例示してみた。今回の緊急経済対策にも約2,500億円支援策が盛り込まれたが、製造工場の国内ないし他の海外拠点への移転が進むだろう。「安い中国製品」の”恩恵”は裾野が広く、思ったより ”物価” に上昇圧力がかかりそうだ。ジェネリック薬品などは医療技術流出の問題もあり、コストが見合わなければ廃止になるかもしれない。

 問題は政治的にこれを受け止めきれるかどうか。国内の雇用に貢献する部分も出てくるが、必要な賃上げなど企業側が十分な対応が取れるのかも焦点の一つ。当然C側からは「観光」などを「人質」にした反撃も予想されるので、どこまで国内から納得を得られるかが鍵となる。

 国際的には:

 ・国連の再編或いは分裂。拒否権を持つ5大国は見直し
 ・国際機関の再編、分裂。WTO、WHOなどの ”W" は ”D" や ”C" に
 ・グローバルチェーンの再構築。内外価格差是正のため関税引上げ
 ・” D "” C " とも独自のデジタル通貨発行。それぞれの陣営の基軸通貨に
 ・観光ビザの厳格化(” D" vs” C" )

 大袈裟に言えば「第2次世界大戦後体制」の修正、歴史的に見れば「ブロック経済」の復活とでも言おうか。あまり好ましい状況ではないのかもしれないが、ある程度のグローバリゼ-ションの揺り戻しはやむを得ない。

 中国との商売が多い日本は微妙な立場だが、今回の事で「チャイナリスク」が強く意識された結果、アメリカイギリス(含. コモンウェルス)主導の ”D" 側につくことなるだろう。いつも「綺麗事」を主張するヨーロッパの動向は、中国に寄りすぎたドイツのこともありかなり読みにくい。

 これは元金利トレーダーだった「損切丸」としての一つの提案でもあるのだが、 ”D" vs ”C" の分断、グローバルチェーンの再構築と共に各国の金利を引上げたらどうかインフレとは定義できないかもしれないが、少なくとも「物価」は上がる金利を「元へ戻す」のは整合的だと思う。

実質金利G8(after CDS)@17 Apr 20

 特に1,000兆円もの預貯金がある日本では+1%の利上げで+10兆円、+3%なら+30兆円の利息収入になり1人当たり+10~30万円立派な経済対策だ。コロナ後の「勝利宣言」と共に動けば、政治的にもプラスだろう。

 財政負担は「デジタル通貨」発行時に国民から ”こっそり” 徴収する裏技がある。この「新通貨発行」による調整は歴史が証明している方法でもある。今や膨大な国家債務再編は不可避の状況に陥っており、増税にしろインフレにしろ、いずれ国民が負担することに違いはない。

 金利の正常化はマーケット全体の正常化につながり、現在のような「過剰流動性」だけを追う株式市場も随分まともになるはずだ。「損切丸」としても「日経平均が54,000円に?」などと無理筋の論陣を張らなくて済む。(もちろん論拠はあるが。苦笑)

主要株価 17 Apr 20

 個人的な読みだが、金利が正常化(=利上げ)されれば「過剰流動性」でかさ上げされていた株式市場は一旦調整されるかもしれない。日経225なら15,000円NYダウ30種18,000ドルといったところか。ただその後は景気や企業業績に沿った「普通の値動き」に回帰するだろう。

 そうなれば日銀「ゼロ金利政策」以降、10数年モヤモヤしてきた「損切丸」の思いも随分すっきりする(笑)。「マーケットの正常化」はむしろ真面目に取り組む投資家にとっては歓迎すべき事。今のように「過剰流動性」を盾に「暴走するマシーン」に振り回されるだけの相場は正直ウンザリだ。

 金利が正常に動き出せば、もう少し面白い note が書けるのにね。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?