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小説が苦手な人はオーディオブックで読むと良いかもしれない

私は昔から小説を読むのが苦手だった。細かな背景描写とか心理描写とかそういうものが小説の肝だと思うのだけれど、どうしても目が滑ってしまって頭に入ってこないのだ。

人物は何をしたとか、そこはどこだとか、ファクトに関する情報だと頭に入りやすい。でも小説はそれだけでは全然できていないので、というかむしろその周囲情報を楽しむものなので、私は小説に向いていないのだと思っていた。書くのが向いていないのではなくて読むのが向いていない。(たぶん書くのも向いていない)。

だから、本当は小学校や中学校のときに読んでおくべきだったいわゆる名作とか文豪の小説に関して、私はとても読んだ数がとても少ない。 代わりに週刊誌や新聞など、いわゆるノンフィクション的なファクトが書いてある文章についてはそれなりに量は読んだ。向き不向きに正直に振る舞っていた。

ただし小説を読めていないことにはとてもコンプレックスがあって「いつかは読まなきゃいけない」と考えていた。考えているけれど、めくってみるとやっぱり指が止まってしまう、その繰り返し。でも最近1つ方法を見つけた。

それはオーディオブックを活用すること。

物語自体が昔から苦手だったので、幼稚園の読み聞かせの時間はとても苦痛だった。母親に何かを読んでもらった記憶もあまりない。きっと子どもだった私が嫌がったので親も読まなくなってしまったのだと思う。ひたすら視覚情報としてめくって自分で読んでいた。

でも最近は耳から情報を入れることに結構慣れてきた。podcastが普及して、自分にも好きな番組ができて、何か手を動かしながら耳から情報を入れる行為が日常に混じってきた。内容はファクトばかりではないし、誰かの心象風景や描写も入るので、自分で想像力を働かせる回路が少し太くなってきた。 昔ほど苦痛ではない。

今ならいけるのではないかと思ってオーディオブックで川端康成の『雪国』を買ってみた。文豪の作品はいろんなタイプのオーディオブックが出ているようで、やっぱりちゃんと制作されているもの、料金もそれなりにするものを選んで聞いてみた。

おお、これなら頭に入ってくる。場面もちゃんと頭に浮かぶ。

耳で聞いて物語を理解するときは、きっと視覚で読んでいるよりも時系列の力が強いように思う。 出てきた言葉の順番でその場面を構築していく。道があって建物があって空があるのか。空が見えてその下に建物があって手前に人物がいるのか。描写の仕方も自分とは違う順番だったりして、文章作りにも役に立つ。

オーディオブックのスタンドにもいろんなタイプがあって、一番有名なのはAmazonオーディブル。でもいろいろ試してみて自分にしっくり来たのはGoogleブックの買い切り型スタイルだった。

サブスクで支払っても1カ月のうちに何冊読むかはその時にならないと分からない。 でも買い切り型だと1冊必ずこれを読みきる、聴ききると決めて買うことになる。集中力もおのずと違ってくる。 オーディオブックはちゃんとしたの買おうと思ったらやっぱり1000円ちょっとはするので、元を取るためには耳も集中する。

今まではぼんやりとSNSを見ていたような時間、家事をするために手を動かしていた時間もオーディオブックの時間に回すことができる。それで今まで読めないとコンプレックスを持っていた名作を読めるのであれば、かなりお得。

ちなみに川端康成の『雪国』は4時間半ほどで終わるらしい。目で読めばもっと早いかもしれないけれど、読まなければ0になってしまう。それに比べたら4時間半で1冊体験できるのは手軽だ。

音声と仲良くなるのはこれから必須なような気がする。このノートも音声入力で書いて無駄な部分を省いたり推敲したりして作ってみた。 Macのデフォルトの音声入力の機能は少し無音部分が続くと自然と切れてしまうようなので、なるべく長く話せるようにこれからも練習していきたい。




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