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#025 説得する人/説得される人|「説得」という言葉に苦しむ理由

「説得力を身につけるにはどうしたら良いですか?」と相談されることが稀にあります。説得力を身につけたいという方は、言葉で表現することが苦手だったり、相手の主張に対して自分の意見をきちんと伝えることが不慣れな傾向にある方が多い印象を受けます。

自分の考え・意見をきちん伝える力=説得力でしょうか?

私は過去、説得する側も説得された側もあります。また説得してくる相手を論破した経験もあります。その経験を通じていえることは、説得という時間はどのような立場でも苦しい状態だということ。

それは、どのような立場でも心から納得できずに議論・対話を終えてしまっているからだと感じたからです。

あなたは説得することについて、どのように思いますか?


説得とは

説得という意味をWEBで調べてみると、以下の検索結果がありました。

コミュニケーションによって,受け手の理性や感情に働きかけ,相手の自発性を尊重しながら送り手の意図する方向に受け手の意見,態度,行動を変化させること。(引用元:コトバンクより

自発性を尊重しながらといいながらも、変化させるという行為は、ねじ伏せる感覚を持ちますよね。


説得(英: persuasion, suasion)とは社会的影響(social influence, ソーシャル・インフルエンス)の一種であり、合理的かつ象徴・記号的であり時には論理的とは限らない手段を利用して、ある考え、態度(英語版)、または行動を相手にさせる目的の行為、または別の誰かを差し向ける過程、プロセスである。説得術は議論などを行ううえで相手を納得させるために必要な手法であり、様々なものが存在する。「説得する」は"persuade"の訳語であり、相手を言い包(くる)めるという意味を含めて「説き伏せる」などという場合がある(引用元:Wikipediaより

言いくるめる、説き伏せるという行為は、高圧的・威圧的に強い圧力がかかっている印象を持ちますね。


よく話して、相手に納得させること(引用元:Weblio辞書より

ここでも「~させる」という表現です。納得って本人がするものであり、周りからさせられるものではないですよね。


説得される人は、表面的には理解できてはいるけれど、こころが納得できていないから苦しくなるのではないでしょうか?


説得する人も実は心苦しい

説得されて理解したとしても、また同じことが起こり苦しくなる負のループに陥ります。これはこころから納得できずに消化不良で終わっているため、似た出来事が起きるとまた問題が噴出するからです。説得する側も2回、3回と繰り返すごとに、威圧的になり、相手をねじ伏せるようになります。

ただ、説得する人が元々高圧的なタイプだったかというと、決してそうではないことが多くあります。

説得する人には説得しないといけない何らかの事情を抱えています。その事情を踏まえて説得し始め、相手に理解してもらえない状況が続くと高圧的に変化してしまう。実は説得する側も苦しいのかもしれませんね。


説得する人/説得される人ともにその時間は苦しい時間なのです。


表面的な解決は、何の解決にもなりません。

説得しないといけないという行為は苦しいですし、説得させられたと感じる方も苦しいです。

「説得して納得させる」ではなく、「話しあうことでお互い納得いく結論を導き出す」ことが本来の在り方ではないでしょうか?


納得いく着地点を目指すために心がけること

話しあうことでお互い納得いく結論を導き出すことで大切なことは、「対話力」「傾聴力」です。相手の考え・意見を聴きながら、自分の要望や要求の重なる部分を見つけていきます。そうすることで、お互いの意見や考えが納得いく結論を導き出すことができます。

ただ、これも表面的に話して見つかるとは限りません。


例えば、ある30代男性社員のケースをみてみましょう。

今日は娘の迎えがあり、定時にあがる予定をしていた。急に上司から案件を頼まれて今日中に資料を仕上げて欲しいと言われた。あなたはこの案件を引き受けますか?

上司には、この社員にお願いしたい何らかの理由があります。だから依頼をお願いしているにも関わらず、「NO」という返事をされると、引き受けるように説得をするかもしれません。

一方で「NO」と伝えた社員はいかがでしょうか?「NO」ということには理由があります。案件はやりたいけれど娘の迎えがあるからできない、と思っての「NO」かもしれません。

・案件は本当に今日中に仕上げないといけないことなのか
・娘のお迎えを誰か代わりにお願いできないか
・案件を他のメンバーで対応できないか

などを考えていくことで、「NO」から「YES」に変換できる方法が見つかるかもしれません。

表面的な対話では、「NO」という表面的な言葉に反応して関係が悪化していきます。

相手のことを考え想像する力が必要です。考え想像することで、深い対話力と傾聴力に磨きがかかります。そのような対話は、説得した/説得されたという関係ではなくなり、お互いが納得いく着地点を見つけた信頼が高まる関係性になるのではないでしょうか?


説得する人を論破しても同じ結果になる

説得してくる人に対して、論破をする人もいます。一時はスカッとする気もしますが、やっぱり苦しい結果しか生みません。それは、論破するまでにずっと我慢して我慢して相手にスキがなくなるくらいに論破できるネタを準備しているからです。

それに元々論破しようと威勢よい性格のタイプでないことが多いです。そうしないといけない無理矢理な強さを自然に作り出してしまっているのかもしれませんね。

本来であれば対話で解決できることが、説得させられたという反発心から論破する人へ変容していきます。論破する人は、それまでの説得させられた恨みつらみが膨らんでいるに過ぎず、一時はスカっとしてもずっとそのような行為を続けることに、いつしか自分に嫌気がさすこともでてきます。


説得とはお互いが納得いくまで対話をすること

お互いの気持ちや考えを明して、お互いに得になる得した着地点をみつけていく。説得とは、お互いが納得いくまで対話をすること

私はそのように思いますが、あなたはどう思いますか?

もし、今あなたが説得する人側であれば、相手の言葉に耳を傾けてみましょう。そうすることで、無理矢理納得させなくても、良い着地点が見つかるはずですよ。

もし、今あなたが説得されている側であれば、あなたの意見・考えと相手の意見・考えの重なる部分はないか考えてみましょう。表面的に重なっていないと見えていても深く対話することで、見つかることがあります。

お互いが納得できるまで対話しながら、お互いの気持ちや考えを説明して、お互いに得になる納得した着地点をみつけていくことができると良いですね!


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