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あらためて扇の根元を支えるということ

  昨日と今日は次年度の助成金の申請作成。
 一昨日、のどの痛みと寒気がして、もしこのままインフルエンザになってしまえばどうなるかとよぎったことで改めて「扇の根元を支えている役割」の1人であることに気づかされた。
 
 この間、事業、研究、大学の授業と並行して取り組んでいる今年度の資金計画や次年度の助成金の申請は事業全体を支える財源を確定、確保していく作業。表からはなかなか見えない作業ではあるけれど、これがないとすべての事業が動かないばかりか拠点そのものがたちゆかなくなる。

 事業を通して届けている子どもから高齢者の方々に至るまで、それを支えてくださっているボランティアさん、市内のネットワークに参画してくださっている多様な団体さん、事業を担当する法人スタッフ、それら全体を統括する地域支援の拠点となる事務所・・・、その扇の根元を引き受ける役割には相当な「重圧」と「責任」、「プレッシャー」が常にある。

 思い返せば、2016年に法人事務局長を引き受けるときは、その重圧と責任に嘔吐しそうだった苦笑。それを引き受けるため旅の中で「最も過酷な体験」を引き受けることを決めた。そこから毎年、体験を重ねてきた。その中で、地域支援のイノベーションをもたらすインスピレーションを得て実現化を図る中で、もともと容量の狭い自分の枠組みを広げ、同時にコミットメントも深めてきた。

 そして今、法人の理事兼事務局長となり事業領域として届けているのは富田エリア、市域エリア全体。研究や講演、メディア発信などを通して影響させようとする視野は全国にある

 この数年は、法人の事業領域をさらに広げることを通して旅の中で得たビジョン「全体の一助となること」をチャレンジしようとしてきた。ただ、そこで挫折し、周りの状況を俯瞰したときに「法人の事業領域」と「個人や研究で影響させようとする領域」を切り離す必要性を感じた。
 そこから、「ビジョンを叶える鉢」の整理をし、事業領域としては社会企業として富田・市域エリアを中心とし双方の活性化をしていくこと(両利きの経営)。次の「個人」領域のチャレンジとして研究領域を広げ、修士課程の次の段階を通して「全体の一助となること」を決めた
 そこにはビジョンを通して動かされる感覚と同時に「マイノリティの地・人が長い年月をかけ培ってきたもの」を今より広い領域からその普遍的価値を見出し、全国に発信するという確固たる志がある。そのコンセプトとして「マイノリティ発の実践を実践・学術研究ともにフロントランナーに押し上げる」があり、それは変わらない。
 
 この数日は助成金の申請、来週は博士の試験と富田わくわく食堂。なんとしてでも走り切る。
 1つの周期が終えつつあり、また、同時にはじまりも動き出している。


 
 追記 昨日、事務所に行くと、こちらが郵送で届いていた。この内容はこれから研究を通してしようとすることに重なる。贈呈頂き感謝です。また、こうした絶妙なシンクロにも感謝です。
 
〇備忘録(研究メモ)「地域の課題解決にチャレンジするまちづくり(大阪編)」・・・・・・・・・・・・・・・・・
(富田林)
・格差と貧困が拡大する現代では、厳しい環境の中で取り組まれてきた部落解放運動がより普遍性を持った運動として評価される時期にきているともいえる。(13項)
・差別により経済的に厳しい状況にあった地域の中で相互扶助のシステムをつくりあげてきた(15項)。
・人権協議会で実施している人権相談はまさに分野を超えた「断らない相談」(重層)そのものである。ほかの窓口で断られた難ケースの相談が多い。(16項)
・「最後の1人の立場に」(26項)
(鳴滝)
・ある日~、「校区再編にかかる差別事象」・・・常に目の前の人の状況やつぶやき、課題から事業が願いとともに生み出されていること。(30項)
・自身のルーツに誇りを持ち、生まれた地域がどこよりも大切な場所であるとおもえるまち(32項)
(浅香)
・「明るいところから暗いところは見えへん。暗いところから明るいところは見えるねん。自分たちの目線で問題が見えたときに、目をそらしたらあかん、自分たちの目線で解決せなあかん。」(40項)。
・地域住民のニーズと各法人の役割が乖離していることが一つの要因(42項)
・浅香版「わがごと・丸ごと」の地域づくりプロジェクト(47項)
・地域住民の情報キャッチの担い手となってもらうことで、問題解決に結びつきやすくなる(47項)
・浅香の中からスタートしたいろいろな取組を、執念にどんどん広げていく。「浅香があったからこそ、自分たちは安心して生活できる」と思ってもらえるようなまちづくり(51項)
 
(全体および3つの取り組みから)
・常に目の前の人の状況やつぶやき、差別、課題から事業が願いとともに生み出されていること。
・市の幼稚園統廃合、学校の統廃合の反対運動、小中一貫の反対→どんなまちを描き届けようとするのか、その共通性と思い、願い。→「かつては行政への要求を通して」、それを地域自らが社会企業としてイニシアティブを持ち周辺地域と豊かな関係をつくる、その取り組みを誇りうるものに。
・「最後の1人の立場に」(26項)、自身のルーツに誇りを持ち、生まれた地域がどこよりも大切な場所であるとおもえるまち(32項)、「浅香があったからこそ、自分たちは安心して生活できる」と思ってもらえるようなまちづくり(32項)→差別を超えようとする深い願いから実践が生まれている。=未来にわたり住み続けたいまち@富田と重なり、全体とも重なる。
・こうした雑誌で実践を言語化し発掘することの大切さと意義。→自身はそれを学術分野において価値あるものとして普遍化し可視化したい。(教育社会学、地域福祉学の分野では一部語られてきたがまちづくり実践分野においてはまだまだ少ない。)→全国のフロントランナーに。

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