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米中決戦2020-世界最終戦争への道④

おはようございます。日本防衛前線のアルキメデス岡本です。

さて、前回の続きです。

遂に台湾の半導体大手が中国HUAWEIへの半導体供給をストップしました。これによって、中国が計画していた一帯一路が事実上の崩壊寸前となりました。

G7による中国包囲網が加速し、ますます世界は分断化していく流れとなってきました。元はと言えば、中国がアメリカの覇権に挑戦し日本や南シナ海などに侵略の手を伸ばしたのが原因です。

2015年、それまで親中派だったオバマ政権でしたが、AIIB事件(英国、フランス、イタリア、ドイツ、イスラエル、オーストラリア、韓国などの「親米国家群」が、米国の制止を無視し、中国が主導する「AIIB」への参加を宣言したこと。)をきっかけに米中関係は悪化。オバマ政権はそれ以降、反中政権に転向しました。日本にも侵攻を繰り返して来た中国は自らの野望を押さえきれず、世界を敵に回してしまいました。これまで中国の経済成長に乗っかって来た国々も、脱中国路線にシフトチェンジしてきている状況で中国は八方塞がりの手詰まりに追い込まれるでしょう。

するとどうなるか?歴史的観点から分析していきたいと思います。

ABCD包囲網

ABCD包囲網とは、1930年代後半(昭和10年頃)に、日本に対して行った貿易制限の総体に、日本が名付けた名称である。「ABCD」とは、貿易制限を行っていたアメリカ合衆国(America)、イギリス(Britain)、中華民国(China)、オランダ(Dutch)と、各国の頭文字を並べたものである。ABCD包囲陣、ABCD経済包囲陣、ABCDラインとも呼ばれる。

アメリカは日露戦争以降、中国東北部およびロシアシベリア権益について日本と対立と協調を繰り返してきたが、日本は満州善後条約や満州協約、北京議定書・日清追加通商航海条約、対華21カ条要求における2条約13交換公文などを根拠に「宣戦布告せず交戦する技術」を進化させてきたのに対し、アメリカが採用した「宣戦布告せず経済制裁する技術」が対日経済封鎖である。

対日経済封鎖 

アメリカによる対日封鎖と経済制裁のあらましを記す。

1937年(昭和12年)10月5日 ルーズベルトによる「隔離演説」
1939年(昭和14年)7月 日米通商航海条約破棄を通告
1939年(昭和14年)12月 モラル・エンバーゴ(道義的輸出禁止)として航空機ガソリン製造設備、製造技術の関する権利の輸出を停止するよう通知。
1940年(昭和15年)1月 日米通商航海条約失効
1940年(昭和15年)6月 特殊工作機械等の対日輸出の許可制
1940年(昭和15年)7月 国防強化促進法成立(大統領の輸出品目選定権限)
1940年(昭和15年)7月26日 鉄と日本鉄鋼輸出切削油輸出管理法成立
1940年(昭和15年)8月 石油製品(主にオクタン価87以上の航空用燃料)、航空ガソリン添加用四エチル鉛、鉄・屑鉄の輸出許可制
1940年(昭和15年)同8月 航空機用燃料の西半球以外への全面禁輸
1940年(昭和15年)9月 屑鉄の全面禁輸
1940年(昭和15年)12月 航空機潤滑油製造装置ほか15品目の輸出許可制
1941年(昭和16年)6月 石油の輸出許可制
1941年(昭和16年)7月 日本の在米資産凍結令
1941年(昭和16年)8月 石油の対日全面禁輸

そして、追い詰められた日本は1941年(昭和16年)12月8日未明。真珠湾攻撃を開始した。

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ATJK包囲網

ATJK包囲網とは、中国に対して行った貿易制限の総体に、私が名付けた名称である。「ATJK 」とは、貿易制限を行っていたアメリカ合衆国(America)、オーストラリア(Australia )、台湾(Taiwan)、日本(Japan)、韓国(Korea )と、各国の頭文字を並べたものである。恐らくロシアはこの包囲網には参加してこないので、現時点での名称だ。

既にアメリカは反中宣言を行っており、今後、自由主義連合との連携を深めながら対中包囲網を完成させていくだろう。香港への優遇措置解除を皮切りに、中国への供給網の凍結で経済封鎖が進むと考えられる。1930年代当時は約4年をかけて日本への経済封鎖を行ったが、現代においてはより早く事態が進むだろう。2018年の反中宣言から計算すると、今年から来年にかけて経済封鎖の度合いが増していくのは避けられない。

対中経済封鎖 

アメリカによる対中封鎖と経済制裁のあらましを記す。

2018年10月、ペンス副大統領による「反中演説」
2019年11月、「香港人権・民主主義法」を可決
2020年5月、「香港優遇措置を撤廃」を表明

今後、中国側が戦略転換をしない限り、かつての日本のように追い詰められ軍事的手段に打って出てくるしかなくなる。

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中国の本音

王毅外相は24日の記者会見で、「中米間には多くの相違があるが協力の余地はある」と、関係改善への期待を表明し、「新型コロナは中米共通の敵。アメリカへマスクだけでも120億枚以上輸出した」と、防疫協力を強調した。

新冷戦は回避したい本音がうかがえる。なぜならアメリカは、国際基軸通貨のドルによって「グローバル金融システム」を支えている。そのシステムの中で発展してきた中国に、新冷戦を戦う自信はない。軍事力も圧倒的な差がある。米中両国は2020年1月、貿易交渉で第1段階合意を達成した。だが経済・貿易では譲歩できても、中国の主権にかかわる内政にまで手出しされれば、核心利益を失ってしまう。米中戦略対立の図式から国家安全法制を考えれば、中国にとっては「守り」の答えと分かる。

しかし、現在のアメリカにおいては内政が安定しない上に、民主主義の根幹を脅かさす中国をこのまま見過ごす事はできない。トランプ大統領は本気で中国を潰す覚悟だ。今後、対中封鎖を目的とした法整備が加速されるだろう。ただし、時間は限られている。

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我が国を取り巻く安全保障環境

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令和元年版防衛白書によれば、我が国の現在の安全保障環境の特徴として、第一に、国家間の相互依存関係が一層拡大・深化する一方、中国などのさらなる国力の伸長などによるパワーバランスの変化が加速化・複雑化し、既存の秩序をめぐる不確実性が増している。こうした中、自らに有利な国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した、政治・経済・軍事にわたる国家間の競争が顕在化している。

このような国家間の競争は、軍や法執行機関を用いて他国の主権を脅かすことや、ソーシャル・ネットワークなどを用いて他国の世論を操作することなど、多様な手段により、平素から恒常的に行われている。こうした競争においては、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、通信・重要インフラへのサイバー攻撃、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる影響工作などを組み合わせることで、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法、いわゆる「ハイブリッド戦」が採られることがあり、相手方に軍事面に止まらない複雑な対応を強いている。

また、このような「ハイブリッド戦」を含む多様な手段により、純然たる平時でも有事でもない、いわゆるグレーゾーンの事態が国家間の競争の一環として長期にわたり継続する傾向にあり、今後、さらに増加・拡大していく可能性がある。こうしたグレーゾーンの事態は、明確な兆候のないまま、より重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらんでいる。としている。

グレーゾーンの事態とハイブリッド戦

いわゆる「グレーゾーンの事態」とは、純然たる平時でも有事でもない幅広い状況を端的に表現したものです。

例えば、国家間において、領土、主権、海洋を含む経済権益などについて主張の対立があり、少なくとも一方の当事者が、武力攻撃に当たらない範囲で、実力組織などを用いて、問題に関わる地域において頻繁にプレゼンスを示すことなどにより、現状の変更を試み、自国の主張・要求の受け入れを強要しようとする行為が行われる状況をいいます。

いわゆる「ハイブリッド戦」は、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法であり、このような手法は、相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになります。例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる影響工作を複合的に用いた手法が、「ハイブリッド戦」に該当すると考えています。顕在化する国家間の競争の一環として、「ハイブリッド戦」を含む多様な手段により、グレーゾーン事態が長期にわたり継続する傾向にあります。

つまり、中国共産党は「ハイブリッド、グレーゾーン作戦」で日本、アメリカの隙をついて、尖閣、沖縄、台湾の実効支配を虎視眈々と狙っているのである。

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香港における国家安全法が適用されれば、今後、戦いの舞台は、日本のシーレーン上である南シナ海や東シナ海となるであろう。

それに対抗する為には、日本の防衛力強化と法整備が急務である。







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