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「One for My Baby(and One More for the Road)」前篇~ジョニー・マーサー徹底解剖10

さて今回は僕にとって「因縁の曲」である『One for My Baby(One More for the Road)』を解説するよ。

Frank Sinatra『One for My Baby』

なんで因縁やねん?

この歌の「本当の意味」に気付いてしまったから、僕は大変な泥沼に入りこんでしまうことになったんだ…

もしも気付くことがなかったら、コーエン兄弟徹底解説シリーズも書かなかっただろうし、イサク・ディネーセンの『バベットの晩餐会』完全解説も書かなかっただろうし、トム・ウェイツの『CLOSING TIME』全曲完全解説も書くことは無かっただろう…

そしてこのジョニー・マーサー名曲完全解説シリーズも…

確かに泥沼だ。

渡り切るのに相当労力がいる(笑)

そういや、この曲は『ブレードランナー2049』にも使われてリバイバルヒットしたらしいな。

ホログラムのシナトラだね。

この映画を作った人は、よくわかってる。

この歌の主人公、つまりバーテンダーのジョーに話しかける男は、バーの閉店時間である「3時過ぎ」に死んでしまうんだ…

僕は『ブレードランナー2049』を観てないから詳しくわからないけど、どうやら歌詞の内容が映画のストーリーにピッタリっぽいよね…

確かにウィキであらすじ読んだら、それっぽいな!

結論から言うと、この歌は「イエスの十字架での死」を歌ったものなんだよね。

「午前3時」というのは、イエスが死んだ午後3時のことなんだ。

だって歌詞では一言も「午前3時」なんて言っていないからね。

しかも舞台が「酒場」だとも、話し相手のジョーが「バーテンダー」だとも、一言も言っていない。

さらにコインで音楽を奏でるのが「ジュークボックス」だとも一言も言っていない。

だってそもそも「午後3時にclose(cross)するbar(十字架)で死んだイエス」の歌なんだからね。

みんな思い込みで「午前3時の閉店間際のバーが舞台の歌」だと決めつけているんだ(笑)

これは海外の業界人の間では常識なんだけど、なぜか日本では僕以外の誰も指摘していない。

これまで日本の音楽評論家も誰もこれを紹介していないし、映画評論家も「なぜブレードランナー2049でこの歌が使われたのか」を全く解説していなかった…

たしかに…

あのU2のボノもTVのクリスマス特番でこの歌を歌ったよね。

わざとモノクロ画面にして、お酒のグラスだけを赤くして…

あの赤い杯は、葡萄酒の赤であり血の象徴。イエス・キリストを表したものなんだ…

わざわざボノがクリスマス特番のパフォーマンスにこの歌を選ぶくらいだから、間違いなさそうだな。

ちなみにこの歌には、どんな「誕生秘話」があるの?

元々はパロディ・ソングだったんだ。

冗談の歌だったんだよね。

ええ!?こんな渋い歌なのに!?

後にフランク・シナトラが渋く歌ったんで、そのイメージが定着したんだ。

だけど、最初にフレッド・アステアが映画の中で歌った時は、酔ったアステアがヤケクソで歌うというものだった。

バックで流れる演奏も笑えるほどユーモラスなんだよね…

ホントだ…

でもフレッド・アステア、酔っ払い過ぎだし、間奏で暴れ過ぎ…

店を破壊してるじゃんか…

どんな酔拳ダンスだよ…

シナトラ版とは大違いだよね(笑)

呼んだ?

麻生さん!?

それともマフィア!?

俺の名はシナ虎之助だ。

黒と黄色のツートンカラーと、帽子にあるST印がトレードマーク。

これはこれは。

虎之助さん、ようこそ。

そんな堅っ苦しい呼び方せんでくれ。

トラちゃんでいいぞ。

トラちゃん、男前~!

俺の代名詞ともいえる『One for My Baby』を解説すると聞いて、居ても立っても居られなくてな…

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