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「なぜ乳児連れ去りは4月12日に行われたのか?」『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』徹底解剖10

さて、今回はアリゾナ家の謎を解説しよう。

前回を未読の方はコチラをどうぞ!

ネイサン・アリゾナの改名前の名前は、ドイツ系の苗字「ネイサン・ハフハインツ」やった。

そんでアリゾナ家のモデルはドイツ発祥のユダヤ名家「ロスチャイルド家」で、どっちの家も「5人の男兄弟」がおって、ひとりの名前がネイサンや。

ついでに言うとネイサン・ロスチャイルドの嫁の名前は「ハナ」で、ネイサン・アリゾナの嫁は「花」を意味する「フローレンス」やで。

その通り。どうもありがとう。

11分間のオープニングシーンが終わると、すぐにアリゾナ家での1階シーンが始まる。

この場面もオープニング同様に仕掛けがテンコ盛りだから、詳しく解説していこう。

夫ネイサンは部下と電話をしており、妻フローレンスは育児書を読んでいたね。

この時2階では、梯子を使って窓から侵入したハイが誘拐する赤ちゃんを物色中なんだけど、階下のアリゾナ夫妻は気付いていない…

ネイサン「椅子の付いてないリーフ・テーブルが800台だと!?椅子があればセットで売れるが、椅子が無ければただの役立たずだ!そんなことぐらい、うちのカミさんでもわかることだぞ!」

そして2階で物音がして、妻フローレンスが天井を見上げる。

画面には「THE ARIZONA HOUSEHOLD(アリゾナ家)」と字幕スーパーが表示される。

そういえば、この後に「日付」や「時間」が小出しで表示されるよね?

なんでだろ?

せやな。この映画の誘拐事件には日付とか時間がここ以外に一切出てこんかった。

ここで日時を観客に示す理由が全くあらへん。

それが、あるんだな…

ネイサンの電話の続きを聞いてみよう…

ネイサン「マイルス、お前って奴は…。俺がちょっと育児休暇を取ってる間に、店を滅茶苦茶にしてしまいやがって…。これ以上我慢できん!」

そして「WEDNESDAY, APRIL 12(4月12日水曜日)」と表示される…

なぜ4月12日?

この映画『RAISING ARIZONA』は、1987年3月、イースター(復活祭)シーズンに劇場公開された。

だからウサギが出て来るんだね。

春に公開されるファミリー向け映画やコメディ映画には、ウサギがつきものだ。

せやけど瞬殺されるやんけ。

だってコーエン兄弟にとって「イースター」は、どうでもいいことだからね…

彼らにとっては「イースト菌」のほうが重要だったんだ…

イースト菌?

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