テキストプレースホルダ__3_

#6 猫と暮らせる物件巡り

 ちょっと間が空いてしまったけど、物件探しのお話の続き。
ちなみに前回のお話はこちら。

 午前中の不動産A社で、まったく希望に合う物件に出会えず「やっぱり猫可物件って厳しいんだな〜」と意気消沈しながら、午後来店予約をしていたB社へ。

 B社は先日、物件紹介のメールを送ってくれて、それがドンピシャだったので(その時の顛末はこちら→#3理想通りの物件と出会えたと思ったら)「どうか、よき物件と出会えますように」祈りながら扉を開けた。

「いらっしゃいませ」そう迎えてくれたのは、大柄な男性営業マン。彼の名は田中さん(仮名)。
 席に案内されて、名前やら諸々記入するとすぐに田中さんは言った。

「先日ご案内差し上げたのがこちらの物件ですね。それと、こちらが最初に問い合わせをいただいた物件。あとこちら、おかださんの条件に合うのでいかがかなと思って、一応鍵をご用意しておきました。どうでしょう?」

そう!これ!これよ!私が欲しかったのはこれ!!
エクセレント!ファンタスティック!マーベラス!!

「ありがとうございます!ぜひ!中を見たいです!」
ということで、お店到着後10分で内見へ出発。A社だったら今頃、佐藤さんの住んでる街の話してたわよ。。

 田中さんの運転で、3件の物件を巡った。
 まずは私が問い合わせた物件。メゾネットタイプ。悪くない。でもちょっと駅から遠い。

 2件目、田中さんの提案してくれた物件。
 悪くない。3件の中で一番新しいけど、ちょっと狭い。

 そして3件目、私が楽しみにしていた物件。
 良き。とても良き。新しくないけどリフォームされていて綺麗。日当たりも良い。

 さすが。一番の推し物件を最後に持ってくるあたり、できる営業マンである。しかも田中さん提案の2件目が、いい感じに3件目の比較対象になる物件で、内心(こいつ、やるな〜)と思った。
 多分そこそこ数字の取れる営業マンだろう。佐藤さんと違って。

 ということで、3件目の部屋に入ってすぐ「ここですね〜」と決定。
 自転車置き場がないとか、脱衣所がないとか、まあ色々不満もあるけど、私と猫が暮らすには十分すぎる部屋。

 うん。ここで暮らそう。

 契約の手続きのため会社に戻る道すがら、実はペット不可物件だったので、田中さんが大家さんを説得したということを聞いた。
「自分で言うのもなんですが、結構頑張りましたよ(笑)」

 どうやらもともと大家さんは猫を飼っていたらしく(そして田中さんも猫飼いだそう)、猫を飼っても部屋はそんなに痛まないよね?しつけてれば大丈夫だよね?と、一生懸命話してくれたそうだ。

 田中さん、ありがとう。神です。感謝。

 申込書から、契約書から、とにかく何度も自分の氏名を書き、色々な説明を受け、契約が終わった時にはもう日が暮れていた。
「一応、このあと審査があります。結果は明日ご連絡しますね」
 ああ、審査…審査があるのか…。通るのかな…。
 そうビビる私に田中さんは言った。
「多分大丈夫だと思いますよ。あと、もしかしたら保証会社から緊急連絡先のお父さん宛に電話があるかもしれませんので、よろしくお願いします」

おっと。そりゃ大変だ。

 私はまだ、一緒に暮らす親に「家を出る」ことも「家を探している」ことも伝えていない。秘密裏に進めている。
 何度か言おうとしたけど言えず、なんとなくここまで来てしまった。でももう言うしかない…!

 新しい難関を抱えながら、雨の中帰路の途に着いた。

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