見出し画像

仕事に役立つリテラシー: 櫻田潤 『たのしいインフォグラフィック入門』

インフォグラフィックの魅力を知り、その活用の一歩を踏み出してもらいたいと著者はいう。著者はインフォグラフィックを、『これからの時代の新しい読み書きそろばん』『誰にでも必要とされる新しいタイプのリテラシー』と捉えている。

その言葉通り、本書はデザイナー向けの本ではない。『情報をわかりやすく伝えたい』『人に伝わる形で視覚化したい』と考えるすべての人に向けて書かれている。

著者のバックグラウンドが、プログラマーであり、システム・エンジニアだというのも読者にとっては有用な情報だろう。

インフォグラフィックとは、情報を視覚化する行為だ。だから、情報をきちんと解析し、それを編集するプロセスが重要となる。著者はそれを『整理・整頓のプロセス』として記述する。関連する情報を書き下し、不要な枝葉を払う。思い切って捨てる。その上でわかりやすく並べる。日常の仕事の中で実は上手にはできていないプロセスではないだろうか。

デザインについてはどうか? 著者は凝ったものを勧めない。簡単な図解の組合せ、ピクトグラムの応用を勧める。プロセスが重要なのだ。ここまで出来ていれば、デザイナーとチームが組める。

上述したプロセスを磨くにはどうすればよいのか?著者は、TEDの図解化を勧めている。それは上述したプロセスのとてもよいトレーニングになっている。しかも、かなりチャレンジングで知的にも刺激的で、そしてきっと楽しい。

なるほど『インフォグラフィック入門』。本書を読み終わった後、私が感じたこの感想に同意して貰えることだろう。

訪問していただきありがとうございます。これからもどうかよろしくお願い申し上げます。