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「にわかONE TEAM」から抜け出す処方箋

こんにちわ。理学療法士の岡田です。

今年はnoteたくさん書くぞ!
と決めたのに、なかなか構成に満足できず消してしまうことも多々。なので今回はプレゼンのフレームワーク「TAPS」を使い、思考を整理してみました。

ちなみに今回のテーマは「医療におけるチームの在り方」についてです。

To be:あるべき姿

医療の現場では『チーム医療』という言葉があり、たいていの病院HPを開くと出てきます。

「うちの病院はこのような形でチーム医療を果たします」

ってな感じで。 ちなみに『チーム医療』とは、

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様々な職種が集まり、1つの目標に向かっていく。定期的に集まり、進捗状況の確認や今後の方針について話し合う(カンファレンス)。話し合って目標の微調整をしながら、達成に向かっていくこと。

チームの在り方としては完璧のように見えます。

As is:現状

が、実際に現場で働いていると
「チーム」として本来の機能や役割を果たせているかは微妙なところ。

・愚痴の言い合い
・マウンティング
・相手のできないこと探し  などなど。

とてもじゃないけど心理的安全性の欠片もないチームで、適切な医療が行える環境とは言えません。まぁ、医療業界に限った話ではないと思いますが。

昨年、ラグビー日本代表戦が盛り上がったのも記憶に新しいですが、その翌日に病院のトップたちが口を揃えて

「私たちはONE TEAMです!」

と感化されていましたが、(おいおい)と。にわかラグビーファンならぬ、にわかONE TEAMだな~と悲しくなった記憶があります。

Problem:問題

じゃあ、この医療業界のまとまりにくさはどこから来るのか。あくまでも、完全に、ぼくの個人的見解ですが・・・

様々な職種、スペシャリストが集まる医療現場。例えるならアベンジャーズのようなもの。それぞれの知識・技術・経験・価値観を集結した専門性は、とても強い武器になります。

しかし、その専門性が「自分は絶対である」という傲慢さにつながると
その武器の刃先が仲間たちに向き合い、互いの専門性がぶつかり合ってしまいます。

「おれのこれが正しい!」
「いやいやそれは違う、こっちでしょ!」

と言った感じに。

Solution:解決策

結論から言ってしまうと

「わかり合えないということを自覚する」

ということ。
え?それ答えになってないじゃん!と言われてしまいそうですが笑

劇作家の平田オリザさんの著書「わかりあえないことから」に書かれているのですが

チーム内で対話が起きにくく、議論になってしまうのはお互いが同じ前提に立っていると思っているから。

つまり、
▶専門職が集まればチーム医療が自然発生するだろう
▶自分の専門性は正しい
という前提があるからなのかもしれません。

なので、わかり合うための第一歩として

お互いにわかり合えていないことを認めることこそが対話にとって不可欠。

これは宇田川元一さんの著書「他者と働く」にも書かれていました。

立場や役割、専門性などによって生まれる「解釈の枠組み(本書内ではナラティブと表記)」。

あの人のナラティブが正しい、正しくないということではなくて
それぞれの専門性におけるナラティブがあり、それは単に視点の違いでしかありません。まずは自分のナラティブを脇に置くことが「対話」の第一歩。

頭の中で「これは絶対に〇〇!」と考えていては、一向に相手の意見を聞き入れることはできませんよね?まずは自分の専門性をそっと脱ぎ捨て、まっさらな状態で相手と向き合うことが必要です。

今まで積み重ねた知識や経験を一瞬でも手放すのはなかなか勇気のいることですが、少しの勇気できっと新たな視点に出会えることと思います。

少しでも医療職が働きやすくなることを願っております。


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