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さぁ、白衣を脱いで真っ裸の状態で語り合おうか

こんにちわ。おかだこうへいです。(@okoh627

読書の秋真っただ中。何だか自分の学びたいテーマも最近定まってきたようで、「チーム」とか「心理的安全性」とか「ザツダン」とかが何やら気になるようです。

そんな内容ドンピシャな本が #読書の秋2020 の課題図書にあったので読みました。(ちなみに2度目で、1度目は平日の上野動物園で読んでたんだけど、キリン眺めながらの読書なかなかオススメです。)

サイボウズ取締役である山田理さんの『最軽量のマネジメント』を読み、(あれ?これって医療業界で転用したらこういうこと?じゃあこうしてみたら働きやすくな~い?)という妄想が膨らんだので、ここに書き記してみたいと思います。

▶課題図書

「最軽量のマネジメント」 著者:山田理

「これからのマネジャーはどうすべきか」という重荷ではなく、「どうすればマネジャーの仕事を減らせるのか」という軽やかさを示したい。本書は、寄せられた過度な期待と責任から、マネジャーを解放するための本。

「サイボウズ」と言えば、ぼくの中でベストオブエンゲージメント高いで賞な会社。なので、「サイボウズ」と名のつく本は基本的に買いです。即買い。どれもチーム作りの参考になります。そして、(こんな良いチーム作りたいな~)と想いを馳せります。あまりに馳せりすぎて、就職説明会で社内に潜入したくらいにして(めちゃくちゃ場違い感あったけど)。

▶マネジャーの今、これから

マネジャーは基本的に、「上」からの指示の意図を汲み取り、「下」に対しては納得させ、コーチング・ティーチングし、メンタリングをする。あの手この手でまさに千手観音のよう。しかも、大抵がプレイングマネジャーときたものだ。もう身体も頭も休むヒマがない。

著者である山田さんの考える「理想のマネジャー」は、『もっと誰でもできる役割。これだけアレコレ抱えすぎているマネジメントの仕事と責任を分散させたい。いや、むしろ「なくして」しまいたい。』とまで仰っている。全員野球ならぬ、全員マネジャー。

「マネジャー」と聞くと、チーム内の意思決定をするからなのか、なんだか管理する人偉い人を思い浮かべがち。組織図なんかでも「マネジャー」はぼくたちよりも上にいて、地位も高いように見えます。自然と上下関係の出来上がり。

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そうではなく、ピラミッドを上から見た円形の組織図であれば、役職が何であれ、その位置に高いも低いもなくなります。『マネジャーとは本来ただの「役割」、もっというと「機能」に過ぎない』。めちゃくちゃ納得。

で、この本のタイトル「最軽量のマネジメント」の鍵は「情報の徹底公開」。

・誰になにを聞けば必要な情報はもらえるのか
・メンバーがいったい何のプロフェッショナルで、どんなことが得意なのか

チーム内の情報がオープンであれば、この2つが見える化されるので、誰に仕事を頼めばいいのかや、どの人がキャパ的に余裕があるのかわかるため、仕事が上手く回ります。そのためには普段からどれだけ話しやすいのかが重要。話しやすさは心理的安全性の高いチームの特徴としても最近よく言われているくらい重要。言いたいことも言えないこんな職場なんてポインズンでしかありません。

▶じゃあ医療業界ってどうなの

病院という組織の構造上しょうがないのか。それともぼくが勤めていた病院だけなのか。ヒエラルキー満載のてっぺんが尖ったピラミッド型の組織でした。「意思決定」や「背負っているリスク」の順で地位が決まるのか、医師→看護師→コメディカル(リハビリや薬剤など)→介護士のようなパワーバランス。医師になるには、様々な知識や技術をつけ簡単になることのできない職種ではありますが、それ=偉いというのもチームで働く際にはなんか違う。単純に専門性や役割が違うだけなのにね。

そしてこのヒエラルキーの尖がり部分に位置する医師。やはり上に鎮座しているだけあって、なかなかの話しかけにくさがあります。基本的に相談はNG(この時点で何かおかしい)、報告も「あ、あの~...今ご報告よろしいですか?」とお伺いするも「今無理」の清いくらいの即答。(人によりますよ?親身な医師ももちろんいますよ?)

医療では基本的に間違いは許されません。が、選択肢に正解はないと思っています。患者さん1人1人、価値観や求める生き方が違うから。だから、ぼくたち医療職の役割は専門性を活かして、患者さんの選択肢を増やすことだと思うんです。それには医師、看護師、コメディカル、介護士それぞれの視点から案を出して、議論ではなく対話して。「あなたはどう思う?」「この場合はどうした方がいい?」みたいな対話ができたら最高。

高い専門性を持つと自分が正しい、と思いやすいので「いやいや、こういう時はこうだから」とか「この症状にはこれしかないから」のような議論になってはチーム医療はなり得ません。先日、「他者と働く」の著者である宇田川さんから頂いたリプが気づき満載。(あ〜、お名前読んでいただけて感無量です)

医療業界には「対話」しにくさというより、そもそもの「話しにくさ」が溢れる中どうするか。それが1番の課題だと思っています(飲み会の席だと医師も看護師も楽しく話してくれるのに、翌日職場であったら仕事モードの別人で驚く)。

「最軽量のマネジメント」には「情報の徹底公開」が重要。医療の場合の「情報の徹底公開」で思いつくのはカルテ。しかも電子カルテ。まさに情報が集約されている場所。話しにくいなら、LINEやSlackのように電子カルテ上でもう少し気軽に情報交換や進捗確認ができないものなの?と思った次第。

例えばさ、ガントチャートで患者さんの進捗が視覚的にわかったり、チャット形式で各職種の意見交換できたり、相手の発言に「いいね!」や「スタンプ」押せたりとかさ。

サイボウズでは、社内のコミュニケーションツールとして「kintone」を使われているそうです。医療業界でも少しずつ導入しているところがあるようですが、電子カルテにもっとコミュニケーションツール要素を盛り込めばいいのに。と個人的に思っています。そうすれば「今無理」という理由で断られることもなく、気軽に対話できるかもしれないんだし。

この本で、ぐさっと突き刺さったのが『団体戦に「地位」や「権威」はじゃま』というお言葉。

医療業界も言うなれば団体戦。一致団結して戦わなきゃいけないはずなのに、団結するはずのチーム内で戦ってしまうことが多々ある。だから「地位」や「権威」を捨てて、真っ裸の状態で話し合いたいものである。だって、医療従事者と言っても、白衣を脱げばただの人だから。

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