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卒業するみなさん、見守って来たみなさんへ:PTA会長ラスト・メッセージ

卒業するみなさん、
卒業する人たちをここまで見守って来たみなさんへ

卒業の日に、ここにみなさんがいることがありがたいことです。
生まれてからおよそ12年経って、今、みんな一緒にこの世界にいることが、
それだけで大変なことです。

さて、卒業するということですが、でもそれは長い旅の途中です。
旅はまだまだ続きますから。

これからの長旅のあいだ中、駅に停まるたびにみなさんは思うでしょう。

どんなに仲が良くても、人の気持ちを丸ごとはわからないんだなと。
自分の生きる力だけじゃなく、みんなに生きる準備をいろいろしてもらったのだなと。
学べば学ぶほど、わからないことが増えるのだなと。
生きるためのお気に入りの条件を全部は選べないんだなと。
自分も友人もみんな平等に楽しく暮らす資格があるんだなと。
人の言いなりではなく、自分の頭でものを考えられる人になりたいなと。

卒業する人も、それを見守る人も、これを書いている私も、
こういうことを卒業することは、最後までありません。

これからも変わらず、楽しく、面倒で、退屈で、そして大笑いするような生活が続いて、節目ごとに「卒業です」と言われます。
でも卒業「式」はしても、卒業はしません。

一年中、マスクをしたまま、ついたての内側で給食を食べ、あまり人といろいろなものをぶつけ合いにくい6年生の生活でしたね。

でも、今日は昨年とはまたちょっと違う、やはり手作りの思い出に残る門出の日です。

だから、ここまでの日々を思い出して、静かに言いましょう。

卒業おめでとうございます。


                      2021年3月25日 

                      P T A会長  岡 田 憲 治

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