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Jリーグから地域リーグへ

前回の投稿で
Jリーグに入ってからの3年間を書きました。

前回の投稿はこちらです。

今回はその続きの
2016シーズンの話を書こうと思います。

この年に私は
水戸ホーリーホック(J2)から
鈴鹿アンリミテッドFC(地域リーグ)に移籍をします。

初の移籍でした。

鈴鹿に行って何を経験したのか。

深い部分まで書いていきます。


1、移籍の経緯


サッカー選手はシーズン終了間際の
10月の下旬から12月上旬の間に来季の契約の話をします。

当時の水戸の場合はすべての試合が終わったあとの
11月の最終週にひとりひとり部屋に呼ばれて話をするという
形をとっていました。

そこで契約満了といわれたらクビです。

次の所属チームを探すか、
引退して次の職を見つけるか
という選択を迫られます。

毎年毎年が勝負です。

プロの世界では
高卒の選手は3年が一区切りという
なんとなくの風潮があります。


この年で3年を終え、次の年の契約も残っていない。
そして、まったく試合に絡んでいなかった私は
契約があるのかないのか
ひやひやしながら部屋に向かったのを覚えています。


そこで、なんとか契約をしていただいて、
2016シーズンも水戸で戦うことになりました。

ただ、少しずつ成長してきている段階だったので、
これまでよりは自分に多少の期待も持ちながらの
シーズンでした。

水戸は毎年1月の下旬にひたちなかキャンプ
行っていました。

もちろんこの年も例年通りキャンプに行き
長いシーズンに向けてのトレーニングに
取り組んでいました。


初日の練習が終わり、宿舎で体を休ませようとしたときに、
強化部長の西村卓朗さんから呼び出されました。


そこでの話が
鈴鹿アンリミテッド(現鈴鹿ポイントゲッターズ)移籍の話でした。

僕はここで即答をしませんでした。

理由は
「地域リーグという5部相当のカテゴリーのレベルと環境」
が不安だったからです。

試合経験を積むことで大きな成長ができるとは思いますが、
日々の練習も成長には不可欠です。

3つもカテゴリーを落として
果たして本当に成長できるのかと思っていました。

そのあたりを把握するために
水戸から鈴鹿に移籍をしていた
司くん(小澤司選手)に鈴鹿のことを詳しく聞きました。

それを踏まえ本間幸司選手や河野コーチにも相談をし、
自分はこのタイミングで移籍をしたほうが成長できると感じ、
移籍を決断しました。

キャンプが終わる日に決断をし、
その2日後には水戸を離れていました。

移籍を決めてからってこんなに早いんだ。
とびっくりしましたね。

移籍する前もした後も
司くんの存在は大きかったですね。


2、地域リーグでの生活


移籍が決まって、私はシェアハウスをしていました。

普通の一軒家をチームが借りてくれて、
そこに4人で住んでいました。

全く知らない人だったので、少し躊躇しましたが、
ひとり部屋があるというのと、
家賃を負担していただけるという点で、
住むことを決めました。

給料安かったのでね。笑

そこで一緒に住んでいたのは
月成大輝(だい)芦田成利(なる)小西洋平(こにし)の3人で
こいつらとはびっくりするくらい仲良くなりました。

とは言いつつも、同じポジションでレギュラー争いをしていた
だいとは、この2016シーズンは少し距離がありました。
やはり、ライバルということで、
お互い少し意識していた部分がありましたね。



こういった私生活の部分や練習環境などで
最初こそ戸惑いがありましたが、
そこにも徐々に慣れてきましたし、
チームメイトとも、最初は少し距離がありましたが、
最終的にはかなり仲良くなりました。


その仲良くなったきっかけがあります。

それは移籍して3週間後くらいに行われた
岐阜経済大学との練習試合です。

おそらくこの年に所属していた選手であれば
覚えている人が多いかなと思います。

なんで覚えているのかというと、
僕が素人並みのやらかしをしたからです。笑



当時は移籍してきて間もなく、
Jリーグから来たということもあり、
ちょっとイキってました。笑

Jリーグでまったく出てないのにね、、、、


そんな雰囲気醸し出していたやつなので、
さぞかしいいプレーをするんだろうと
チームメイトもサポーターの方も思っていたでしょう。

そしたら、練習試合にでて、
思いっきり空振りをして失点。笑


いまでこそ笑い話ですが、
あれほど穴があったら隠れたいと
思った瞬間はありません。

やらかしは今までもしていましたが、
大振りも大振りだったので恥ずかしすぎました。

任せろー!
という感じで前に出て行って
ドヤ感をだしながらの大空振り。笑


ただ、このプレーで
「あ、こいつしょうもないやつだな」
と思ってもらえて、チームに打ち解けられた気がします。

もしも、この試合の映像を
持っている人がいたら送ってください。

自分への戒めとして
SNSで公開処刑をしたいと思います。笑



まあ、こんなことはありましたが、
あくまで成長するために鈴鹿に行っているので、
毎日自分の成長のために練習以外のところでも
いろんな取り組みをしました。

ですが、なかなか調子が上がらず、
開幕戦直前でだいにスタメンを奪われました。

成長するために
試合にでなければいけない。
水戸に帰るために
試合にでなければいけない。

強くこう思っていました。

自分のプレーがよくないことは
自分でもわかっていました。

しかし、自分のことだけを考えて
試合にでなければいけないと思っていた私は、
開幕戦のアップ前に監督に抗議していました。

大事な試合の前なのに
周りのことを何も考えていない行動でした。

本当にこのときの自分は謙虚じゃないなと思います。

自分のことしか考えていない。
素直に受け入れることもできない。

そりゃ外されますよね。

2016シーズンのリーグ戦は
だいと入れ替わりで試合に出るような形で、
しっかりとレギュラーを
取ることができませんでした。

こういうところからも、
だいとは少し距離があったのかなと思います。

鈴鹿に来て最初のころはこんな感じでした。

しかし、鈴鹿のチームメイト、スタッフ、
そして鈴鹿で出会った応援してくださる方々が
本当にいい人ばかりで、
そんなみんなとJFL昇格に向けて
練習や試合を経験していく中で、
自分にも大きな変化が出てきました。


「このチームでどうしても昇格がしたい」


はじめは
とにかく自分が試合にでることが目標だった私が
チームの昇格が目標になっていました。

昇格のために自分が試合にでたら精一杯プレーをするし、
ベンチであれば、サポートといつでも出場できる準備をする。


写真を見返したときに、
シーズン初めのころはベンチで喜んでいるものが
そこまでないのですが、
リーグ戦後に行われた
全国社会人サッカー選手権大会(通称:全社)
昇格を決めて戦った
全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(通称:地決)
でベンチになった時の写真を見返すと
めちゃくちゃ嬉しそうに喜んでました。

画像1

点が入った時はこんな感じで喜んでました。

画像2

画像3

試合出ている時も、喜ぶ時もケツ突き出しがちでした。




実際だいと仲良くなったのもこのころからだった気がします。

シーズン初めのころはだいに嫉妬心のようなものがありました。

だいと僕のプレースタイルは真逆で、
だいはものすごく足元の技術に長けたプレーヤーでした。

自分には持っていないものを持っていて、
素直にすごいなと思う気持ちと、
認めたくないという両方の気持ちがありました。



自分がどうしても試合に出たいから。



もちろん終盤の時期も試合には出たかったです。

しかし、それよりも大事だと思うことが
このときの僕にはありました。

その気持ちの変化がだいに対しての嫉妬心も無くなって、
うまくボール回しに関わるための
ポジショニングだったりとかを聞いたりもしました。

彼は本当にいいプレーヤーですし、
尊敬しています。


ただ、自分には自分の良さがあるし、
そこを伸ばしていこうと思うようになりました。


前回の投稿でもありましたが、
このように謙虚な考えをできるようになったときに、
プレー面も向上していきました。

全社が終わったあたりから
かなり調子が上がってきており、
それまで止めることができなかったシュートを
止めることができるようになってきており、
最後の地決では、レギュラーとして
戦いました。

ただ、これはプロのサッカー選手として
正解のメンタリティではないかもしれません。

あくまでプロは個人事業主で、
試合に出場できなくなった選手が
クビを切られていくという世界です。

ギラギラし続けているのも才能ですし、
その選手の魅力だと思います。

しかし、自分にはこの考え方が
合っていたなと思いますし、
チームのために行動していたことが
自分の価値になり、
引退した後でもスタッフとして呼んでくれたりと、
チームにも少しは必要な存在になれたのかなと思います。


3、地決

1年通して試合等のJリーグの時には
出来なかった経験をして成長していました。

その集大成がこの地決です。

地決は1次ラウンド決勝ラウンドがあり、
上位2チームがJFLに昇格できるという、
1年の最後にある最も重要な大会です。

大会要項等の詳しい情報は以下になります。



3日間連続で試合をするという
超過密日程の大会。

そしてその先にあるものが大きい。

どのチームも思いが強くなります。

鈴鹿も自分も同様で、
みんなが強い気持ちで挑んでいました。



まずは1次ラウンド。

初戦の相手は
アルテリーヴォ和歌山

大事な大事な初戦。

先制点を取って、その後押し込まれましたが、
気持ちで守り切って1-0の勝利。

初戦で勝利できたことが大きかったです。

2戦目は
J.FC. MIYAZAKI

この試合はベンチから見ていました。

先ほどの喜んでいる2枚目の写真が
その試合です。

先制点を取られたものの、
残り少ない時間に追いつき、
ロスタイムに逆転して
劇的勝利をした試合でした。

いやーまじで感動しました。

これまでは自分が出場していない試合で
勝利しても、嬉しい気持ち悔しい気持ちが半々でしたが、
この試合で初めて心底嬉しいと思いました。

1次ラウンドの最終戦である3戦目は
東京23FC

引き分け以上で決勝ラウンド進出が決まる試合でした。

そういった有利な条件もあり、
試合を優位に進め、
2-0で勝利し、全勝で決勝ラウンド進出を決めました。

画像4

3戦目終了後の写真です。

イケメン堀河の笑顔がいいですね。



1戦目はぎりぎりの戦いでの勝利。
2戦目は最後の最後で逆転勝利。
3戦目は試合を優位に運んでの勝利。


決勝ラウンドに向けて勢いに乗れるような3連戦でした。



そして、決勝ラウンド。

初戦の相手は
FC今治

勢いがあり、自身もある中で挑んだ試合でしたが、
1-2で敗戦。

大事な初戦で負けてしまいましたが、
残りの2試合勝てば昇格だからと、
みんなで切り替えていこうという話をしました。


2戦目は
三菱水島FC

この相手は全社で
優勝をかけた試合で敗れた相手でした。

その悔しさをはらすべく、
3-0で勝利。

前日の敗戦から
しっかりと切り替えができていたと思います。

2日目終了時点で
2連勝したFC今治が昇格決定し、
残りの1枠は
鈴鹿ヴィアティン三重のどちらかに
絞られました。

さらに最終日は直接対決

勝った方が昇格という最も重要な試合になりました。


同じ三重県にあるヴィアティンとは
2016シーズン中に何度も対戦しており、
一度も負けたことのない得意な相手でした。

いいイメージの相手に対して、
試合の入りもよく、
鈴鹿が先制点をとりました。

いける!
と正直思いました。

しかし、そういう甘さからか、
ヴィアティンの怒涛の攻撃が始まり、
結局4失点を喫し、1-4で敗戦。

3位で終わり、ぎりぎりのところで
昇格を逃しました。



自分の大きな目標を達成することができなかった。

チームを昇格させることができなかった。




悔しかった。






望んでいた結果はでませんでしたが、
素晴らしい経験をすることができたし、
その経験を通して大きく成長することができました。


翌シーズン契約はありませんでしたが、
水戸と契約をすることになり、
水戸に戻ることになりました。



もともと移籍したときは、
それが目標で移籍したのですが、
大きな忘れ物を鈴鹿にしてしまった私は
少し悔いを残しながらの
レンタルバックでしたね。


しかしそこは切り替えて、
2017シーズンは
水戸のためにプレーしようと
強い意気込みを持って臨みました。



この2017シーズンは
自分にとって大きな出来事がありました。


伝えたいことも多くあるので、
2017シーズンについては
また次回書こうと思います。

見ていただけると嬉しいです。


鈴鹿での経験が自分にとっては濃すぎて
本当に書ききれません。

もっともっと書きたいことはあるのですが。

まあ簡単にまとめるとこんな感じです。



4、人と比べるな。比べるのは昨日の自分


私は鈴鹿に行って、これを学ぶことができました。

大きな成長でした。


僕も水戸の時も鈴鹿に行ってすぐのときも
同じGKの選手と比べてしまっていました。



自分にはあれができない
あの選手はあんなにできるのになんで
同じ世代の選手が若手ながらに出場しているのにやばい


ずっとこう考えてしまっていました。

この考えの人は矢印が自分に向きません。



まわりと比べている人は嫉妬心を生む
過去の自分と比べている人は向上心を生む



どちらが成長できるかは一目瞭然です。


前者は愚痴を、後者はを語ります。




私は等身大の自分を書きます。

こういった偉そうなことも書きますが、
正直言って、嫉妬心が完全にないかと言われると
そうではありません。

完璧な人間はいませんし、自分もそこからは
まだまだかなり遠い人間です。




今の私は、新しい会社に入り、
業務もまだまだできていません。

そんな自分から同じ世代で
ビジネス界で活躍している
意識して見てしまいます。


ただ、そこに大きくある気持ちは
嫉妬ではなく、尊敬です。


謙虚にそういった方から学ぼうとしていますし、
自分も価値のある人間になるために
向上心を持って行動をしています。


このnoteもそうです。

学んだからといって、
その学んだことをずっと忘れずに
行動し続けられる人がどれほどいるでしょうか。

私もそのひとりです。

だからこうして経験したことを
アウトプットしています。

向上心からくる行動です。



だれもが成功したいと考えます。

しかし、その成功の形は人それぞれです。

その成功の形に選択肢を持ってほしい。



自分であれば、
サッカー選手としての成功しか考えていませんでした。

だからその道で成功している人を嫉妬してしまうんです。

会社でもそう。

その会社に一生いると考えると、
会社に対して、上司に対して
多くの不満を抱えてしまいます。

これは何となくの印象ですが、
愚痴を吐いている人ほど
変化を求めず、
同じ環境に身を置いている気がします。



しかし、いくつかの選択肢があれば、
すごい人がいるな
と認めることができて、
嫉妬心が無くなります。



私は今、いろいろな業種の方にお会いしています。

そこから学ぶことが多くあるからです。

そして選択肢が増えます。


行動し、経験あるのみだなとつくづく思います。



長々と失礼しました。


また書きます。

読んでいただいてありがとうございました。


岡田明久




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