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毎日ちょっとだけ連載小説|水深800メートルのシューベルト

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連載で小説を始めてみました。一話をかなり短く(200文字くらい)毎日ほんの少しずつ進める予定です。 読んで頂けると嬉しいです。
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2022年12月の記事一覧

水深800メートルのシューベルト|第411話

「ママのことを口にした奴は……」  僕はもう一度引き金に指をかけた。 「わかったわかった…

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水深800メートルのシューベルト|第410話

 轟音が消散した後にゆっくりと目を開けた。  想像とは違って、どこにも血は飛び散っておら…

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水深800メートルのシューベルト|第409話

メイソンは生唾を飲みながら言った。 「や、やれるもんならやってみろよ」 「ば、馬鹿! アシ…

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水深800メートルのシューベルト|第408話

「このマザコン野郎が、バーナード構わねえ、ぶん殴れよ」  メイソンはバーナードに震える声…

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水深800メートルのシューベルト|第407話

「それをどうするつもりだ。お前に銃が撃てるのか? ママにでも……」 「うるさい!」  ドー…

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水深800メートルのシューベルト|第406話

 彼(バーナード)は、ひょいと後ずさって、ファイティングポーズをとった。次に瞬間、僕の腹…

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水深800メートルのシューベルト|第405話

 バーナードが腋の下に手を入れてきて、引っ張り上げようとした。それをふり解いて、しゃがんだままじっとしていた。 「どうした、まだ酔っているのか? 情けない奴だ」  メイソンに足で小突かれて、怒りがこみ上げてきた。続いて、バーナードが囃し立ててきた。 「もしかして、あの淫売、お前を捨てたママにでも似てるのかなあ?」 「お前、まだママが戻って来るとでも思ってんのか?」  ブライアントも笑ってきた。  僕は、抑えられないマグマが頭の中に沸いた。頭の中はグラグラしたままだが、地

水深800メートルのシューベルト|第404話

 彼女は僕らを気にかけていないのか、こちらを見ずに自分の爪を見ていた。しかし、顔を上げて…

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水深800メートルのシューベルト|第403話

 弾かれたように先ほど通り過ぎた木造の建物の方へ歩き出したが、胃のムカつきと苛立ちが口の…

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水深800メートルのシューベルト|第402話

 頭の中が激しく回転する中で、無性に腹が立ってきた。こんなに気分が悪いのに、誰も心配して…

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水深800メートルのシューベルト|第401話

 外に足を踏みだした途端、めまいがやってきた。そこで、車の屋根にもたれかかるようにしてや…

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水深800メートルのシューベルト|第400話

 何度か吸ううちに、またもや胃がムカムカとしてきた。腹の底から何かが湧き上がり、それが苛…

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水深800メートルのシューベルト|第399話

「早くやれよ。とっとと仕事して帰りたいんだよ、俺は」  ブライアントが怒ったような声を発…

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水深800メートルのシューベルト|第398話

「ほら、吸えよ」  手渡された芋虫から、あの焚き火のような変な臭いがしてきた。 「嫌だよ、この前も気持ち悪くなったし……」  どうしてこれを吸うといい気分になるのかわからず、隣のまだ幸せそうなバーナードの顔を見た。 「なんだ、お前パイプを返そうとしてるのか? いいから吸ってみろよ。これが大人になるってことだよ。初めはバッドトリップで苦しくても、段々と慣れて気分がよくなるからさ。俺たちはみんなそうやって乗り越えてきたんだ。ここで、頑張らないとな」  バーナードは、窘めるよう