
Nintendo Switch2の発表から見える任天堂の戦略について
つい先日、2017年3月3日に発売したNintendo Switchから7年10ヶ月の時を経て、ついに後継機種の発表がありました。今回はNintendo Switch2の仕様を元に、Nintendoの販売戦略について考察してみようと思います。販売価格も予想してみました。
これまでのハード販売実績
Nintendoは、ファミコン、スーパーファミコン、ニンテンドー64など過去に遡って多数のハードを販売していました。最近の出来事を少しかいつまんで解説します。
Nintendo Wii
ゲームキューブの後継機として2006年12月2日に販売されました。リモコン型のコントローラーを搭載し、体験型の筐体になったことが特徴です。体験型のタイトルを多く提供して、これまでゲームに馴染みのなかった親世代や高齢者層にもターゲットを増やしていきました。ライバルのPlayStationやXBoxとは違う路線を進み、世界で1億台以上の大ヒットを記録しました。
Nintendo WiiU
Wiiの後継機として2012年12月8日に販売されました。液晶画面を搭載したコントローラーが特徴で、テレビの画面と手元の画面を組み合わせることで、あたらな体験を提供することを狙いました。ただし独自のインターフェースは開発コストがかかるのか、サードパーティのタイトルが不足してしまい不振となったハードで、販売台数も1,350万台程度でした。
でも、スプラトゥーンの生みの親となり、意味のあるチャレンジだったと思います。(個人的感想)
Nintendo Switch(Liteも)
WiiUの販売不振を受け、あとがない状況で2017年3月3日に発売したのがNintendo Switchです。コントローラーと一体型で、ポータブルゲーム機としての利用や、コントローラーを分離してテレビに接続することで据え置き機としての利用を兼ねており、このハードから、これまでゲームボーイから培ってきたポータブル端末と統合することになります。この渾身作のハードは、コロナ禍の巣ごもり需要にも乗じて多くのファンを獲得しました。
Nintendo Switch2の仕様
現段階(2025年1月21日)で分かっているSwitch2の仕様はおおまかに次の通りです。詳しい説明はニュースやまとめで掲載されているので割愛します。
・画面サイズ:8インチLCDディスプレイ
・いまのSwitchと比べて約14%大型化
・Playstation4Proと同等の性能
・Joy-Conの大型化、新機能の追加
・いまのSwitchのソフトが稼働する
ざっくりこんな感じです。さすがに販売から約8年経過しているので現行ハードであるSwitchの性能は相対的に低くなっており、Apexなんかはギリギリ動く状態です。それに対応していることがメインで、かつてのWiiや現行Switchで見せた大幅なコンセプトの変更は無いような印象を受けます。
Nintendo Switch2の戦略に関する考察
さて、ここまでは現状の確認でした。この情報をもとに、任天堂の戦略を考察していきたいと思います。
ターゲット層とライバルはどこ?
今回発表された仕様を見る限り、ターゲット層はSwitchと変わらずライト層のユーザーになると考えられます。その場合のライバルはスマートフォンです。スマートフォンはゲーム業界の業容を大きく変化させました。かつて、任天堂の倒し方を知っているという方も確かいたような。それはともかく、いつでも持ち歩いているスマホで手軽にゲームが出来る環境と明確に差別化する必要があります。
Nintendo Switch2の戦略
結論から言うと、仕様が大きく変わっていないことから、基本的な戦略に大きな変更は無いと考察します。PrayStationやXBox、ゲーミングPCのような本格的なゲームではなくライトな層を狙いながら、スマホと差別化した体験を提供していくことになるでしょう。価格もおそらく5万円を切るくらいで、スマホを持ちながら1台買える位を攻めてくると予想します。たぶんハードの性能と比較したら赤字なんでしょうけど、状況的にこのぐらいじゃないと買い替えが進まず、ユーザーはSwitchを再購入するんじゃないでしょうか。
Nintendo Switch2の課題
販売の成功は、現行のSwitchを所有しているユーザーの乗り換え需要をどのように創出するかにかかっています。これまでのハードは体験価値が大きく異なることで、旧ハードとの差別化を図っていました。でもNintendo Switch2の仕様は大きな変更が無いので、ユーザーの「別に買い替えなくても良いや」という気持ちが大きくなります。結構頑丈につくられているので耐久性も高く故障も少ないみたいですし、修理やサポートの体制も不満がありません。
PrayStationやXBoxのような高性能グラフィックで没入感のあるタイトルで戦う路線から一線を引いて独自の路線を進んできましたので、おそらく旧ハードと性能で差別化するようなタイトルで買い替えを促進することは出来ないでしょう。
まとめ
というわけで、これまでのハードの歴史からNintendo Switch2の仕様をもとに、任天堂の戦略を考察してみました。爆発的なヒットを目指すのではなく、いまのポジションを維持しながら独自路線を突き進んでいくのではないでしょうかね。だから、ハード名も大きく変更せずに、Nintendo Switch2にしたと思います。実はハード機のナンバリングは初めてです。
ちなみに、わたしはSEGA派でした。笑