泥のように眠る

引く手あまたの踊り子に粘土を加える。
夜が更ける。
洗濯室が蒸気でいっぱい。
ふくれあがる粘土。
その夢は、踊り子が見てるのか、粘土が見てるのか。
「粘土だろう」と私。
悪夢を見るのは粘土にきまってる、そうでなければ辻褄があわない。

そんなところに私がいたとは。
この場合の私は、私が私を脇から見て私と言ってる場合の無責任な私。
また私が適当なことを言って――といったような私。

「粘土だろう」と繰り返す私、泥のように眠るとも言うし。

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