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旅をすれば仕事が生まれる。仕事をしながらまた旅をする。【岡慧隼(おかけいじゅん)】株式会社トラベロコ

株式会社トラベロコの岡と申します(APU卒)。リモートで働いていることもあり、今でも大分には年に一回はひっそりと訪れています。今回は、ご縁があり東京で開催される『大分カイコウ』で観光をテーマに、他の素敵なゲストの方々とお話させていただきます。

ここでは、海外在住日本人と日本人旅行者をつなぐサービス「トラベロコ」を仲間たちと運営する中で、最近感じていることの一部を、大分カイコウSalon#02(10/9開催)当日に向けて、つまみのお話を少しできればと思います。

プロフィール:岡 慧隼(おか けいじゅん)
BBTU中退、APU卒。高校在学中コンサルティング会社で見習い後、卒業と同時に単身ミャンマーへ「軍事国家ミャンマーで活躍する日本人」を取材して回る。東南アジア関連NPO勤務、シンクタンク立ち上げに携わった後、大学在学時5人目のメンバーとしてトラベロコに参画。現在はリモートで企画、PR広報、国内外でイベント開催などを行う。

トラベロコとは、
海外に住むロコ(海外在住日本人)に観光案内や、通訳サポート、市場調査サポートなど自由に相談や依頼ができる国内唯一の海外マッチングプラットホーム。2019年現在、トラベロコは世界171ヶ国(世界の9割)に展開し、15万人以上のユーザーが登録している。


目次;
①観光需要が高まる、現地の人にとっての「当たり前」
②現地の「当たり前」と旅行者の「面白い」を知る人物


①観光需要が高まる、現地の人にとっての「当たり前」

トラベロコは口コミによって緩やかに広がり、リピート率が高いという数字が出る状況が続きました。その要因を探ろうと、2017年ごろから数多くのユーザーにヒアリングやインタビューを重ね、見えてきたものの一つが、

『ディープでローカルな体験をするのに便利。』

という意見です。

ただ観光客に人気のレストランではなく、現地の人しか知らない大衆食堂でご飯を食べる、移動はタクシーではなく、ロコに使い方を教えてもらって路面電車を利用する、などが分かりやすい例です。            シンプルですが、確かに楽しさの度合いが違うことが容易に想像できます。

そのじわじわ広がる「ローカルな体験」の需要はインターネットが普及した昨今、国内だけでなく海外でさえ、どこに何があるのかすぐに分かる環境が背景にあると考えています。                      インターネットで目的地や現地での体験を探せば、すぐに「凄そう」な体験、「凄そう」なものの情報を見つけることができます。同じような情報が多すぎて飽きてしまうほどです。

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その反動として「ローカルな体験」の需要が高まるという変化です。

日本ではあまり認知されていませんが、AirbnbがローカルなExperiences(体験)を軸としたサービスを展開しているのもそういった背景が一つ考えられます。個人的にはこういったディープでローカルな体験を、ネット上の価値指標から半歩離れるイメージで、『圏外の体験』と呼んでいます。

そして、『圏外の体験』のほとんどが『現地の人にとっての当たり前』とイコールであり、その中でも現地の人しか知らなそうなことは、より旅行者の満足度に繋がり、お土産話にも花を添えるのです。

別府で言うなら、単純に「地獄めぐりをしてきた」「温泉に入ってきた」よりも、「現地の人に教えてもらった、〇〇の裏メニューのオムライスが美味しかった」「北浜にいる天狗の後頭部が…」「地域の人に連れっててもらった亀川の100円温泉の温度が凄まじかった」などの感想の方が聞いてる方も興味が湧きます。大分県に限らず、現地に知り合いがいないと旅行雑誌などの情報をなぞる観光になりがちで、こういった体験は意外と生まれづらいんじゃないかなと感じています。

②現地の「当たり前」と旅行者の「面白い」を知る人物

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トラベロコの市場に直接的に関わる、日本人出国者数の推移は1996年以降、緩やかな伸びはあるものの、2020年に向かって爆発しているインパウンド市場のように、急増している市場ではありません。

それでも豊かな海外体験が生まれる経済圏が形成されつつある大きな要因の一つが、現地の「当たり前」と旅行者の「面白い」を知るロコの方々の存在です。日本から海外に移り住み、現地の文化や魅力を理解している彼らは、現地の人にとっての「当たり前」と、旅行者が「面白い」と感じる交点を感覚的に知っています。それが結果的に、ユーザーニーズの受け皿となり、豊かな現地での体験を実現し、トラベロコのリピートや口コミといった現象を生んでいます。

日本の地方地域で置き換えても、インバウンドで旅行者が増える一方で、東京や京都のような国際都市のように爆発的な増加はなかなか難しい現実があります。しかし、個人的にはそれが良いなと感じています。突発的に人が流入する仕掛けより、継続的に広がっていく経済圏を整えていって欲しいからです。そういった意味では、Iターンで移り住んだ人々が非常に重要だと感じています。

移住には様々な理由があるので一概には言えませんが、Iターンの方々は、ロコのようにエリアにとって非常に重要なキーマンであることは間違いありません。数多くある選択肢の中から、大分の魅力に引き込まれた移住者は、その「当たり前」で魅力的な生活を身近な人々が「面白い」と感じる切り口で自然とプレゼンし、魅了しているように思います。少なくとも、私は多くのIターン移住者の方々の言葉に魅了され、様々な地域に足を運んでいます。そんな彼らの声に耳を傾けることは、旅行者の新しいニーズの受け皿を生み出す糸口になるような気がしています。


P.S. 大分カイコウのイベントでは、垣根を超え様々な方々と出逢えるのを心待ちにしています。

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