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【大分カイコウCase】コワーキングスペースの世界を広げる連携を。 <いいオフィス龍崎宏氏×ASO宮井智史氏/aside長谷川雄大氏>



◯地方都市のコワーキングスペースに共通する課題

大分カイコウSalon#04では、コワーキングスペースの運営をしている『いいオフィス』・『ASO(アライアンスソーシャルシェアオフィスベップ)』・『aside(アサイド)』の3社の邂逅が生まれた。
大分カイコウSalon#04の登壇ゲストとして参加していたいいオフィス代表龍崎宏氏より、コワーキングスペース業界を広げるべく、大分拠点のASO宮井智史氏、aside長谷川雄大氏に提携の話しがもちかけられ、その打ち合わせ・対談日に伺わせていただくことができた。

別府拠点の2社は、大分県さらには別府市という地方都市ゆえに、絶対的な人口の少なさ、コワーキングスペース利用者層の薄さという大きな課題を抱えており、2社での協業体制を模索している段階であった。

そんなタイミングで全国、さらには世界へと精力的に拠点展開をしているいいオフィス龍崎氏から協業の声がかかり、事業課題解決の糸口となる可能性があると、3社が対話をする場が設けられることとなった。

えええ


◯全国コワーキングスペースを『いいオフィス』の仲間に

『いいオフィス』は、コワーキングスペースを運営していく上で多くの運営者が抱えることになる課題を、ひとまとまりのグループになることで解決していこうという龍崎氏の思想のもと生み出された事業である。

「コワーキングスペース」とはフリーランスやデザイナーなど、パソコン一つあればどこでも仕事が出来る職種の人が仕事をする場所として、1時間利用ならいくら・1日利用ならいくら、と時間貸ししているスペースのことを言う。
コワーキングスペースの運営者には「ただ仕事をする場所を貸し出す」だけでなく、そこで生まれる交流や仕事のマッチングなども作り出していきたいと考えている方が大半である。
しかし、人口の多い東京都心部でもコワーキングスペース事業単体では事業として成立しないケースが多く、ことさら地方都市ではさらに厳しい現実がある。

そこでいいオフィスでは日本各地のコワーキングスペースと連携し、いいオフィスと協業している全てのコワーキングスペースを月定額で使える仕組みを生み出し、地方都市で利用者集客に課題を感じているコワーキングスペース運営者を底上げする取り組みを始めた。2019年から拠点展開のための提携活動を始め、今では80拠点にまで増えている。さらに、オリンピック開催前までには150拠点に広げることを目標に活動しているという。

また、いいオフィスでは社員数の多い大手法人に使い勝手の良いプランの開発も行っており、2020年3月現在、巷を賑わしている悪性のウイルス問題から発生した自社オフィス・自社事務所以外での就業スタイルへの流れも相まって、活用者の急増が見込まれている。

そして、コワーキングスペースの利用者が増えることで、地方都市にも大手企業や東京からの移動利用者が流れはじめ、地方のコワーキングスペースを活性化していくことが目的とのこと。

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◯地域の人のためのコワーキングスペースASO

コワーキングスペースASOを運営している宮井氏自身、別府に移住してきた際に仕事をする場所がなく困っていた経験があり、5年前の2014年にASOを開くこととなった。

「別府で創業しようとしている人がオフィスを借りようとした場合、4.5万/月+初期費用などの経費が発生してしまうが、初期費用・毎月のランニングコストをもっと抑えることによって事業内にお金を回すことができるのではないか。」

「行政の創業窓口などに相談に行くも、何から相談すれば良いのかもわからなかった。」

このような自身の体験から、地域の人のためになるコワーキングスペースにしていきたいという想いを持ってスタートした。
実際、ASOには継続的な創業支援を求めに来るケースが大半であり、ドロップイン(一時利用)として利用する人は少ないとのこと。

東京など県外からのドロップイン利用者が増加すれば事業の拡大を見込むことができるが、宮井氏としてはそこに重きを置いておらず、あくまで地域の人のためのコワーキングスペースを追求している。

いいオフィスとの提携により、地域外からの利用者が増えるとしても、まるで近隣地域の住人であるかのようにドロップイン利用者と接し、あわよくばその方が別府に移住してくれたら、とまで考えているのかもしれない。

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◯地域の人が集まる場所aside

ASOと同じ別府市にあるコワーキングスペースaside。鉄輪(かんなわ)エリアという別府駅から車で20分ほどのところに位置する。鉄輪は地獄めぐりや温泉、旅館のバリエーションも豊かで昔から「湯治(とうじ)文化」があるため、観光地としても有名な町である。
その鉄輪に来る人のほとんどが観光客や、温泉宿泊客のような「わざわざ鉄輪を目指してくる人」である。
aside運営者の長谷川氏いわく、本当はシンプルに「人が集まる場所」を作りたいという思いがあったが、周りにわかりやすいように「コワーキングスペース」と呼ぶことにしたという。
単なるコワーキングスペースという仕事をしにくるだけの場所ではなく、利用者にはタダで温泉に入ることができるサービスになっており、今後はaside利用会員が地獄釜(天然の温泉蒸気蒸し)を使えるようにしたりと企画しているようだ。

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◯ASOとasideの協業話し、そしていいオフィスとの邂逅

宮井氏、長谷川氏ともにコワーキングスペースの運営単体では事業として難易度が高いという課題を抱えており、両者で課題解決策を検討し合っていた。
そんなタイミングで、大分カイコウで出会ったいいオフィス龍崎氏から「地方都市のコワーキングスペースを活性化するプランがある」という提案を受け、すぐに3社のコラボレーションが実行される流れへと発展していった。


◯進化し続けるコワーキングスペース

大分カイコウを起点に出会った年齢層の近しい3人が、共通する課題感を持ち、お互いの利点を生かし、お互いの足りないところを補完し合いながら協業していく取り組みが始まった。
地方でのコワーキングスペースの運営にはまだまだ多くの課題が残るかと思うが、大分カイコウではこれからも進化し、新しいコワーキングスペースの在り方を模索し続けていく3社を応援していきたい。

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