見出し画像

47都道府県の買い物難民たちを救え!究極のセレクトショップを目指す「とくし丸」とは?

当記事は、2019年9月14日のnote記事を再編集し、広報室が最新情報および内容に再構成 / 再編集したものです。

こんなに『ありがとう』を、一日に何度も言われる仕事はあるのだろうか──?

移動スーパー「とくし丸」のトラックに同乗し、お客様のご自宅を一軒一軒まわった際に感じたことです。

とくし丸02

現在、スーパーマーケットの超大型化や郊外化で、近所のスーパーが撤退し、日常の買い物に不自由している「買い物難民(買い物困難者)」と呼ばれる人が増えています。
2018年度の農林水産省の統計では、その数は全国に約825万人
その多くは80歳を超えた高齢者で、調査をするとこんな悩みが…

・買い物のためにまだ車の運転を続けている。でもシンドイ。
・食べるものを買うのは、いつもコンビニ。だから生鮮食品はあまり口にしない。
・この秋は、まだサンマを食べてない。

地方だけでなく、いまや都心にも存在する全国の買い物難民を救いたい。その一心で、2012年に設立されたのが「とくし丸」です。

そもそも「買い物」という行為は、生活の中の「お楽しみ」。現物を見て、触って、感じて、選ぶ。その楽しさを買い物難民と呼ばれてしまっている方々に届けられないかと考えた結論が、「移動スーパー」という手段でした。

玄関先まで軽トラックで出向き、会話をし、お買い物をしていただく。軽トラックといえども、冷蔵庫付きの専用車ですから、生鮮食品も積み込んだそのアイテム数はなんと400品目以上、商品数は約1,200点にもなります。

とくし丸03

もちろん、それでも「物足りない」と思うかもしれませんが、そうでもないのです。何故なら、「とくし丸」スタッフがおばあちゃんたちにお薦めしたい商品ばかりを選りすぐり、荷台に搭載しているからです。

いわば、究極の「セレクトショップ」を目指しています。

加えて、「とくし丸」のスタッフは、「見守り隊」としての役割を果たすことも目指します。週に2回、お客様と顔を合わすため、ちょっとした変化に気づき、病気の早期発見に貢献。各自治体や警察などとも連携し、特殊詐欺の防止にも協力してきました。

社会的意義ある活動をビジネスとして成り立たせていることから、これまでに様々なメディアで紹介され、2015年にはテレビ番組『カンブリア宮殿』にも特集されました。


Oisix ra daichiの出向メンバーが躍進を支える

注目を集める「とくし丸」ですが、2016年にOisix ra daichi(当時、オイシックス)の子会社となりました。

「食に関する社会課題をビジネスで解決する」 という両社の想いが重なり、「とくし丸」の事業をより拡大していくことが、その背景にあります。

とくし丸04

(▲)「とくし丸」のメンバーと、Oisix ra daichiのメンバーの交流会「とくしまナイト」での一枚。「とくし丸」は徳島に本社があり、名物の「阿波踊り」をみんなで踊りました。


2012年の創業から5年で100台だった全国の移動スーパーの契約台数は、数年以内に1000台越えを目指して活動をしています。2020年10月現在は、日本全国の136社のスーパーマーケットと契約、全国47都道府県で累計630台を突破し、さらなる急成長を続けています。

画像4

今回は、「これからの食、これからの畑」をミッションに掲げるOisix ra daichiにおいて、成長を続ける「とくし丸」の裏側をお届けします。

全員が幸せになる「とくし丸」の仕組みとは?

はじめに、「とくし丸」のビジネスモデルを紹介します。

「とくし丸」の事業を成り立たせるためには、「地域スーパー」と「販売パートナー」の存在が欠かせません。

画像5

「とくし丸」は、買い物難民となっているお客様へ商品を届けたい「地域スーパー」と直接契約を結びます。契約したスーパーには、「とくし丸」がこれまで培ってきたノウハウを提供し、移動スーパー事業の成功をサポートします。

通常のフランチャイズの仕組みでは、売り上げに応じて何パーセントかが本部に支払われることが多いですが、「とくし丸」は違います。移動スーパーのトラック1台につき月3万円という「定められた額」を、ロイヤリティとしていただくだけ。移動スーパーの販売で稼いだ売上は地域スーパーと販売パートナーに最大限還元されます。

また、契約した地域スーパーは、自分たちの商品を移動スーパーで販売をする「販売パートナー」となるオーナーを募集します。販売パートナーは、個人事業主として働きますので、スーパーに雇用されるわけではありません。これは、スタッフの人件費や、車両の購入費の負担をスーパーにかけず、初期投資を最小限に抑えるためです。

とくし丸06

そして、販売パートナーの一日の売上の17%が、地域スーパーから販売パートナーに支払われます。一日の売上平均が10万円なので、25日稼働すると、約45万円(別途経費はかかる)が毎月払われ、販売パートナーの暮らしを支えます。

加えて、販売パートナーが販売する商品は朝にスーパーから仕入れ、1日の販売が終わった夕方にスーパーに戻すので、在庫リスクはゼロで、生鮮食品のロスも心配せずに販売できます

ただ、この3者の協力だけでは充分な粗利を確保することが難しく、苦渋の決断の末、実施に踏み切ったのが「10円ルール」です。スーパーで販売している店頭価格にプラス10円をお客様に負担いただき、そこで生じる利益を5円ずつ販売パートナーと地域スーパーに還元するというものです。

「とくし丸」に関わる人々が「やればやるほど報われる」ことを追求し、売上があがるほど、利益が最大限還元される仕組みにしています。


(▼)「とくし丸」のビジネスモデルの詳しい説明はこちら


おばあちゃんの「コンシェルジュ」であれ

報われる仕組みを組み立てる一方で、「とくし丸」が大切にしているのは、「儲け」を求めすぎないことです。
売上を上げることは重要ですが、大切なお客様が、買いすぎて、食べきれなくて、賞味期限を切らせて、食品を捨ててしまう。そんなことだけは、絶対にさせないように、決して「売りすぎる」ことだけはしないよう心がけています。

画像7

お客様と末永く信頼関係を保つためにも、「売りすぎない」ことは、とても重要なポイントです。

3日前に買ったはずなのに、また買おうとする場合、まだ残ってないかをちゃんとチェックし、場合によっては「売り止め」をすることもあります。その行為が、「とくし丸」を信頼いただく基盤となって、長期的な売上アップに繋がっています。

そして、そんな関係が数ヶ月以上続くと何がおこるか──?

「とくし丸」の販売パートナーは、もはや実の子供か孫かと勘違いするくらいの親しい関係になってきます。

お客様との間に信頼関係を築くことができれば、その先には食品以外の商品、あるいはサービスの提供も可能になります。最近では、眼鏡の新調や補聴器の修理などのサービスの提供もはじめています。

高齢者の要望に何でも答える。

「とくし丸」の最終目標は、おばあちゃんたちの「コンシェルジュ」です。


販売パートナーさんが語る”間違いなく良い仕事”

「とくし丸」は、2020年10月時点で、136社の地域スーパーと提携し、47都道府県でサービスを展開。月間流通総額は、ついに13億を超えました。
そんな、「とくし丸」を支えてくださっているのが、全国各地の販売パートナーのみなさんです。なかでも、販売バートナーの堀内さんは、「とくし丸」での仕事を「間違いなく良い仕事」と語ってくれています。
堀内さんへのインタビュー動画から一部コメントを抜粋して、お届けします。

画像8

開業の経緯はーーーー

おばあちゃんたちが、若かったら自分がやりたい仕事とおっしゃてくれるんです。この仕事を始める前は、ハンバーガーチェーンに22年勤務していました。そんななかで、「とくし丸」が販売員を探していることを知り、一念発起でやってみるか!という想いからはじめました。近所のおばあちゃんたちが、免許を返納したり、近くのスーパーが閉店したりして思うように買い物に買い物に行けず困っているという話は知っていたんです。こういうお客さまの役に立つ仕事をしたいと思ったんです。

お客さまとのつながりのエピソードはーーーー
お客さまの中に、食事をするのが嫌なおばあちゃんがいたんですよ。あちこち手術をしていて、お弁当ばかりを食べていて、食べることが憂鬱になっていたそうです。そこに「とくし丸」が来るようになり、自分の目で見て好きなものを選べることで「食事が楽しみになって、元気になっているのよ」と教えてくれました。

仕事のやりがいはーーーー

仕事をやっていて、「自分から良い仕事」って言えるのはなかなかないと思うんです。いろいろな仕事をしてきましたが、「この仕事は良い仕事だ」と言えます。人お客さまやスーパー、行政まで、役に立っている実感がすごくあります。

(▼)販売パートナー堀内さんへのインタビュー動画はこちら


「とくし丸」のキーマンはこの人!

「とくし丸」 代表取締役社長 新宮 歩氏
2003年旧オイシックス(現オイシックス・ラ・大地)に入社。EC事業部にてOisixのサービス開発・運用を経てM&Aや新規事業の立ち上げを担当。2016年より同社の執行役員と、「とくし丸」の取締役を兼務。2020年6月「とくし丸」の代表取締役社長に就任。

画像9

「とくし丸」および販売パートナーへのご取材希望の方はこちらまで

publicity@oisixradaichi.co.jp


編集者Profile.
新人広報のだーやま
2020年6月にオイシックス・ラ・大地 広報室に現れた”期待の?”オールドルーキー。大好物は、”コラボレーション”と”企画の妄想”。
noteを書きながら、”note発のコラボレーションが生まれること”を妄想しつつ、ニヤニヤしながら、脳みそと現場で汗をかいて、日々頑張っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?