見出し画像

健康オタクは変化球を投げたがる


こんにちは、健康オタクです。
夏も近づき蒸し暑さも増してまいりました。
私は体調がイマサンですが、蜜蝋ろうそくの灯火は美しくストップ高を更新中。
たゆたう贅沢な時間に、オノレもモタモタ溶けております。

楽しみ方も変化しています。
外気温の上昇と共に、炎のゆらぎそのものが華やかになってきました。
冬の『癒し』から春の『伊吹』を経て、夏の『活動』へと巡っているような。
小さな炎の輪郭が空調や気温の変化で細やかに踊るので、見飽きることがありません。

先日は炎の赤い部分や青い部分から、理科の実験を思い出していました。
学校の集団生活なんて理不尽で面倒な事だらけだったけれど、いま振り返ってみると、楽しい部分も無くはなかったかも。もっとちゃんと味わっておくんだった。私はいつも気づくのが遅かった。


それにつけても悠久なる光よ。具現化された癒しよ。

ろうそくの固体と蝋の液体とかもされた気体よ。

何を言っているのかわからないとは思いますが、魂の叫びゆえお許しください。



さて蜜蝋にハマり続けながらも、オタクは変化球に興味が出始めていました。
以前こっぴどく振られたボタニカルキャンドルに、未練が残っていたのです。

ヒトは手に入らなかった事柄ほど執着しがちです。
知力・体力・時の運を持たぬオタクですが、心ふるわせよ。今日は人生で一番若い日ではないか。自身の体質に合う素材だけで作るのであれば、健康に障らぬモノに出会えるのではないか。

自家発電欲が湧きあがり、再び自作の支度を始めたのでした。

尚、前記事にて「蜜蝋加工はシンプルに」と綴っておりましたが、今回はそこに至るまでの経緯の記録と汲み取っていただけますと幸いです。

こころ揺れ過ぎて遭難する想い



***

作り方を検索しました。
よく見かけるボタニカルキャンドルは、中央にシンプルなろうそくを携え、その周りにドライフラワー等を美しく配置し、それらを蝋で固める二重丸形式です。
蝋全体に直接混ぜ込むタイプや、ろうそくの天辺、芯の周りを可愛らしく飾るタイプもありました。まさに百花繚乱です。

目移りします。でも健康オタクは不器用です。
懐事情もあることだし、手持ちの道具と材料でカタをつけたい。

こだわりたい部分もありました。
決して譲れないテーマ。心身に優しいお品なのは必須ですが、もうひとつ。
『ボタニカル部分を燃やしたい』……燃える前提のろうそくが欲しかった。

非難轟轟の未来が視えます。とあるキャンドル講師さまのブログでも、
「ドライフラワーが燃えてしまうような設計は避けましょう」
キッパリと注意喚起がされています。
ろうそく界隈では火事に繋がるような設計は、当然ですが、ダメ、絶対。

それでも欲しいのは何故か。

ワタクシには以前、素敵作家さまのボタニカルキャンドルを焦がしてしまった過去があります。繊細に彩られたドライフラワーに着火し一部に焦げが出来てしまい、折角の世界観を台無しにしてしまった悔いがあります。それはそれは落ち込んだ覚えがあります。

その時に強く思ったものです。
最初から全て消えてしまう設計だったら、諦めもついたのに。

美しい花束や可憐スイーツの存在価値にも通じます。オタクは儚い夢が好き。
そしてどなたかがお膳立てしてくれるのを待つのはワタクシの本意ではない。

健康オタクはせっかちです。体質的にも難だらけだからこそ、オノレの欲望は自ら処理するべきではないか。
斜め上過ぎるマイ欲望を、蜜蝋さまは受け入れてくださるであろうか。


少しずつ歩み寄ることにします。

昨冬に干して保管しておいた無農薬蜜柑の皮やハーブティー、あちこちで採取した植物などを、棚から出して並べます。
植物を全面に推すのだから、蜜蝋さまは精製した白いコを使おう。
順番に、溶かした精製蜜蝋に加えてみます。
固まったら順に灯します。
何種類かを、形や大きさを変えて作ってみます。大きさの違う紙コップをみつくろって定番の二重丸形式にもチャレンジ。日にちを改めもう一度作る。良さげだったものは繰り返す。





結論から申しますと、天から「素人が余計な事をするな」と叱られました。

欲しいと思っていた組み合わせは、ことごとく見栄えがアレだったり、灯した状況がソレだったり、とにかくアレンジが邪魔になる。
結局「蜜蝋さまは単体こそベスト」と思い知らされて、早々にコールドゲームとなりました。

基本中の基本ですが、次への階段を登りたければ、作り手側の熟練さが大前提。先述のパティシエールさまのアドバイス、「同じレシピを千回作ろう」が、此処で響いた次第です。

それでも実働しなければ、そんなことも判りませんでした。挑戦したひとにしか見るコトの出来ない高い壁。なんと有り難いことでしょう。

***



そのなかで唯一(私が)盛り上がったお品がこちらになります。

現在療養中の身内に『焚き火』が大好きなヒトがおりまして、お家のテーブルで焚き火気分を味わってもらえるように作ってみました。

精製された白蜜蝋に細かくカットした松葉を練り込んだミニろうそくです。

疫病騒動後、SNSで松葉タバコが流行っているのを見かけた際、自宅にあった松の葉を燃やして「良いにおい〜」と感動した記憶がキッカケです。

そしてもうご存知かと思いますが、松葉は『仙人の妙薬』と呼ばれる上薬です。身体によろしい蜜蝋とタッグを組めば、効用はさらに倍、になるに違いない。

綺麗に燃えるように、危険に燃え過ぎないように、わずか2〜3g、小指の先サイズに仕上げたトコロがポイントです。

点火しますとこのように
松の葉が薪代わりになりまして
もーえろよもえろーよー
ほのおよもーえろー
ミニミニ焚き火でした


細かい松葉に着火する度に炎がゆらゆら踊り、松葉の燃える煙と共に、うっすら香りも漂います。
身内に渡したら面白がってくれたのでめっちゃ嬉しかった。よかった。

ちなみに試作のなかで、特に印象に残ったのはローズマリーです。
流石は肉料理の友。ひどく燃え過ぎて怖かった。

魔除けだもの


そして前回、身内から依頼されて制作した神仏用の未精製蜜蝋ミニろうそくは、2、3個使った時点で「やっぱ使いにくーい」と却下されております。
消灯後のゴミが出ないように座金を使わず作ったのが仇になり、
「途中で芯が倒れてしまって、最後まで綺麗に灯しきれなくて不便」
と、ショボーンな評価がくだされたのでした。なんてこった。



***

松葉ミニろうそくはboothにちょっとだけ置かせてもらおうと思います。
お暇がございましたら遊びにいらしてくださいませ。

(・ω・)ノシ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?