見出し画像

筍で淡紅藤

じとじとした毎日が続いています。曇っていたとおもったら突然晴れたり雨が降ってきたりと染色的にはもどかしい日々です。

さて、今回はじとじとついでにといっては何ですが・・・ じとじと竹林の今が旬(正確には当地域ではちょっと前)、マダケ(真竹)の皮を使っての染色をしてみましたので紹介したいとおもいます。

マダケは竹と呼ばれるものの一つで筍は今が(正確にはちょっと前)収穫時期です。大体30~40cm程度伸びたところで刈り取ります。この時期は梅雨時なので雨が降ったあとの竹はぐんぐんと勢いよく伸びます、伸び過ぎてしまうと収穫できなくなってしまうので、ジメジメの中、びしょ濡れになって収穫することになります。
新鮮なものはそのままでも食べられます、煮たり焼いたり、天ぷらにしてもとっても美味しいです。先端あたりの柔らかい姫皮もごま油とにんにくで炒めると本当に美味しい。
同じ時期かそれよりもほんのちょっと早くにニョキニョキと生える淡竹(ハチク)も美味しい。マダケに比べると細いので、どうしてもマダケ優先になってしまいます。マダケよりも太い孟宗竹(モウソウチク)の収穫時期はもっと早くて4月頃です。

筍は食べられる部分を取りだすため皮をむいていきます、実際に食べられる部分は半分以下のサイズに細くなってしまいます。むいた皮は一番外側の硬い皮と、食べられない柔らかい皮がありますが、染色には硬い皮を利用します。使わない皮は(硬い皮、柔らかい皮共に)細かく刻んで堆肥にして肥料として利用します。

注意!筍の皮をむいているとニョロニョロと顔を現す輩がいます。なんでも蛾の幼虫らしいとのことですが、動きがとても気持ち悪い。硬い皮をむいた時に中に穴ぼこがあいていたら確実にいます。見つけたら、そのままそっと皮を閉じましょう。

それでは、皮で染色をしてみたいとおもいます。

マダケの一番外側の硬い皮を使って染めます。
今回はいつもとは違って、酸を使って色素を抽出したいとおもいます。
容器の中に水とクエン酸とマダケの皮をいれて放置しておくだけの、とても簡単で手間いらずな抽出方法です。

染める回数は4回。
工程は染料液に浸す⇒水洗⇒陰干し。
媒染はしませんが、一番最後(4回目)の染色で塩をひとつまみ加えて染めてみました。

・マダケの皮:100g程度。ある程度細かくしておきます。
・クエン酸:35g
・水:400ml
・塩:ひとつまみ
・染める生地は11号帆布15cm×38cm

〇用意する道具
・プラスチック容器(染色用)
・プラスチック容器又はビン(染料の色素抽出用)
・染料を濾す用のざる

いつも通りの11号帆布のティッシュケースを作ります。

たけのこ1

マダケの皮、大体100g程度。下のほうが薄っすら赤みを帯びています。

サボテン3

クエン酸35g程度にしてみました。薬局(ドラッグストア)などで購入できるはずです。うろ覚えなので確かではないですが、100円SHOPでも置いてあったような・・・なかったような,,,

たけのこ2

マダケの皮を細かく切ります。切り口が赤いです。

たけのこ4

用意した容器に水400mlにクエン酸35gと細かくしたマダケの皮を加えかき混ぜます。

数時間~一晩程度置いておきます。
置いておいた液は真っ赤になっています。これがマダケの染料液となります。
※ごめんなさい、大事なところなんですが、写真を撮るのを忘れてしまいました・・・

ざるで液を濾してマダケの皮を取り除いたら布の染色をはじめられます。
用意した布はあらかじめ水に通しておいて、染めやすい容器に染料液をうつしかえて布を浸します。
はじめはしっかり布を動かしてムラなく染料液を浸透させます。
それから数時間浸して染めます。※時々布を動かします。

時間が経ったら水洗いをして陰干しをします。

乾いたらまた同じように染料液に数時間布を浸します。
そして水洗い、陰干しをします。
(この工程をあと2回繰り返しました。)
最後の工程の染料液には塩をひとつまみ入れてから、同じように浸して染めます。

ー なぜ、塩をいれるのか。
実は、今回のクエン酸で色素を抽出する方法は、花びら染めの抽出方法と同じでして、花びらの染料液に塩を加えると鮮やかに染まるらしいというようなことをネットで目にしました。
実際に3回染めてみたところ、どうも鮮やかさが無いように感じました、薄いというか掠れた色にみえたので、試してみました。

たけのこ7

このような色に染まりました。鮮やかさが出た綺麗なピンク色、伝統色でいうと淡紅藤(ウスベニフジ)です。
2日ほど陰干ししてみたところ、少し褪せましたが極端に色が無くなることはありませんでした。ただやはりこういう赤系の色は日光には弱く実用的には厳しいと個人的にはおもいます。

たけのこ10

おなじみのティッシュケースを作りました。とても愛くるしい色です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?