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意外性 アボカド

猛烈な残暑が続いていますね。こんなに暑いと熱した染料液のもわっとする熱気を感じるだけで、染めるぞ!っていう気力も体力も蒸発してしまいそうです。

7月中は晴れ間がなくて、これじゃあ染め物なんて出来ないよ!なんて、嘆いてたのに... 可笑しいですね

さて、
今回のタイトルにあります「意外性 アボカド」

そもそも、アボカドは外見や中身の色がどうしてもダメだったもので、長い間アボカドを避けてきた人生を歩んできました。(ただの単なる食わず嫌いと捻くれた先入観だっただけなのですけど...)
それが最近どういうわけか、特に理由もなく食べるようになり、その美味しさを知ってしまい、避けてきた人生の時間を後悔する日々を送ることとなっております。

ということで、最近食べ始めたアボカドですが、染め物をしている者の性分ともいうのでしょうか、やっぱり染めてみたくなってしまうわけなのです。

”意外性”

久方ぶりの新鮮な気持ち、思いも掛けない色に出会うときには、いつも心が沸き立ちます。

それでは染色をしてみましょう。

皮と種子から色素を抽出します。
生で染めても乾かせたもので染めても良し。
皮は細かく切り刻みます、種子も細かくしますが、包丁で切る場合には ””十分に気をつけてください!”” とても硬いのと表面がつるつると滑るので誤って手を切ってしまうこともあるかもしれません。危なそうとおもいましたら、種子は諦めて皮だけで染めることにしましょう。皮だけでも十分に染めることができますので大丈夫です。

玉ねぎの染色と同じような工程で煮出して色素を抽出します。染色方法は浸染・3回染め。(好みで浸す時間を長めに。今回は少し長めに浸しました)媒染は焼きミョウバンを使ったアルミ媒染です。

・染める生地は11号帆布15cm×38cm
・アボカドの皮と種子:細かく刻んで、1個~2個分程度
・焼きミョウバン:小さじ1~2程度 ※濃さの調節は好みで
!!注意!! 金属アレルギー等をお持ちの方は金属系の媒染液は絶対に使用しないでください。

●染料液の作り方は「玉ねぎの皮で染料液をつくる」を参考にしてください。
●染色方法は「玉ねぎの皮で染める」を参考にしてください。
●媒染液の作り方は「焼きミョウバンでつくる媒染液」を参考にしてください。

アボカド1

乾かしたアボカドの皮。使用するときは細かく切ります。

染料液の作り方、アルミ媒染液(焼きみょうばん)、染色工程(浸染)は、だいたいいつもと同じなので省略させてください。

アボカド染色は始めて間もないので正しいかどうかは分かりかねますが、煮出した染料液は一晩置いたほうが染めた色が濃くなるような気がします。煮出した染料液をすぐに使って染めると明るく鮮やかに、一晩置いた染料液は鮮やかさが無くなり濃い色に染まる、というような感じです。

一晩置いた染料液で染めた布でいつも通りのティッシュケースを作りました。

アボカド4

驚きの色に染まりました。あのビジュアルからは想像もしていなかった色になりました。若干ピンクがかったオレンジ色です。ちなみに一晩置かずにすぐに染めたものは明るいピンク色です。上の写真は縫製前に4・5日天日にあてました、少し色は褪せましたが堅牢度は、なかなか良好なようです。

ご家庭でも簡単に染められるので是非是非試してみてください。


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