変わりたい人の変わらない日常シリーズ〜ランニング編〜
僕は自分のお腹の出っ張っている写真をみていた。
一年ぶりぐらいに連絡を取ろうと思って開いた友人とのラインのトークルームの最後の写真がそれだった。
「俺痩せるから」と書いてある。
ちょうどそんなころ、
ひょんなことから、めちゃめちゃモテる同期が、僕の部署に異動してきた。
人との壁を作らない彼とはすぐに仲良くなった。
彼は、言った。
「毎月最低でも100kmは走るようにしているよ」
「よくそんなに走れるね。」
「おいしく酒飲むためだよね。だし、もうおじさんだから、かっこよくいたいじゃん。」
「なるほどねえ」
僕はランニングを始めた。
僕がランニングを始めた理由は、健康維持のためだ。
定年まで働いて、家族を養っていくには、健康な身体の維持は最低条件になる。
なんとか時間を確保し、2か月後には、1月で100km走れるようになった。
身体はかなり無理していたが、
「月100kmやってみたら案外簡単にできるもんだね。」と楽勝かのように話していた。
このまま続ければモテボディに、
いや健康ボディになれると思っていたのもつかの間、インフルエンザにかかってしまった。
1週間弱の療養後、ランニングを再開する予定であった。
しかし、まったく走る気力が起きない。
ジャージに着替え、入念なストレッチを行い、珈琲を飲んでくつろいだ。
それでもと思い、少ない距離から始めた。
しかし、ダメだ。息が切れる。めちゃめちゃモテる同期に感化されて走り始めたころの自分に逆戻りしていた。
それから走る事をさぼるようになった。風が強いし。天気予報だと雪って言ってたな。(インフルかかった頃なので冬の話です。)
結局その月は、結局走らなかった。
チャンスは、翌月。
月を新たに、再び、100kmを目指す。
しかし、全然走れない。100km走れていた時の自分に戻すには、また、地道に距離を伸ばしていかなきゃいけない。
下がる自己肯定感。。。広がるめちゃめちゃモテる同期との圧倒的な差。。。
そんな時、古くからの友人と会う機会があり、そのことをウケを狙って、自虐ネタとして話した。
僕にとっては、意外な答えが返ってきた。
友人
健康維持のために走ってるんでしょ?
別に100km走れないからって、まったく走らなくなる事ないじゃん。
それにこんなに寒いのに走ろうって思ってるのがすごいよ。
すごくない。だって、決めた通り実行できていないのだから。
ん?
僕はいつの間にか、100km走る事を目的にしていた。
別に100km走れない月があったっていいのか、
だって、モテ・・・いや、健康になるために走っているのだから。
それになんだよ、さっきから「めちゃめちゃモテる同期」のことめちゃめちゃ気にしてるではないか。
我に返った僕は、また少しずつ走り始めた。
また少しづつ距離が伸びていく。100kmじゃなくたっていい。
健康のためなんだから!
路面が凍っている日は走らなくたっていい。
健康のためなんだから!
天気が悪いんだから。
寒いんだから。
あれ?距離が伸びない。
いや健康のためなんだから?
いやいやさぼっている。明らかにさぼっている。
「健康を害する」という言い訳を作って。間違いなくさぼっている。
もう一回考えてみよう。
「健康」というあいまいな目的では、さぼり癖のある自分には、抽象的すぎなのかもしれない。
スモールステップ!
達成できる少ない距離から始めてみよう。
【結果】
現在、なんとか100km/月走れるようになりました。
【今回のことで学んだ事】
・他人と自分を比べてない。
・高すぎる目標を立てない。
・目的と手段が混同していないかチェック。
・100km走れるようになったからってモテるようにならない事
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