缶コーヒーを買って喫煙所に入ったらそこはタイムマシンだった

休憩
人間には休憩が必要だ。
俺は今日も仕事から少し離脱する為に缶コーヒーを買って喫煙所に入った。
喫煙所には俺しかいなかった。
その喫煙所には椅子があり俺はその椅子に腰をかけた。
頭をスッキリさせるのに缶コーヒーとタバコは俺にとって最高の組み合わせだ。

缶コーヒーの蓋を開け一口飲む、乾いた喉を潤すと同時に身体中に美味さが染み渡る。そしてタバコに火をつけてそれを口に咥え、吸って、煙を吐く。心がとても落ち着く。
この一本を吸い終えたら仕事に戻ろう。そう決めた。
ポッケの中に手を突っ込むとスマホがないことに気づく。どうやらロッカーの中に閉まったままのようだ。
たまにはスマホから離れて缶コーヒーとタバコだけを楽しもう。

俺しかいない静かな喫煙所。
缶コーヒーとタバコで完全にリラックスしている俺の頭の中に浮かんだのは

「かかってこい!」

スマブラの時のフォックスのアピールだ。
何故かわからない。フォックスが頭の中で「かかってこい!」と言い続ける。
そして俺も思わず「かかってこい!」と小声で呟く。
「かかってこい!」「かかってこい!」「かかってこい!」「かかってこい!」「かかってこい!」
何度も繰り返し呟く
そのうち「上がってこい!」「曲がってこい!」「測ってこい!」「染まってこい!」「黙ってこい!」「シコってこい!」とどんどん変化していった。

気がつけばタバコの火は既に消えていた。
全然吸ってなかったな。けどこの一本で仕事に戻ると決めていたから素直に戻ろう。

時計を見ると俺が喫煙所に入ってから30分過ぎていた。
俺はどうやら少し未来に来てしまったらしい。
中身が残っていた缶コーヒーを一気に飲み干した。
できれば元の時代に戻りたい。だがそれは不可能な事はしっている。それでも俺には絶望を感じる暇はない。
働こう。今いる未来を受け入れて。


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