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再生環境が一番大事

というわけで前回の続きです。
オーディオインターフェイスの重要性を語りましたが、リスニングやモニタリングに関して言うと、音の最終的な出口が一番音質にダイレクトに影響します

つまり、スピーカーやヘッドフォンが最もお金をかけるべき部分になります。とはいえ、昨今の住宅事情を考えると、でかいプリアンプとスピーカー2本を用意して環境を整えるのは大変なはず。というわけで、シンプルに家電量販店やAmazonなどで手軽に購入できるスピーカーとヘッドフォンの簡単な説明をします。

モニターとリスニングは目的が違う?

カタログを眺めていて、何気に種類があることに気がつくはずです。
大きく分けてリスニング用とモニタリング用です。

この違い、実は結構大きいのです。
売り文句で「迫力の重低音!」とか見かけたことがあるかと思いますが、スピーカーやヘッドフォンというのは「こう言う環境で聞くだろう」とか「こう言う音が好みだろう」とメーカー側はユーザーを定めて調整してきています。つまり、メーカーが意図した音がなるように調整されているのです。

つまり、裏を返すと「楽曲製作者の意図ではなく音響メーカーの意図した音」になるわけです。

そんなのいやだ!鳴っている音がそのまま聞きたいんだ!

この需要もあります。
できるだけ音の出力特性をフラットにしたものが、モニタリング用と呼ばれます。そうじゃないものはリスニング用と思って問題ありません。好みの音で長時間聴き続けるためのものなので、味付けがしてあった方が楽ですからね。
つまり、購入の際に「自分が求めているものはどっちだろ?」と考える必要があります。モニタリング用は基本的にフラットなので、重低音や高音で言うとほとんどの場合で物足りないですし、リスニング用はなんらかの味付けが必ずされています

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これ、Amazonでのカテゴリーですが、ちゃんと別れて登録されていることがわかりますね。

スピーカーの構成

スピーカーって案外勘違いされていて、買ってきて線繋げばオッケー!ってなっていると思います。あれは工夫の結果で中身は「プリアンプ+パッシブスピーカー」の組み合わせなのです。原理的に、ですが。

プリアンプってのは音の増幅器のことで、再生機からの音を大きくします。昔は真空管アンプとかあったので、名前ぐらいは聞いたことのある人も多いはず。

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今でも売っているものの、まぁマニアのアイテム。

で、パッシブスピーカーというのはアンプに繋いで音を鳴らすもの。スピーカーだけでは電源も何もなく、音を鳴らすだけの機能しかないのです。

流石にそれでは不便だ、ということもありアクティブスピーカーというものが登場し、今の主流になります。アンプとスピーカーが一体化したもので、これに電源繋いでしまえば、上の二つの機能を両方とも満たしてくれるのです。ちなみに、パワードスピーカーとも呼びます。パワー(電源)繋ぎますからね。

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こんな感じの卓上サイズは基本的にアクティブスピーカーです。ここにアンプとか置いたらパニックになるので。

サイズも小さくなって非常に便利!
ただ、登場した当初は無理にまとめているので音に問題があったものの、今となっては過去の話。アクティブスピーカーの音質もかなり素晴らしいことになっています。マニアじゃない限りはアクティブスピーカーで全く問題ないと思います

ヘッドフォンにも種類がある

ヘッドフォンにも種類があるので注意しましょう。簡単にわかりやすくいうと、音漏れ関連です。モニター用とかゲーム用とかはここで説明しなくてもわかるはず。

オープンエアーとかクローズドとか呼ぶのですが、ヘッドフォンの背面の部分に違いがあります。オープンだと背面が空いているので、猛烈に音漏れします。電車の中では周囲の迷惑になるタイプです。逆にクローズドは閉じているのであまり音漏れしません。この違い把握しておかないと、使い道に応じて選択という部分ができなくなってしまうので注意しましょう。オープンの方がやや耳に優しい傾向があるので家で使うのかどうかで決めてもいいかもしれません。

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これ、個人所有のものなんですが、ややこしいことにセミオープン。
まぁ簡単にいうと音漏れします。モニタリング用で音が素直なものの、お外では使えないなぁと。

用途用法に注意しましょう

というわけで、駆け足で音を聞くための最終出口、スピーカーとヘッドフォンのざっくりとした種類など説明しました。全部覚える必要はないものの、自分にとってはこれが必要だ!という部分は把握できるのではないかと思います。



教える立場なのでできる限りはワークショップなどで教えた内容を説明していこうかなと。地方の人やワークショップに事情があって参加できない人たちへのサポートが今後もやっていければと思っています。