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賃貸物件に適したクロスとは? − 余白が必要 −

区分マンションの宿命ですが、建具や水廻りなどの設備機器はどの部屋もすべて同じグレードのものを使っています。そのため間取りが同じなら築浅のうちは内装の差がほとんどなく、低層階よりも上層階、中部屋よりも角部屋の方が人気があり有利です。
しかしそれも一回目のクロス貼り替えから情勢が変わってきます。さあ巻き返しのチャンスです!クロス選びに時間を割いてみましょう。

このブログのカバー画像の部屋ではライトグレーとホワイトの2種類のクロスを貼り分けていますがお気づきでしょうか。
グレー系クロスは今の流行で新築分譲マンションで使われることが多く、特にタワーマンションでは濃い目のグレー~グレージュクロスをよく目にします。濃くなるにつれ高級感は増すのですが、その分個性が強調されて釣り合う家具を選んでしまうのが難点です。

入居者が持ち込む家具との相性を考えれば、どんな色とも相性のいいホワイトのクロスが最適なのですが、それでは他室との差別化が図れませんので痛し痒しです。
そこで考えたのが、”入居者のコーディネートを邪魔しない程度にトレンド色が入ったクロス” を選ぶことでした。
とは言っても、クロスは広い面積を貼ると明るく白っぽく見えるため、濃く見えてしまうカットサンプルだけで仕上がりをイメージするのは至難の業です。そんな時はクロスメーカーのショールームに出向いて大きなパネルのサンプルを見てみたり、アドバイザーに聞いてみましょう。

部屋の仕上がりに凝りだすと、どうしても空室の状態で完成されたコーディネートにしがちです。クロスの種類を壁、柱や梁、天井と貼り分けてみたり、部屋ごとにクロスの種類を変えてみたり、アクセントクロスを多用してみたり・・・。でもちょっと考えてみてください。入居者はそこに自分の家具を持ち込み自分好みの部屋にしたいと考えています。
何もない空室の状態なのに完成されてしまった部屋は入居者にとって居心地のいい部屋でしょうか?
部屋は入居者がこれから描くキャンバスです。
好きな絵を自由に描いてもらうために、キャンバスには余白を残しておきましょう。

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