見出し画像

交響曲 第38番 「プラハ」 モーツァルト ~ 心が折れそうになったときのプレイリスト 第304曲

<タイトル>

交響曲 第38番 ニ長調 K.504 「プラハ」

<作曲者>

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

<おすすめ盤>

カール・ベーム(指揮)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ブルーノ・ワルター(指揮)

コロンビア交響楽団

<解説>

はじめに豆知識ですが、モーツァルトの作品番号になっている「K」は「ケッヘル」と読み、彼の作品の整理に貢献した音楽学者であるルートヴィヒ・フォン・ケッヘルの名前にちなんでおります。

モーツァルトのファンは自分の好きな曲のケッヘル番号を覚えていたりして、そちらで呼んだりもするようです。

自分も身近な数字で「550」(交響曲第40番)とか「626」(レクイエム)などを見かけると、ラッキーナンバー的なお得感を覚えます。

さて、この「プラハ交響曲」ですが、そのサブタイトルのとおり、チェコの首都プラハにちなんだエピソードがあるのです。

脚本家のロレンツォ・ダ・ポンテとタッグを組んで作曲した最初のオペラ「フィガロの結婚」のプラハにおける上演(1786年12月)が大成功を収め、モーツァルトはプラハに招かれることになります。

そして明くる1787年1月、彼はみずからプラハの地で「フィガロ」を指揮することになりますが、「プラハ交響曲」はそれにさきがけてプラハにて初演されました。

このあたりの経緯についてはわかっていないことが多いのですが、モーツァルト自身の手記によれば、どうやらウィーンでの演奏会用に作曲したものらしいのです。

それが正しいと仮定すると、彼はプラハ市民のためにネタを投下したということになります。

よほどうれしかったのかもしれませんね。

いっぽうでプラハの人にとっては、思いがけない「ごほうび」になったとも言えそうです。

メヌエット楽章が抜けていて、全三楽章となっているのが特徴のひとつです。

この理由も不明なのですが、とにかくゴージャスなナンバーで、三楽章であるのにボリューム感もたっぷりあります。

「フィガロ」のフレーズがいくつか引用されていることもあり、明るく劇的な展開に手に汗を握ります。

皆川亮二さんの漫画が原作のアニメ「ARMS」において、敵役のひとりであるキース・グリーン(グリーンではなかったかもしれません)が戦闘中に指揮真似をするシーンがあるのですが、そのBGMに使われていて仰天した記憶があります。

アニメでクラシックが使用される例はけっこうありますが、クラヲタとしては「もう少し選曲を考えてもよかったのではないか」と、いらないツッコミをしてしまいました。

おすすめするのは初体験であるベームの全集からのものと、キリっとシャープなワルター盤になります。

いまでは「プラハ」の名盤なんていくらでもありますから、探して見つけたものを聴かれるのが一番かと思います。

動画サイトで演奏の様子を見てみるのも面白いと思います。

久しぶりに「ARMS」が読みたくなってきました(笑)

<ベーム盤>

第1楽章


第2楽章


第3楽章


<ワルター盤>

第1楽章


第2楽章


第3楽章


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?