何故僕は刀使ノ巫女おじさんなのか

最近、刀使ノ巫女が好きだ。
寝ても覚めても刀使ノ巫女のことを考えている気がする。
新しい情報が解禁されるたびに歓喜に震えるし、
姫和の生い立ちを思うだけで仕事中だろうと涙が出てくる。
今やどこに出しても恥ずかしい立派なとじみこおじさんと化してしまった僕だけど、なにも最初からこうだったわけじゃない。

元来僕は逆張りオタクの典型例で、糞アニメハンターで新人声優オタクだ。
好きなアニメはゆゆ式、ストブラ、ろこどる、六畳間と狂信者としてエリート街道を歩いてきた自負もある。
ある意味刀使ノ巫女という作品にのめり込むのも当然という経歴なのだけど
実は放送中はあくまで好きなアニメのうちの1つくらいの感覚だった。
だけど放送が終了して、ふと思ったわけ。
「あれ?寂しいな?」
荒魂は根源的に寂しさを抱えているというが、
どうやら僕もこの半年の間に荒魂化していたらしい。
その後の顛末は、口にするのも憚られる。
言葉を弄する化け物になった僕はこうして鍵盤を叩き続けているし、
もしかしたらTwitterで妄言を垂れ流す僕の姿を見たことがある人もいるかもしれない。
その日々は割と幸せだったけれど、今日ふと思い至った。
「僕はこんなに刀使ノ巫女が好きだったんだっけ?」
だから今日は僕が刀使ノ巫女とどう向き合い、感じてきたのかを振り返る日にする。

これから綴る糞みたいな長文は恐ろしいほどの自分語りで、
便所の落書きほどの価値もないものであることは言うまでもないけれど
この文章をきっかけに、同じ刀使ノ巫女オタクの誰かが自分自身の在り方を見つめ直すことができたのなら、それはどんなに素晴らしいだろう。

・2017年秋頃 刀使ノ巫女の存在を知る
この頃の僕は今と同じく、声優本渡楓さんのオタクだった。
彼女が出る作品はすべて視聴し(ここたまは見てないんだ・・・)、
イベントがあれば(上海以外)何処へでも飛んだ。
アニメガタリズというアニメのおかげで、オリジナルアニメの主人公役は露出が増えることも知っていたし、そんな中見つけた刀使ノ巫女というアニメと、その主人公衛藤可奈美役が本渡楓さんという事実に打ち震えた。
一方でバックにKADOKAWAとスクエニが絡んでいることに一抹の不安を抱いてもいたが、そこは糞アニメハンターの僕のことだ。
トータルイクリプスみたいな笑える作品になればいいと思っていた。

・2017年12月24日 第1話先行上映会に参加する
世間がクリスマスイブに沸き立つ中、僕はアニメの先行上映を見るためにわざわざ新宿まで出向いていた。
この日は以前から温泉むすめ2ndライブに参加すると決めていたが、
キャストトークに本渡楓さんが登壇されるとあって、夜の部を捨てて飛んできたわけだ。
劇場にいたのは120人くらいだろうか。
MAX200人程度と思われるキャパシティに対して、後方座席は無人の有様。
これが刀使ノ巫女のスタートだった。
まあアニメが面白ければ後から人はついてくる、そう思ってはいたのだけれど、そこで僕を待っていたのは問題の1話である。
今見たらもちろん十分に楽しめる内容なのは言うまでもないけれど
初見の僕には衛藤可奈美という主人公が理由もなく反逆者に手を貸しているようにしか見えなかったし、
その反逆者にしても黒髪ロングの姫カット、クールな感じのライバルキャラ?テンプレやんけと僕は本気で思っていた。(節穴である。)
写シという設定で、「ああトリオン体ね」などと他作品を連想してしまうオタクの悪い癖も出てしまった。
とまあ1話についてはぼろくそだったのだけど、
「終了時間は書かれていないけど、まあ先行上映は大体2話までやるし次見てからだな」と気を取り直しては見たけれど結局2話は上映されず、
トーク込みの1時間弱で僕の刀使ノ巫女ファーストコンタクトは終了した。
引退を発表していた遠藤ゆりかさんの最後の舞台というのもあり
完全に失敗したなと思ったものである。
唯一の収穫はおそらくOPと思しき曲がとてもかっこよかったことだろうか。

・2018年1月 本編を見る
地上波で1話をもう1度みたが感想は変わらなかった。
OP曲が格好良くて、歌詞と映像がマッチしていたので
ED次第では化けるかもしれないとは思った。
2話を見て、可奈美の行動に多少納得がいった。
そして最初からこれを見せろよと思った。
先行上映を2話までやるか、地上波放送を1時間枠でやるか
このどちらかができていたら、もう少し人気が出ていたかもしれない。
(これに関しては今も同意見である。)
自分の中で、ヤバいアニメから見れる程度のアニメに格上げされた。
(私が半分持つよは名シーンであるが、放送当時は某雑魚小隊のあいつで再生されて仕方がなかった。糞アニメハンターの宿命である。)

・2018年1月14日 刀使祭 一の太刀に参加する
これから長い付き合いになるとは知らず、僕は職場から特急に乗り渋谷へ向かった。
仕事の都合で昼の部は参加できなかったが、夜の部には何とか間に合った。
内容は至って普通の声優イベントって感じで特筆することもなし、
後に公式から挙げられた幕間の動画も女の子女の子していて
「ああ、そうして声優コンテンツとして生きていくのだな。」
と思ったものである。

・2018年2月 本編を見る
この辺の記憶はあまりない。
見れる程度のアニメとしてだらだら視聴を続けていた僕であるが、
なんとなく各キャラの人となりが分かってきて面白くなってきた気はする。
相変わらず姫和は何を考えているのかわからない。

・2018年2月18日 刀使祭 二の太刀に参加する
ここが一つ目のターニングポイントだったように思う。
先行上映で見る相模湾大災厄の話が面白かったのもあるし、
ライブパートが想像以上に楽しかったのもある。
でも一番は本渡楓さんが刀使ノ巫女に真剣で、
時にはキャストである利点を活かしながらも全力で取り組んでいる姿を見れたことが大きい。
水面に映らない美奈都の姿の話を聞いて、もう少し真面目に見ようと思った。

・2018年3月 本編を見る
結芽が死んだ。結芽が死んだのである。
写シとは死者を出さないための舞台装置ではなかったのか。
悪魔のリドルと同じような茶番だと思い込んでいた僕にとってはこれ以上ない大事件である。
このアニメを見ていて初めて泣いたし、このテンションを引きずったまま2日後の刀使祭三の太刀に参加するのかと気が滅入った。

・2018年3月18日 刀使祭 三の太刀に参加する
衝撃の死から2日、僕は代々木に向かっていた。
夜勤明けで仮眠をとっていたところ無事寝坊し、ギリギリのところで地震に起こされるという奇跡に感謝しながら街道をひた走った。
なんとか挨拶中に入場することができ、行きつく間もなく始まった12話にぼくは再び驚かされる。
可奈美、強えな。
最高速の迅移に、可奈美はどうやって追いついたんだ?
というか、ラスボス倒しちゃったな。
あと1クール何やるんだろうな。
とにかく思考がまとまらない。
そうこうしている間にキャストが再登壇してきた。
ただでさえ追いつかない思考が完全に止まる。
本渡楓が、泣いている。
僕は先行上映という形のイベントには何度も参加してきたし、
パッケージイベントで泣いてしまう声優を何人も見てきた。
だけれども、話に入れ込みすぎて先行上映で泣き出す声優は初めて見たんだ。
お前、見たことあるんじゃないの?って
11話のほうが泣く要素強くない?って
言いたいことはあったけど、全部どっかに消えた。
1人の人間をここまでにしてしまう魅力を持っている作品だと
この段階でようやく気付き始めた。
まあでもやっと気が付き始めた段階のことだ。
12話の段階で、僕の刀使ノ巫女に対する理解度と姫和の可奈美のやさしさに対する理解度は大体同じくらいだったのである。
なんだかんだ面白かったし先も気になるけど、
2018年冬アニメの覇権は「宇宙よりも遠い場所」だな、
そう思った。

なんかこの時点では全然楽しそうじゃないし、何なら姫和が好きな理由が全く分からねえな。

胎動編終わり 波乱編に続く


ここから先は本編と関係のない話

・2018年3月25日 アニメジャパン トークショー&お渡し会に参加
1月のアニメガタリズに続き、本渡さんの接近案件である。
逃亡中の可奈美の服を着ていてびびった。かわいい。
ギターケースまで持ってるの意味わからない。かわいい。
この女の前ではただのオタクになってしまう。かわいい。
思考がかわいいに支配される。かわいい。
オタクを前にしても笑顔を崩さない。かわいい。
せっかくだから、前から気になっていた質問をしてみた。
「心のメモリアの2番のBメロで客席を指さすところ、指さす方向って決まってるんですか?」
毎回違うので気になっていたのだ。
なんか一瞬「うわそんなこと聞くの?」みたいな顔をされた気がする。
面倒なオタク認定されたやつだ…。
「うーん、本当は決まってるんだけどね。適当に決めてる!」
剥がされていく僕に一生懸命答える彼女を、これからも応援していこうと思った。
※木野日菜さんには「魔装学園H×H見てました」という話をしたら爆笑された。

・2018年3月31日 刀使ノニコ
1クール目が終了ということで行われたニコ生。
内容はあまり覚えていないが、人気投票があったことだけは覚えている。
主要キャラは軒並み高い中、姫和だけ貫禄の1桁だったことも覚えている。
この結果が後々大西沙織さんに影を落とすのだが、
そんなこと知る由もない僕は喜々として可奈美に入れた。

閑話休題。


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