総論賛成ー各論反対の世の中

 良い!と思うことでも、実際に自分が関わるとなるとやりたくないことが世の中には沢山あると最近感じています。

女性が多い職場で感じたこと。

 女性が多い職場で働いていると、産休や育休、子どもの体調不良などで、欠勤や早退・遅刻がよくあります。今の職場の場合には、それが前提でオーガナイズされているので、多少のことがあっても仕事には支障がありませんが、やはりその分をサポートする必要があり、自分の業務の進捗に遅れが出ることもあります。もちろん、自分が休んで迷惑をかけることもあるので、持ちつ持たれつの関係が成立しているので、今の職場が上手く回っている訳ですが、女性の社会進出が進み子育て中の女性労働者が増える一方で、私のような未婚独身男性が増えてくると、その間での摩擦が生まれるような気がしてなりません。

社会に良いこと≠自分の得になること。

 ”女性が働きやすい職場を作りましょう”
 ”子育てと育児を両立出来る社会を目指しましょう”
 これらのことは社会が良くなるためには大切なことであり、余程偏った思想の持ち主でない限り、表だって反対する人はいないでしょうし、政府の施策等で、今現在進められていることのひとつです。
 しかし、これが、『子育て世代の社員のサポートをあなたがして下さい』となったらどうでしょうか。突然の欠勤や早退・遅刻の穴埋めをあなた自身が行うとなれば、少し状況は変わってくるのではないでしょうか。誰かが便利になるということは、その分を誰かが代行するということであり、その負担が自分自身に直接降りかかるとなると、急に女性の社会進出が自分事へと姿を変えます。

他人事と自分事

 公共サービスは充実して欲しいけど税金が増えるのはイヤ。
 原発は怖いけど、電気が止まるのはイヤ。
 戦争には反対だけど、その国の商品は使い続ける。 などなど
 前出の事例のように、一般論で語られると賛成できることでも、自分に降りかかる具体的なことになると賛成出来ないことは多々あります。というか、世の中で語られてる正論のほとんどがそうだと個人的には思います。

社会に良いことを実現するためのポイント

 総論賛成ー各論反対という正論を、社会全体で実現していくためには2つのポイントが必要だと考えています。
 一つ目は、具体的に行動する個人にメリットが生まれることです。最近では社員が産休・育休を取った際に、その業務をカバーする社員に手当を出す会社が出てきています。このような支援があれば、休む側も気兼ねなく休むことが出来ますし、周囲もより気持ちよくサポートすることが出来るようになると思います。
 二つ目は、自分に出来る範囲でやり他者に求めないことです。どんなに良いことで強い思いがあったとしても、個人の生活環境によって実際に行動出来る範囲は異なります。例えば、貧困国の支援をするとしてお金持ちであれば、多額の寄付をしたり現地の商品を買ったり、あるいは現地を実際に訪れて支援したりと多くの方法から自分の思いに合うモノを選ぶことが出来ます。しかし、明日の生活に困っている人であれば、他国の支援どころではないでしょう。また、同じような状況であっても、個人の思い入れによって支援の度合いは大きく異なってくるでしょう。このように、”出来ること”と”やりたいこと”には個人差が大きく、自分のキャパを超えた”良いこと”は継続出来ないでしょうし、他人に”良いこと”を強要することで、強要された側が思う”良いこと”との軋轢が生まれてしまいます。

出来る範囲で”賛成”する。

 社会に良いことが全て自分にとって良いことではないでしょうし、全員が完全に賛同できるモノでもないでしょう。しかし、自分が暮らす社会が良くなることは長い目で見れば、個人にメリットが帰ってくることは大半です。なので、負担にならない範囲で出来ることをやることが、個人にとっても社会にとっても幸せに繋がるのではないでしょうか。

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