詩:闇と光の点の永遠

私は闇が好きだ。なぜなら満天の宇宙の中に居られるから。小さな星の光を見つけられるから。
真暗闇に光るその小さな光の点は、遠く遥かなる旅をしてきたという。美しさの中に果てしのない物語を秘めた星の光たちは、今、私の手元にやってきた。

私は光が好きだ。なぜなら光の中で草花が昨晩の雨粒の光をキラキラと輝かせて揺れるから。風と遊んで光と歌う光の中に身を置こう。

光と闇のかき混ぜられるとさらに美しいのは、皆様もご存知でしょう。

木洩れ日の光のまん丸は木陰の土にユラユラ模様を編んでゆく。
いつしか日が傾けば夕陽の中に愛おしい町並みの影絵と、その中にいる、いつかのあなたの影が切なく揺れては通り過ぎて行った。
夕闇に一番星の灯されて。そうして天の川がかかる。銀河系の渦の中、闇に遊ぶ光たちはくるりくるりとゆらりゆらりと美しい円を描くのだろうか。

私は夢中で夢の中にいた。
本の中の詩はいつだって
闇も光も混ぜ返して美しい。

さっきまであのお日様の下に居たはずなのに、
いつの間にか辺りは夕闇だった。

たとえ闇の世界に星一つなくても
私は幸せを感じているだろう
なぜって、たった一つの光が灯されたから。
あの小さな星の下にある、小さな窓の光の中に、
小さなほほえみをたたえた、大切なあなたに、
巡り会えたこと。

帰ろう。
大切なあなたの居る場所へ。

歩いていたら若い人が本に夢中で私を追い越していったんだ。
そうかどうやら、時空がねじれたらしい
今の私は、過去の私に追い越されたんだ。
私はその背中にそっとほほえんだ。
いつか、あなたにほほえみを灯してくれる大切な人と巡り会えるからね、って。

時間はねじれる。
空間はゆがむ。
それでも大切なあなたが灯してくれた光は
永遠に私の中にある。

闇の中には、小さな光の点がある。
それは永遠にあるらしい。



この記事が参加している募集

いただいたサポートは、本を買うことに使っていました。もっとよい作品を創りたいです。 ありがとうございます。