見出し画像

心的問題の解決にあたって

 何度もこのブログで扱っていますが、心の問題の原因は、その問題を抱えている本人にあります。しかし、人はそれを頑なに認めようとしません。自分に原因があると認めるということは、「自分が悪い」と言うことと同義だと信じているからなのです。「私が悪いとでも言うのか?私は何も悪くない。悪いのはあいつらの方だ」と主張したいのです。

 問題の原因は、外部の誰か、何かにあると思っていて、それを排除することが問題の解決だと思っているのです。「何か」とは人であったり、所属する組織であったり、政治であったり、とにかく何でもよいのです。とくに心理セラピー関係では、過去の出来事に原因を求めることにご執心であるようなメソッドも少なくありませんが、これが問題の解決を遠ざける一因になっていることもあるのです。この場合も結局、過去がその「何か」になっているのです。問題の原因になった出来事は過去にあるのかも知れませんが、問題は現在に存在しているということを認識しなければなりません。

 何を対象にしようと、結局のところ自分とは別の「何か」のせいにしたいと思っているだけなのです。これはいわばただの八つ当たりに過ぎません。この「何か」を自分に提供したとしても、何の解決にもつながりません。
ほとんどの人がこのことに気づこうともしないし、それを手放そうともしません。ましてや、自分が否定的に感じる「何か」を排除することこそが、自分の人生の目的であると信じている人も少なくないのです。それが決して建設的な結果を招くものではないことなど、考えることもありません。

 もしあなたが特定の「何か」について、それを憎んでいたり、恐れていたり、拒絶していることに気付くことができたら、自分の中にある問題を解決できるチャンスであると言えます。それは具体的な形になっていた方が、さらにわかりやすいです。例えば○○な人が気に食わないであるとか、○○のような話題が嫌いであるとか、そういう割と日常会話で扱われるようなものの中に自分の真実があるのです。何でもかんでも文句ばかり言っている人には、何か心の問題があるであろうことなど、簡単に想像がつくでしょう?そのようなことからも、学べることはあるのです。
 そのときは少しだけ謙虚になって、それが自分にとって何を意味しているのかということに注意をしてください。楽になろうだとか、自分を高めようだとか、そのような意思は必要ありません。ただ、自分の真実に目を向けようとすることが、すべてなのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?