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ベランダを庭にした話。


集合住宅のベランダを、庭にした。

元々植物は好きだったので、切花はよく手にしていたのだけれど(推しの花屋さんもいる)、仕事で関東と東北を往復する生活の中でとても面倒を見れる状況にない鉢植えを生活に取り入れることは長らく諦めており、それでもどうしても手元に置きたい植物に巡り合ってしまった時は、実家の庭に加えて貰う形でどうにか心を満たす日々が続いていた。

転機となったのは言わずもがな、件のウイルスだ。

変化に乏しく土からも離れた居住空間の中で生活のすべてが完結してしまう事に嫌気が差し、ほぼ発作的に植物を買い集め始めたのはフルリモート生活に突入してから半月程経った頃。

最初のひと鉢を買ってからおよそ10日後、ふと冷静になった時には実に41種類にものぼる植物たちがベランダに集っていた。

不燃ゴミのゴミ箱とエアコンの室外機しか無かった空っぽのベランダが中国の突貫ビル工事も驚きのスピードで植物で満ちていくまでの過程と、初代住人とも呼べる愛おしき植物たち(の一部)を、備忘録として残そうと思う。


発端となったツイート

かくして、居住空間を緑で満たすべく、3つの密を避けながら植物探しに出かける日々が始まる。

部屋の中を植物で埋め尽くしたい!と言う欲求からスタートしたので、最初に買ったものは屋内でも良く育ってくれる観葉植物系が多め。

へデラ、ポトス、シダ系のミニ観葉たちなど。(写真の一番上に映るへデラは、ニューミニシルバーという名前で、数あるへデラの中でも一等好きな品種。)

この時は、ベランダに置くものはシソを育てるプランターとラベンダーぐらいにして、部屋の中に木製の突っ張り棒を立ててビスを打って屋内にハンキング出来るスペースを作るのもアリだな〜と思っていた。

集めれば集めるほど、理想実現には金も時間もかかるしそもそも集合住宅の極狭ベランダでは完全なるスペック不足という現実を突きつけられて悲観に暮れるターンや、

夜な夜な調べごとをする過程で、うっかりバラ沼に頭から突っ込んでいきそうになるターンを挟むなど。(薔薇は病気も多く難しいというイメージが強いので、辛うじて踏み止まった)

いざ買い集め始めると、「ああ!これ、育ててみたかったやつだ…」の連続で、屋外でしか育てられないものの方が多くなっていったため、必然的にベランダにたくさん並べる方向性に軌道修正されていった。

母から「ベランダで育てるならコンクリート焼けしないように棚か何かが無いと」という助言を受け、ガーデンラックもしばらく検索していたんだけど、最終的にはレンガと板で簡易的な棚とすることにした。(いかんせん完成形も決めずに欲望のままに集めていたから、後から高さを変えたりリカバリーも出来るように)

フランスから海を渡って来たらしいレンガの色味といい、未塗装の杉の板の質感といい、思い付きで選んだ割には我ながらいいチョイスだと思う。

ダイニングテーブル側のベランダに植物を並べ始めたものの、椅子に座った状態では植物たちが全然見えないことに気がついたので、ハンキング出来る容器をいくつか買ってみた。

物干し竿に引っ掛けるだけではなく針金でしっかりと留めてはいるけれどある程度の遊びも持たせているので、風が通る度にクレマチスがゆらゆらと揺れる姿が視界に入る。これだけのことなのに無機質な空間が一気に華やいでくれたので、これは大正解だった。

さて。ここからは、最初に手にした植物の中でもお気に入りの子達を紹介していこう!

※基本的に調べながら書いているため間違いがあるかもしれないし表記にブレもあります。悪しからず。


ベビリアンデージー

■ キク科 宿根草(耐寒性多年草)冬期半常緑~落葉種
■ 原産地 : 地中海沿岸(原種の主な自生地)

地中海沿岸に自生する原種のデージー。そのフレーズだけでご飯3杯ぐらいはいけるぐらいときめくね。世界で一番小さいデージーと言われているそうで、コルシカ島やサルデーニャ島に生えている、という情報を元にググったらこんな場所だった。

古代ギリシャ語で最も美しい地という意味を持つ「Kalliste」や、フランス語で「Ile de Beauté」と評されるように、コルシカは地中海で最も美しい島として知られています。名門誌「ナショナルジオグラフィック」では旅行すべき場所のランキングにおいて2015年に一位を獲得した、フランス人憧れのバカンス地です。コルシカは、ヨーロッパを制したナポレオンによって日本ではよく知られていますが、コルシカの大自然、様々な文化が融合した建築、フレンチとイタリアンを融合した料理でも、世界で高い評価を受けています。「ファーブル昆虫記」で有名なファーブルも、このコルシカの大自然に心を奪われて自然や昆虫の研究に没頭していったと言われています。

https://jp.france.fr/ja/corsica/article/106855/amp

フランスの島ってだけで行きたいのに地中海で最も美しい島とかなんなの?その上こんな可愛い花が自生してるとかチート過ぎない???そらファーブル大先生も心奪われるだろうよ!!いつか行くわこんなん!!!!

はああああぁん可愛いいいいぃぃと即ポチったデージーから思わぬ貰い事故をくらって最初から大脱線してしまった。まずい。このペースで行くと一生書き終わらない。以後気を付けます。


シシリンチウム カリフォルニアスカイ

■ アヤメ科 宿根草
■ 原産地 :北アメリカ西部

買った時にはひとつも花が咲いてなかったのに、寄せ植えにしてからそんなに日が経たないうちに次々と花を咲かせてくれた良いやつ。ああ、寄せ植え楽しいなあ!と思わせてくれた記念すべき花になった。宿根草だけど耐暑性が弱い様なので、ベランダで夏を越せるか不安。無事夏を越せたら、実家かばあちゃんちの庭に移植してあげるのもいいなと思ってる。


ベビーティアーズ

■ イラクサ科、常緑多年草
■原産地:北地中海地方、イタリア

こういういわゆるグランドカバー的な植物を育てるの憧れだったので買ってみた。生長が早いのは育ててて楽しいよね。ライム色のもあったけど、息子に選んで貰ったら濃い緑の方をチョイスしてくれた。


ヘデラ ホワイトワンダー

■ ウコギ科、常緑蔓性木本
■ 原産地:ヨーロッパ

ヘデラの中でも色味が柔らかくて葉がころんと丸みを帯びているところがとても好きな品種。浅めのブリキの容器に直接寄せ植えてしまったけど、そんな条件でもなんら問題なく成長してくれる安心感がいいよね、へデラは。


ラベンダー ふらの3号

■ シソ科、耐寒性常緑低木
■ 原産地:地中海沿岸~アフリカ北部

ラベンダーは絶対に育てたいと決めていたので、ホームセンターで真っ先に買って来たひと株。日本の改良品種(?)なのもいいなあと思って。ラベンダーは花穂にボリュームがあるものより細いものの方が好みなのは、確実に母の影響。いわゆるイングリッシュラベンダー系なのかな。


フランネルフラワー リトルエンジェル

■ セリ科、常緑多年草
■ 原産地:オーストラリア

花材としてもお馴染みのフランネルフラワー。ふわふわと毛羽立った花弁も、その先だけほんのり葉と同じ色に染まっているのも引っくるめて説明要らずの可愛さ。屋外で冬、越せるかなあ…。セリ科って事にも驚きだ。


アカシア ブルーブッシュ

■ マメ科、半耐寒性常緑樹
■ 原産地:オーストラリア(主な自生地)

みんな大好きミモザことアカシアの中のひとつ。(ミモザは正式名称じゃなくて愛称なんだって)ミモザの中では真珠葉アカシアが好きなんだけど、それより一回り小さい葉がこれまた可愛いなーーって買っちゃった。というか、ミモザってだけでほぼ条件反射で買っちゃった。わはは。来年の春には花が咲くかなあ。これもフランネルフラワーと同じオーストラリア原産。関係無いけど花屋さんに並ぶミモザは銀葉アカシアっていう葉が細かいものがほとんどな気がする。


へデラ ニューミニシルバー

■ ウコギ科、常緑蔓性木本
■ 原産地:ヨーロッパ

植物育てたいならとりあえずこれからいっとけ!ってぐらいメジャーだしホームセンターとかでも常に売ってるへデラさん。今まで何種類か育ててきた中でもお気に入りの品種。


ハーデンベルギア

■ ウコギ科、常緑つる性植物
■ 原産地:オーストラリア

まーーたオーストラリアだよ!!知ってたけど!!!オーストラリアのポテンシャルがそろそろ怖いわ!!まあ確かにネイティブフラワーと言えばオーストラリアぐらいのイメージはあるしお花の教室でかっちょいい佇まいの花材が出でくると高確率で原産地はオーストラリアですって教わるけども。はーけしからん最高か。家の外壁いっぱいに伝せたハーデンベルギアに憧れてたんだけど借り暮らしではそんなこと出来る壁も無いし…そもそも東北の冬は越せないだろうしな〜と思ってたのに地元でも結構売っているのを見かけたのでつい買ってしまった。180円ぐらいで投げ売られていたから忍びなくて…というのもあったんだけど、残った苗はどうなったのかな…というかホームセンターで売れ残った苗ってどうなるのかな……こんな事なら全部買ってきてしまえばよかった。


アルスロポディウム スターリリー カプチーノ

■ ツルボラン科(ユリ科)、多年草
■ 原産地:ニュージーランド

アルスロポディウム スターリリー カプチーノ!呪文か?スタバで唱えたら何か美味しいものが出て来そう。6月頃から秋くらいに白い小さなユリのような花を咲かせるらしくて、その写真に一目惚れしてポチったんだけど、植え替えてから新芽がにょきにょき伸びて来てるので、このまま上手く育ってくれるといいなあ。


アネモネ シルベストリス

■ キンポウゲ科、耐寒性球根植物
■ 原産地:ヨーロッパ

これも咲いた姿の写真を見てはにゃ〜〜んってなってポチりました。原種のアネモネ!原種だよ原種!原種ってだけで無条件に好きになっちゃうし全てを許せるよね。好きなタイプは原種です。以上。説明には春にたくさん咲き、その後、秋まで少しずつ咲きって書いてあったんだけど今のところ花芽のようなものは確認出来ず。夏に期待!


アカシア ブリスベーンワトル

■ マメ科、常緑小高木
■ 原産地:オーストラリア

これもブルーブッシュと同じく、アカシアだあああしかも銀葉じゃないやつだああああああと条件反射で買ってしまった。ミモザだからね、仕方ない。うん。こういうしなやかな植物、好きよ。


赤花台湾梅花唐松

■ キンポウゲ科、耐寒性多年草
■ 原産地:台湾

はい来ました山野草!適した環境が無いからなーという理由であまり集めなかったけど、この花は好きなのでつい手にしてしまった。華美でわかりやすい花よりはひっそりとした佇まいの山野草の方が好きだったりする。 キンポウゲ科って事はアネモネと一緒なのか。それにしても可愛いなあ。大事にしよう。


ブルーアイス

■ ヒノキ科、常緑高木
■ 原産地:アメリカ(アリゾナ州からカリフォルニア半島)

大好きな大好きな木、アリゾナイトスギさんことブルーアイス!何年か前に花の教室の花材にあって一目惚れならぬひと嗅ぎ惚れしてから季節が来るたびに買ってしまうので、それならいっそと苗木を手にした次第。本当は地植えにしたいぐらいだけどそうもいかないので、鉢植えでどこまで大きく出来るか挑戦するつもり。スギって名前が付いてるけどヒノキの仲間だそうなので、それはもう良い匂いがする。部屋の中にスワッグを吊るしておくと時折フワッと檜の香りが漂って来て幸せになれるのだ。


クレマチス ロウグチ(篭口)

■ キンポウゲ科、耐寒性落葉多年草
■ 原産地:小澤一薫 1990年作出(って事は日本で生まれた品種?)

クレマチスって大輪咲きのものの印象が強かったので、ネットの園芸店でこれを見かけてベル咲のクレマチスの存在を知った時には、は〜〜〜〜???可愛いかよ???って即ポチったよね〜〜可愛いよね〜〜〜!!!妖精が好きそう。なぜ割高でも既に蕾まで付いている5号鉢の大きいものを買ったかというと、今すぐフェンスに這ってくれる植物が一つは欲しかったからです。わはは。我慢出来ない人間なので…。でも狙い通り良い感じに緑を添えてくれて、おまけに次から次へと花を咲かせてくれて本当に良い仕事をしてくれてる。ありがとうロウグチ!最近気になる存在ではあったんだけど、この子で完全にクレマチス沼に落ち、この後2鉢追加で買いました。来年は洗濯バサミで挟んで這わせなくても良いように剪定するからね、元気に育ってね。


そんなこんなで、前半と後半では文体とテンションに書き手が入れ替わってしまったのではぐらいの差が出てしまったけど、ベランダ庭の始まりのお話はこれでお終い。次は、窓越しでも視界に入るぐらい大きい木を買おうと思ったけど意外と高かったのでばあちゃんの山から雑木を掘って来た話か、寄せ植えしたお気に入りの鉢について延々と語るnoteを書こうかな。

最後に、休校中のお手伝いの目標に「はなのみずをながす。」と書いた小学1年生の息子の水やりの様子を納めた証拠写真を載せて、お終いにします。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!


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