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私が東池袋大勝軒系の店に求めるのはこの一点!(なりたや/板橋区役所前/ラーメン)

このところ浅草橋小岩と、人形町系大勝軒の話題に偏ったので、たまには有名な東池袋系の大勝軒の話をしておこうと思った次第。

いきなりでなんだが、私は東池袋系の大勝軒に対して偏見……というか苦手意識を持っている。

何がダメって、甘いんだよ! 

甘いよね? アレ甘すぎるよね!? 何というかこう、芸のないただただ砂糖をぶち込んで甘くして「若い人はこういう味がいいんでしょう?」 みたいなさ。物資欠乏の時代ならばそういう味も求められたのかもしれないけど、今となっちゃ単に砂糖で甘い味をつけたお食事ってどうかと思うのよ。

大勝軒系なのかどうか知らんけど、屋号が違っても ”つけそば・もりそば” で有名なお店(特に一世代前に流行ったような店) って、高確率で砂糖とお酢で無理やりスープの味を取り繕ったみたいなタイプじゃん!

アレがダメ。もうダメ。吐き気がする。

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そんな私ではあるが、実は東池袋大勝軒系の味は好きか嫌いかで言われたら好きな味なのである。言ってる事が矛盾していると思われるかもしれないが、例えばこの都営三田線・板橋区役所前駅にほど近い場所にある 「なりたや」は、昔から好きで何度も通っている東池袋大勝軒系のお店だ。

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板橋のお店らしく、気付けばホッピーやウーロンハイなど酒メニューが浸食して来ている。これぞ正しい板橋。いいよいいよー。

少々話が取っ散らかるが、この店ってオープンしてからしばらくは東池袋系大勝軒の中でも劣等生的なイメージだったのだが、いつ頃からか気付けば劇的な変化を遂げて良店に。この手の飲食店としては珍しいV字回復を見せたお店である。

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はい、こちらが甘いの大嫌いな私でも素直に「好き」と言えるなりたやのつけそば。醤油の立ち方が強めで、魚介系の香りも強め。

なぜ東池袋系の大勝軒に苦手意識を持ち、甘いだなんだとクサしているのに、この店のつけそばは好きなのか。

そりゃもう単純な話で、この店は注文時に甘みを抜いて貰えるのだ。

これがマジ大事。甘みを完全に抜く事も出来るし、半分程度にして貰う事も出来るし、この好みに合わせた調整をしてくれるってのが本当に大好き。

他の東池系の大勝軒でもやってくれる店はあるんだけど、中には頑なにスープの味を変えてくれない店もある。そういう店にあたってしまった時の苦行ね。我慢して食べ進めて行く内に、どんどん心の奥底から「お前、砂糖ぶち込まねえと味が作れねえんだろ? なあ? おまえんちのスープって単に砂糖頼みだよなぁ、おい?」 とドス黒い感情が湧き上がってしまうのである。

もう店のドアに貼り紙しておいて欲しいもの「当店は甘味の調節いたします」って。もししてくれないなら、それもハッキリと「当店は甘味の調整はしません、砂糖ぶち込んでナンボです」と書けよと思う。

こうやって際限なく口が悪くなって行ってしまうほど、芸のない甘いつけ汁が嫌い。大嫌い。あんな味もう二度と食いたくない。

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で、なりたやの有り難いところは、そんな甘いの大嫌いな人間の口にも合うような、オリジナルスープを何種類か用意してくれている点である。
例えば上の写真はつけそばの 「濃厚」 タイプ。豚骨と魚介のいわゆるWスープ系なんだが、世間に溢れているくどい物ではないので食べやすい。

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この濃厚スープは中華そばでも頼める。私は東池袋系の大勝軒のノーマルな中華そばが大好きなのだが、これはこれで大変美味しくいただける。

という訳で、私が世間に申し上げたいのは 「甘味って人によって好みの差が激しい強い味なのだから、ある程度調節してくれよ」という一点である。

本当になりたやを見習って全ての大勝軒系の店が甘さの調整をしてくれるようになったらいいなと願うばかりだ。

※余談ですが、同様の理由でよくある冷やし中華もヘドが出るほど嫌いです


[店名] なりたや
[住所] 東京都板橋区板橋2-60-1
[TEL] 03-3962-4607
[営業時間] 11:00~21:00
[定休日] 火曜


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