「川崎通り魔事件」 ”無敵のひと” を乱用すべきでない理由 #1

「川崎通り魔事件」 ”無敵のひと” を乱用すべきでない理由
#1  https://note.mu/oharan/n/n6fdfea7865ee
#2 https://note.mu/oharan/n/n98a30d9a498d


犯人の部屋にTVとゲームがああぁぁぁぁ!

川崎の通り魔事件で、犯人の部屋に 「TVとゲームがあった!」 と ”わざわざ速報扱いで” 報じられ、心ある方々の一斉砲撃が始まった。

「速報」扱いでオンエアも『部屋にテレビとゲーム機 岩崎容疑者の自宅』とFNNプライムオンライン/『テレビとゲーム機があったのは事実だろうけど、意図が丸分かりすぎてフェイクニュースと変わらないぞ』という視聴者の声も
https://togetter.com/li/1361281

スマホもパソコンも持たず、据え置き型のゲーム機と、それを繋ぐTV、そしてポータブルゲーム機しかない部屋……。
この情報だけで犯人像が分からないものだろうか。

殆ど答えが出ているようなものなのだが、なぜあと一歩、もうひとひねり、脳みそを使う事が出来ないのか。

そして、この情報によって犯人像がより明確になった。

犯人が続けたであろう孤独な戦いと敗北

川崎無差別殺人事件の犯人が同級生に「孤児、捨て子」といじめられていたことが判明…人格の土台の大きな要因と見る流れへ
https://togetter.com/li/1361746

この犯人って、ようはSNSなんかで知った口をきいてる連中が好む「〇〇したら××すりゃいいじゃんwww」 といった ”戦い” を、口先だけではなく、本当に何十年も独りで続けて来た人間なのではないだろうか。

SNSなんかでよく見かけるでしょう「イジメは犯罪なんだからどうのこうの」「カツアゲは恐喝なんだから警察に~」「〇〇は傷害罪が成立するから~」と、じゃあお前はその通りに出来るのかよ的なヤツらを。

ところが、今ある情報を元に考えると、どうやらこの犯人はそういうイキリネットユーザーの声をそのままバカ正直にやってしまった ”正義のひと” だったように思う。

しかし、その己の正義をかけた戦いは、犯人の死後に 「完敗だった」 事が発覚した。TV取材を受けた同級生を名乗る人間が、彼の事を「あいつは昔からトラブルメーカーだった」「あいつの態度が悪いから親ナシだの孤児だのミナシゴだのと言われていた」と、死人に口なしとばかりに伝えてくれたからだ。
見方を変えると、マスコミがダメ押しとして印象操作を手伝い、犯人の男に対するイジメが完結したのである。

それ、どう考えても因果関係が逆なんじゃなかろうか。お前らが普段から親ナシをネタにからかったり、差別的な言動をぶつけたりしたから、犯人も意固地になって「自分は間違っていない、周囲のイジメっ子達がおかしい、だから引き下がらない」 と、孤独に戦い続ける道を選んでしまったのではないのか。
もしかすると犯人の人格にも問題はあったのかもしれないが、それが「親ナシ孤児」呼ばわりしてイジメるなんて事と同列に扱えるようなものだったとは思えない。

仮に、この犯人のメンタルがもうちょっと弱かったとしたら、この同級生らはのうのうとTVで「アイツは昔から~」なんて言えなかっただろう。
何故なら、その場合は犯人が世を儚んで自死を選んでしまい、この同級生らは「イジメ殺した極悪人」の立場になり、迂闊に公言できなくなるからだ。

ところが、この犯人は悲しいかなイジメに立ち向かう気概があった。
だが、それが悪い事の連鎖を引き起こし、他人と上手くやって行けなくなり、何十年間もかけて積もり積もって、今回の事件が起きてしまったのではなかろうか。

よって、どう考えてもTVやゲームなんてものは直接の要因ではない。むしろ「最終的に彼が逃げ込める場所はそこしか無かった」という「他に大きな要因があったという証明」である。
何故ここを深く掘り下げないのだろう。

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