森のくまさん 【カナダでしていた熊対策】
ある日 森のなか くまさんに 出会った〜♪花咲く森のみち くまさんに出会った〜♪
これは誰もが知っている有名な童話の一節ですよね。
皆さんは森の中で熊さんに出会ったことはありますか?
私はあります。もちろん1回じゃありません。カナディアンロッキーは山・森の中。いつどこで野生動物と会うか分からない所です。どちらかというと、「植物や動物がいる森に、人間がお邪魔している」という感覚で住んでいました。
私は日本で日帰り登山などを楽しんでいる時は、熊に対する知識は全くありませんでした。
今回は、カナダで野生動物と共存している環境に1年身をおいて得た、熊のことについてシェアしたいと思います。
最初にお伝えしますが、これはあくまで私がカナダで勉強した熊のことであり、日本でそのまま当てはまるかは分かりません。そして全くの専門家ではないことをご了承下さい。
※写真の熊さんは全て車の中からの撮影です。実際に会うととても撮ることなんて出来ません。
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熊の特性は?
熊といえば獰猛なイメージがあると思います。確かに怖いです。私もハイキング中に出会い、空気がピリッとしたことや引き返したこともあります。しかし熊は人間を見たら必ずしも襲う訳ではありません。
カナダで出会った熊たちは「ベジタリアンに近い雑食」でした。そう、何でも食べるのです。春の時期にはタンポポが大好き。座って食べている姿を、車越しに何回も見ました。そして熊はベリーも大好物で、実がなる秋には大量のベリーを食べます。肉ももちろん食べます。リスや子鹿など小さい動物を狙うことが多いようです。
熊の特性としては様々ありますが、私が重要と思うことは、「嗅覚が優れている」ということです。なんと、犬よりも嗅覚が敏感だそうです。
ですので、においに反応します。
熊が出やすい北米のキャンプ場では、ご飯を食べる場所とテントを張る場所が分かれています。基本的にテントの中には臭いのするもの(食料・日焼け止め・歯磨き粉等)は入れません。熊が壊せない頑丈なロッカーに入れるか、木の上に吊るし上げます。
↑キャンプ場の食事場所、ロッカーも
熊への対策
熊の特性だけで長くなってすいません。では熊対策として、どのようなことをしたらいいでしょうか?
熊に出会わないようにする対策と熊と出会ったときの対策の2つに分けられると思います。
熊と出会わないために
熊対策として、熊鈴を持って鳴らしながら歩く方が多いと思います。
熊鈴の目的は「音を出して熊に自分の存在を知らせる」ためのものですよね。
音を出すものとして、他にも沢山あります。例えば「大人数で話しながら歩く」。グループの人数が多ければ、熊が寄ってこないそうです。
それでも1人で歩くこともあります。私がカナダで1人で歩いた時は、視界の悪い森の中では、音楽をかけて歌うことをしていました。あとはここちょっと怪しいなと思った場所では「あー!」とか「熊さんいませんかー?」と叫んだり。笑
恥は承知の上です!熊と出会う方がこわいですから。
他にもホイッスルを吹きながら歩いている女性も見たことがあります。
とにかくうるさくして熊に存在を知らせることが大切だと思います。
特に熊が通った形跡がある所は要注意!熊の糞や、掘った穴、引っ掻いた傷がある木など。鮮度もチェックして、いつ通ったか推測するのもひとつです。
↑熊が出やすいエリアの看板、4人以上で歩くことが推奨されている
いざ出会ってしまったら
出会ってしまったら、どうすればいいでしょうか?これは出会った距離によって対策が変わるかなと思います。
ある程度の距離があれば、熊から目を離さず動向をチェックします。熊のルート上に自分たちがいなければいいのです。熊が私たちに近づくでもなく、離れて歩いていくのを見守ります。
(余談ですが熊は1日50kmほど移動するそうです。)
最終兵器・ベアスプレー
熊と出会った距離が近い場合、または遠くで出会ったけど近付いて来るときは、最終兵器・ベアスプレーを使います。トウガラシの成分が入ったスプレーを熊に向かって発射することで、熊の目潰し効果・呼吸困難を期待します。
カナダでは、山を歩く人はほぼ100%ベアスプレーを持っています。グループに最低1つ、2つ以上あると更に安心です。
日本のアウトドアショップでも熊撃退スプレーは売っていますよね。使い方は長くなるので割愛しますが、買った際には使い方も覚えて、いざという時に備えます。
ベアスプレーを持って歩くと、安心感が違います。いざという時の御守りのようなものです。
(ちなみに使ったことはないです。20年カナダに住んでいる方も、構えたことはあっても使ったことはないそう。)
あと危険物になるので、取り扱いには十分に注意ください。特に移動中。
ベアスプレーのもうひとつの意味
ベアスプレーは「熊と対峙する武器」「自分の身を守る」ためのものですが、それと同時に「熊のため」でもあります。
ベアスプレーを浴びた熊は「人間に近づくと、嫌な目に合う」と学習するのです。このような熊は、今後人間に近づくことは少なくなるでしょう。
一旦人間の味を知った熊は、また人間を襲うといわれています。残念ながらそのような熊は殺処分されてしまうとのこと。
熊がいる社会と私達人間社会、上手く共存できるのが理想ですよね。
↑アメリカセコイア国立公園にて
私もまだまだ勉強中です。熊に関しては、もっと詳しい方は山ほどいらっしゃるので、色々調べてみてください。熊に詳しい方、経験談等、是非是非教えて下さい!
※余談※
ここまで書いてしまうとカナダって熊いっぱいでこわい、というイメージ持たれてしまいそう。熊は多いですが、そんなことはありません!北海道と同じと思ってください。
まず観光で車越しに見る分には可愛いです。サファリのような感じです。(それでもこわい時はありますが。)もちろん、絶対に車から降りてはいけません。
ハイキングをする時は、旅行会社のハイキングツアーでは、必ずガイドがベアスプレーを持っているので安心です。
個人でカナディアンロッキーを歩く際は、購入をオススメします。日本より安く3000円ほどです。もし購入したら、ハイキング後はホテルに置いていってくださいね。(航空法により飛行機で持ち運べません。)
カナダではその他、沢山の野生動物に出会う可能性がありますよー!
↑ビッグホーンシープ、ツノは年輪です
↑崖を歩くマウンテンゴート
↑可愛すぎます!
↑マーモット近くで見れた
↑エルクのハーレム
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