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異世界冒険記 SENGOKU!

『異世界』

俺達の住む世界とは違った文化、生態系をもつ別の次元。死んで生まれ変わった際に元の世界ではなく、異世界で生まれ変わることを『異世界転生』と呼ばれる。

そう、俺もその『異世界転生者』になっちまったようだ。タカワラの領主の第三子として生まれ変わった「タカワラ・ヨシザネ」であるおれは13の生誕日に唐突に前世の記憶を思い出した。

...エッ?なんか名前が日本人ぽいって?

そうなんだ、俺の転生先は奇妙だった。瓦屋根の木造住宅が並ぶ町、まるで愛媛城のような和風の城。

エッ?それはもしかしてタイムスリップではないかって?

いやあ違うんだ。
だって町には着物を着たエルフや鎧甲冑を着込んだドワーフが闊歩してやがる。町の外にはゴブリンやコボルトがいて、辺境にはドラゴンまでいるらしい。魔界から魔族がこの世界を闇に変える為に来ていて、魔王なんてのもいるらしいぜ。冒険者ギルドも当然あって、そいつらは町の外で魔物を退治して生計を立てたり合戦の際に傭兵として雇われることもある。

......そう、俺が転生したこの世界は和風に全振りした異世界だった。

俺の住むこの町は「クニエダ・トシナリ」という殿様が治めている。俺の父の「タカワラ・ジュウゾウ」は殿様に仕える武将の1人だ。他にもエルフの忍者軍団、ドワーフの侍がいてこの国は他種族に寛容だ。そうではない国も当然ある。

この国の北にある「フジマツ」という国がそうだ。人族絶対主義を掲げており、始末の悪いことに国力が高くあっちこっちに戦を仕掛け、領土を増しつつある。

近々「クニエダ」と「フジマツ」との間に合戦が起こるなんて噂が流れてやがる。前世の記憶を思い出せたのは僥倖だ。俺のチートスキル《明智光秀》を有効活用し、この異世界でのし上がってやる!


【続く】

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