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京都と、作品との距離感のはなし

マンガコンテストでの受賞をきっかけに、初めての単行本を出版して2ヵ月とちょっと経ちました。
2ヶ月で随分と世の中が変わったなぁという気もしますね。
本屋さんもちょっとずつオープンしているみたいだし、ネットでも簡単に本が変える有難い時代なので、ぜひ読んで頂けたら嬉しいです。

おおえさき『ショート・ショート・キョート』(淡交社)
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発売してから嬉しい感想をたくさん頂きました。
この本は、京都の観光本としての機能は期待しないで頂けたら…という心持ちで楽しんでもらえたらと思っております。

作者の観点と世界観で、京都の日常を切り取って、たまに「なんでやねん」となりつつ、たまにしんみりする一冊です。
(そして全176ページという大ボリューム)

おさんぽレポも収録されているので、きっと京都をぶらぶらお散歩したくなっちゃいます。

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(6月なったし水無月食べて、茅の輪くぐらな!)

自分が京都で生まれ育って、暮らした27年間の中で身に染み込んだ感覚を形にしていますが、
「京都大好き!アイラブ京都!」なんて全然思ってなくて(すいません)、
京都の街とは腐れ縁の幼馴染のような、どちらかと言えばそんな気持ちです。
肩組んで、お互いの肩をバシバシと叩くような距離感です。

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読む人によって色々な感じ方があると思うのですが、
「なんか優しいマンガだと思った」と言ってくださった方は、
とてもいい距離感でマンガを読んでくださったような気がします。

というのも、この本全体で私がほんのり伝えたかったことが全て、最後のあとがきに詰まっているのですが、

その内容は、発売してから2ヵ月の間に世界で起こった出来事の中でも、さらに感じたことでした。

大事な一部を抜粋しますね。

作品の中に「大丈夫」という言葉がたびたび出てきます。
世の中にはとても優しく真面目な人が多くて、そんな人たちの目が沈んでいるとき、わたしは「そんなに考え込まなくてもいいよぉ。大丈夫だよぉ。」と言いたくなります。
「大丈夫」と言い切り、一見しょうもないことに話を置き換えるしろくまくんやコトちゃんたちみたいに、時に「知らんがな」と冷たく、怖いもの知らずなほどマイペースに、明るいふてぶてしさをポケットにいれて、凛と可愛く、生きていきたいものです。

「大丈夫」なんて言葉では収められないことがある、とは思います。
でも、本を読み終わったあと、読む前よりも少しだけ、日常の生活規模で強くなれた気がするという人がいたら、作者としては何よりも嬉しいです。

なんだか言いたいことがまとまったのか分からないけど、
こんな時代の節目のような日々には、この作品の世界観のように、
思い切りライトで、ポップで、やさしく、つめたく、生きてみれたら楽なんとちゃうかなって、思います。


(最後に、本の中でのちょっとしたカットや、ミニ作品解説を描いているときも、すごく楽しかったので見てほしいです)

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