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『This Is Us』シーズン2 第8話 レビュー

人生がうまく行きかけた途端…コレな。

過去と現在で、二度もケヴィンに追い打ちをかける出来事が起こります。今回は1話丸ごと、ケヴィンのお話。


登場人物①

登場人物②

分かりやすい時系列表はコチラ


冒頭

第8話はビッグスリーが初めて立ち上がり、歩き始めるところからスタート。一番最初に歩き始めたのはケヴィンでした。


慢心していた高校時代

高校生のケヴィンは、アメフトでエースのような存在。それにカッコよくて、人気者。大学からは、アメフトのスカウトがあります。それを当たり前のことだと思って、天狗になるケヴィン。

大学のスカウトコーチが家に来ても、慢心的な態度をとります。ジャックとレベッカに注意をされますが、ケヴィンは気にも留めません。

コーチが帰ったあと、「自分がどれだけ恵まれているのか分かっているのか!」とジャックに怒られるも、「ラッキーじゃない。才能だよ」と言い返します。ジャックの迫力にも負けないケヴィンは、生意気でした。

時間が経って、ジャックがお祈りする言葉を聞いたケヴィン。厳しく怒っていながらも、息子を案じていました。ジャックの後ろ姿が小さく見えて、切なかったです…。ケヴィンは心を入れ替えて、コーチへ謝罪の手紙を書きます。


現在のケヴィン

前回、ソフィーに酷いことを言ってしまったケヴィン。それからの彼は、怠惰な生活を送っていました。お酒とペインキラーは手放せず、豪華なホテルの部屋は荒れ放題。ヒゲも伸びっぱなしで、全てがどうでも良さそうな様子。

そんな中、ケヴィンは故郷のピッツバーグの同窓会に招かれます。母校に行く前に、かつて実家があった場所を訪れて、家族で楽しい時間を過ごした幻覚を見ます。母校でも、案内役の女性が当時のソフィーに見えたり、学校の廊下を歩いていると輝かしい過去の自分の姿を思い出したりします。

ケヴィンは在校生たちが見守る中、壇上でスピーチをします。彼の様子は明らかにおかしいのに、誰一人それに気が付かず、熱い声援を送り、写真を撮っています。コーチがケヴィンの紹介をする時には、コーチがジャックに見えていましたし…。

ケヴィンはひとりでグラウンドに向かいます。自分が活躍していたグラウンドでの過去を思い出しながら、自分の人生の絶頂期から転落までを演説。いつものユーモア溢れて、楽しいケヴィンの姿はありません。完全に崩れています…。

もう少しで犯罪者になるところだった…

それに、下心丸出しだった同級生のシャーロットと寝てしまうし…。でもケヴィンは、彼女が整形外科医だと知っていたので、勝手にペインキラーの処方箋を自分で書いたのです。

犯罪と分かっていながらも、彼は逃げるようにして、シャーロットの家から出て行きます。そして、処方箋を手にドラッグストアへ。

でもそこで、父のジャックからもらった大事なネックレスをシャーロットの家に忘れてきたことに気が付きます。薬のことも忘れて大急ぎで引き返します。

◆ハイライト◆

シャーロットの家に戻りますが、彼女は怒っていて出てきません。それでもドアを激しく叩いて、シャーロットの名前を呼ぶケヴィン。

窓から顔を出したシャーロットに、父が遺した唯一の形見のネックレスだから、探してほしいと懇願。彼女はそのネックレスを探しもせずに窓を閉めて、電気を消します。

ケヴィンは、その場に泣き崩れて「誰か助けて…誰か助けて…頼む、頼む」と呟きます。

観ていて辛かったシーンでした。これまでで一番、ケヴィンの心が見えたエピソードです。シャーロットも下心ありで近づいたんやから、ネックレスを探すくらいはしてあげてもいいのに…。ケヴィン役のジャスティン・ハートリーの迫真の演技に拍手!


このネックレスに込められた意味

ケヴィンは試合中の怪我で、アメフトを諦めないといけなくなります。この時初めて、自分の行いや言葉を後悔したのではないでしょうか。

ジャックはそんな息子を責めることなく、彼の気持ちを理解します。そして、勇気や励ましを与える意味で、自分のネックレスを渡したのです。これはジャックにとってお守りのような物でした。ジャック、どんだけ良いパパなん?うちの親やったら、「フン!調子乗ってるから、そんなことなるねん!自業自得やわ!」と鼻で笑って終わりやろうな〜。はぁ。

話を戻すと、このネックレスはケヴィンにとって無くてはならないもの。ネックレスを忘れたことで、ケヴィンが道を踏み外さないように、ジャックが守ってくれたように思いました。


フィナーレで…

ケヴィンは助けを求めるべく、ランダルの家に行くと…ケイトが流産したことを聞かされます。自分が苦しんでいることをますます言えなくなったケヴィン。


感想

ケヴィンの輝かしい栄光と転落が見えました。その姿には、私まで苦痛を感じました…。

高校生の時はスカウトされて将来の保証も見えていたケヴィン。でも膝の怪我で、アメフトを諦めました。その数カ月後には、ジャックが亡くなります。

今回は、大きな映画の仕事でチャンスを掴んだ矢先に、また同じ膝の怪我を負います。俳優の道も閉ざされてしまうと焦り、薬とお酒に走って助けが必要なところまで転落。そうしていると、ケイトに悲しいニュースが…。

彼がうまく行きかけた途端に、いくつもの不幸が重なりました…。なんかもう、ケヴィンが気の毒。

自分の夢が叶いそうな時に、諦めないといけなくなったら、自暴自棄になる気持ちも分かります。ジャックが生きていたら、今の彼はこうならなかったのかなって考えてしまいます。

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