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『言葉屋② ことのは薬箱のつくり方』

言葉屋第2弾は、『大人の悪口病』にかかった詠子。

悪口には「子どもの悪口」と「大人の悪口」があります。この差は何なのか?人はなぜ悪口を言ってしまうのか?

・Kindle Unlimitedでダウンロード
・1時間ほどで読める
・児童書なので、子供も読みやすい
・シリーズ物で6作品あります

要約

小学6年生になった詠子は、言葉屋修行に励む毎日。まっすぐ純粋に成長する彼女は、ある日『大人の悪口病』にかかってしまいます。そんな詠子は「言葉は同じものでも、人によって毒にも薬にもなる」と学び、新たな目標を見つけます。

心に残った言葉

「わざと人を傷つけることは絶対にいけないけれど、こわがりの無口は決して、やさしくないのだ」

私は「こわがりの無口」です。私が思うのは、言葉で傷つけるのはいけないけど、無口の傍観者が一番残酷だということ。悪口を言う人からすれば、「こいつは自分の味方」だと思われるし、仲間外れにされている人からすれば、「なんで助けてくれないの?」と思うはずだから。こんな状況の無口は、人を言葉よりも深く傷つけます。言わないと気持ちは伝わりません。まだ「こわがりの無口」が私の中にいますが、「それはダメだよ」と一言でも言えるようにしています。

「『子どもの悪口』と『大人の悪口』のちがいは、自分を守るためのものなのか、自分の大切なものを守るためのもの。二十歳を過ぎても『子どもの悪口』を言う人もいるし、子どもでも『大人の悪口』を言う場合がある。」

悪口は全部悪い!と思いましたが、自分の大切なものを守るための悪口もあるんですね。知らなかった。言っている本人、聞いた人にその見分けが出来たら、どちらも嫌な気をしなくて済むのかもしれませんね。

「人は弱いから、つい誰かの悪口を言ってしまう。悪口は強い毒だけれど、なぜか自分にとっては一時の甘いお菓子になる。あとから、体をぷくぷくと悪い方向に太らせる、よくない甘さだとわかっていても。」

悪口は言ってはいけない、そうわかっていても言いたくなる時があります。人にとって「悪口」は多分、厄介だけど切り離せないものだと思います。でも悪口の裏側には、「私はあの子に嫉妬してる」、「人気者のあの子に憧れる」など自分の本音が隠れています。「あの子の嫌な部分」じゃなく「自分の本音」に目を向けないといけませんね。そこから自分がどう考え、行動するのかが大事だなと思います。

感想

今回は、心に残る言葉がもっとたくさんありました。詠子の年齢くらいで「悪口」について、詠子のおばあちゃんのような人から教わりたかったです。昔の私は、陰口を数えきれないほどしたし、聞いている人が不快になるような愚痴をたくさんこぼしました。スッキリするのは一瞬で、また悪口を言いたくなって、私の心はどんどんドス黒くなっていくような気がしました。そんな私に旦那さんが言ったこと。

「言葉は言霊やねん。『嫌い』って言うたら、ほんまに『嫌い』になる。その人のええ部分に目を向けることすらできひんねん。憎々しい気持ちで悪口を言うのは、自分も蝕むんやで。言った後、辛くないか?虚しくないか?自分の欠点を隠して、相手の悪口を言うのは止めとき。」

彼も言葉屋さんなんかな?

今、ほとんど人の悪口を言わなくなった私の心は、自分の中に向いています。悪口は”完全に”は切り離せないものだから、自分や人の心をドス黒く染めないように上手に向き合っていくしかない、私はそう思います。

詠子とおばあちゃんからまた、大切なことを教わりました。今、「言葉屋」シリーズの4作品まで読み終えましたが、私にとっての学びが多いのは1と2です。5と6も引き続き読みます。

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