「私」不在の人生にならないために。
【お願い】
私の体験から思ったことを正直に書きました。女性目線ですが、フェミニストや男女差別の良し悪しを決めつける意図はありません。それを理解した上で、読み進めてくれると嬉しいです。
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TABI LABOの記事で、このInstagramを見た。
この写真の左上のキャプションを見てほしい。服やアクセサリーを選んだ人は全て「あなたのパートナー」となっている。身体的暴力はなくてもあなたの発言、行動、身につけるもの、交友関係にまで口出しをする。これも立派なDVだ、と伝えている。
これを基にパートナーの発言や行動を観察して、DVに気がつく人もいるかもしれない。だとしたら、この写真の効果は絶大だと思う。
でも待って。ちょっと立ち止まって考えたい。
何でもかんでもセクハラ、差別、虐待にしていいのかな？
線引きは、自分で決めたい。
パートナーがリップの色を決めた。着る服を決めた。これは私の旦那さんもたまにするけど、DVとは思わない。
誤解がないように書くと、私が着る服を彼が決めたり、強制したりはしない。意見を求めた時に答えてくれる。彼の意見に従わなくても、私が気に入ったものなら快く褒めてくれる。
ある人から見れば、「それはDVよ！」と言う人もいるかもしれない。何でも相手に決められるのが心地良いと感じる人もいるかもしれない。だから、線引きは自分で決めたいと思った。
精神的なDVに対する私の線引きは、彼の言葉を窮屈と感じるか、心地いいと感じるかだ。
彼のアドバイスや意見が彼本位のもので、少しでも私が窮屈に思うなら支配されていないかを考える。自分の良いところを引き立ててくれるような意見は心地いい。
好きな人に「可愛い」と言われたいから、好みに合わせたい。それは自然な感情だと思う。
ただ、自分の好きを大切にしながら、彼の好みをほんの少し取り入れるだけでいい。彼の好きな芸能人みたいにならなくていい。「私」じゃないものを取り入れさせようとする恋愛で、幸せになれるはずがない。
「あなた、デートDVされたことない？」
かつてシェルターにいた時、職員さんに質問された。デートDVは、交際相手から受ける暴力のこと。父親はあれとして、元カレに暴力を振るわれたことは一度もないから、「ありません」と答えた。職員さんは疑いの目で見ながら、私にチェックシートを渡した。
・勝手にスマホを見る
・あなたの行動をいつも連絡するように要求する
・他の異性と話さないように約束させる
・自分の好みの服装や髪型をおしつける
・あなたの体型や容姿をけなす
・性行為を強要する
などなど、他にも色んな項目があった。
うわ！全部、元カレにあてはまる…。
「これがデートDVなの。どんなDVもそうなんだけど、渦中にいるときは全く気が付かない人がほとんど。これらは正しい交際じゃない。体を殴られないからって、暴力はないなんて言い切れないのよ。精神的な暴力も立派なDVだから覚えていてね。」
まさか自分が…と思ったし、意外に気が付かないもんだな。いや、気が付かないって言い方は語弊がある。小さな違和感を無視したら、「おかしい」が「普通」になった。
元カレの言動や行動に、1秒ほどの小さな違和感を覚えることが何回かあった。一旦そこで立ち止まるべきだった。何がおかしいのか考える必要があった。
元カレの行為は全部、愛情だと思っていた。好きすぎて監視したくなるものだと思っていた。今振り返ると、そう考える自分にもゾッとする。恋は盲目ってほんまやな！と他人事。
デートDVを知識として理解したところで、自分に染み付いたクセはそう簡単に変えられない。家族から抜け出して間もなかった頃の私は、旦那さんに全て”許可”をもらおうとした。
「友達と遊びに行ってもいい？」
「この服着てもいい？」
「これ食べてもいい？」
「オレに許可を求めなくていい。警察、弁護士、救急車のお世話にならないのなら、Maiの好きにしたらいい。」
なんだそれ！父親や元カレは何でも禁止か命令だったのに、旦那さんは制限の方が少ない！もしかしてこれが”普通”なん？
広告やネットにあるチェックリストは目安にして、自分の嫌なことや窮屈さは自分で線引きをする。じゃないと、今度は私が罪のない男性を縛り付けて、窮屈にさせてしまうかもしれない。それではまた違う暴力が生まれる。
「私はこれは嫌だけど、これは許せるかな。相手にしっかり嫌だと伝えたら改善できるかもしれない」と考えてから、伝えるのも大事。
相手が聞き入れない、自分ではどうしようもないなら、必要な機関を頼って逃げる。逃げるが勝ち、な時もある。
自分の人生を誰かに支配させてはダメ。尊厳や価値を奪われてしまうから。
自分のことは自分で決めていい。
自分の好きなことをしていい。
線引きも自分が決める。
支配と暴力なんて、百害あって一利なし。
サポートありがとうございます。