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旅の相性。

私と夫は、旅の相性がすこぶる良い。
旅行中にケンカをすることは、滅多にありません。

その理由は、人間としてのタイプが正反対だからだと思っています。

夫は、好奇心旺盛な計画派。

「あそこに行きたい!」「ここに行きたい!」
夫の中には、行きたい場所がたくさんあります。

たぶん、常にどこかへ行きたい人なんだと思います。

旅行に行けそうなタイミングを察知すると、目的地ストックの中から1つをピックアップして、旅行の計画をゴリゴリと立てていく。

行きたい場所なので、「あれしたい!」「これしたい!」がすでにたくさんあるんですよね。

ホテルを筆頭に、レストランや入場券など、予約が必要なものは予約してくれて、出発日が近づくにつれ、必要なアイテムがどしどしと家に届きます。


私は、何でも来いの「じゃ、まいっか!」人。

一方の私は、何でも楽しめるタイプ。

夫が「高野山で宿坊体験したい」といえば、「宿坊ってなんだろう。いいね、行ってみよう」。

夫が「ナパでワインが飲みたい」といえば、「遠いね、ナパ。でも、OK!行ってみよう」。

汚いと虫だけNGなのですが、それ以外であれば、何でも来い。

夫の計画に全幅の信頼を寄せている・・・という素敵なセリフを盾に、自分ではあまり調べません。その代わり、文句も言いません。

旅行先では、すべてが新鮮!初めて知ることばかりなので「へぇ!」「わーすごい!」と、心の底からエンジョイするのです。

こんなんだから、ハプニングにもすこぶる強い。

もともと計画していないので、計画外のことが起こっても「ふーん、じゃ、こうしよう!」で済んじゃうのです。


もしも、「じゃ、まいっか!」人が旅の計画をしたら。

彼ばかりに計画を任せるのは、さすがに申し訳ない。ということで、一度だけ、私が完全に主導権を握って、旅をアレンジしたことがあります。

きっかけをくれたのは、神戸の居酒屋で出会ったおじさん。

・・・もうこの時点で、なんだか不穏な空気が漂い始めますよね。

おじさんは淡路島の漁師さんで、いろいろ話している内に、「淡路島に来たことがないとはけしからん。一度遊びに来い!」というので、旅行を計画することに。

しかも、その漁師さんの知り合いが安く旅館に泊めてくれるというのです。

当時はまだ恋人だった夫を連れて、いざ淡路島旅行に出発!

旅館に着くと・・・あら、まあ、びっくり。
旅館というか、公民館みたいな感じでしたね。

下調べをしなかったので、夕食時に私たちは路頭に迷います。
結局、近くにある唯一のお店で、ご当地感ゼロのお食事をしました。

極め付けは、移動手段。

淡路島には、電車が走っていませんから。車での移動が基本です。そんなの、ちょっと調べれば誰でもわかります。

でも調べないとどうなるか?
タクシーを駆使して島内を移動することになるんです。

結局、宿泊費は安いけど、移動費が嵩み、旅行代は高いんだか安いんだか、わからない感じになりました。

漁師さんが口添えをしてくれたのか、旅館の女将さんからお土産にお野菜をいただいたのですが、それがなぜかキャベツ2つと、大根1本。

玉と、玉と、棒。

特に意味はないと思いますが、記憶には残ってます。


もしも、好奇心旺盛な計画派が、リゾート地を訪れたら。

淡路島の悪夢以来、夫は計画係り、私はエンジョイ係りを、それぞれ甘んじて受け入れることになりました。

基本的に旅行中は予定を詰め込んで、その土地の美味しいと楽しいを、絞り尽すような勢いで過ごします。そんな私たちなので、「リゾート」というのは、どうも、ピンとこないというか。「え?何やるの?」みたいな感じ。

でも、何でか理由を忘れてしまいましたが、バリに行くことになったんです。初めてのリゾート地!

もちろんそこでも、ドライバー付きバスを調達して、離島に行ったり、キンタマーニ高原に行ったり、ウブドに行ったり、大忙し。そんな中でも「おや・・・リゾートって何だかいいぞ。海にプール、素敵だぞ」ということに気付きはじめます。

そうして迎えた、バリ最終日。

夫は遅れて気づいた「リゾートの楽しさ」を味わい尽くすべく、飛行機が出発するギリギリまでエンジョイしようと計画します。

「はい、今からプール行くよ」
「あと3分経ったら、海ね」
「はい、急いでジャグジー行くから。15分後に部屋集合ね」

なんでしょうか、この分刻みのリラクゼーション。

ぜんぜんリラックスできませんでした。


計画とノープランの狭間で。

夫が計画した旅の中で、ノープランな私の「あ、ここ行きたい!」がムクムクと顔を出すことがあります。

そういう場合は、だいたいハプニングで終わるんですけど。

例えば、グアム旅行。

グアムに着いて、何気なくガイドブックを開いたら(もっと早く開けよという話なのですが)、洞窟の中で泳げる場所を発見したんです!

「いってみようよ!」と半ば強引に夫を連れて行ってみると、その洞窟への入り口というのが、ジャングルの入り口にしか見えない。

それでも、水着にカンタンな羽織り、サンダルという、すぐに泳ぐ気満々な軽装で、いざジャングル。

でも、歩いても歩いても、どこにもたどり着かない。

30分くらい歩いたかな?

「これ以上はもうやめよう」という事で、断念しました。

あとでガイドブックを読み直してみたら、驚愕の事実が!!

ジャングルの道を50分ほど歩くので、相応の格好と靴が必要。さらに洞窟内は真っ暗なため、ヘッドライトが必須・・・と書いてありました。


また沖縄では、繁華街で夕飯を食べよう!と乗ったモノレールの中で、私がガイドブックをホテルの部屋にポイッと忘れてきたことが発覚。

当時はまだ、スマートフォンなどありませんから。

「・・・え?どうやって(僕が行こうと思っていたあの)お店に行くの?」と夫。相当イヤだったようで、いろんな言葉を飲み込んでいるのが伝わってきました。。ごめん。

でも結局、行きたいお店に行けたのかな?
違うお店になっちゃったのかな?

もう覚えていませんが、美味しい沖縄料理を食べて、楽しい夜になった記憶だけは残っています。


子供が増えても、変わらず。
計画と無計画の狭間で、旅を楽しむ私たち。

年末にも、近場で楽しい旅を計画していたのですが・・・。

カリフォルニアでステイホームオーダーが発令されたので、この旅はしばらくお預けとなりそうです。

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