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僕が人事である理由、あるいは人事を離れる目的について

株式会社マネーフォワードの小川と申します。

先日、「Wantedly VISIT AWARDS 2019」にて、大変光栄にも総合部門賞GOLDを受賞させていただきました。

その壇上でも少し触れさせていただいた、僕が人事から離れることについて、経緯と想いをまとめました。初noteです。
(壇上では「マネーフォワードの社内で異動する」という重要な情報を言い忘れて、退職の発表のようになってしまい、お騒がせ致しました。退職はしません!)

※注※
5000文字を超える長文ですし、ほぼ自身の自己開示と所信表明的な内容なので、新たな気付きや業務に役立つ情報はたぶんないと思います。あらかじめご了承くださいmm

はじめに自己紹介

はじめてnoteを書くにあたり、最初は自身の紹介からはじめたいと思います。

マネーフォワードに入社したのは、かれこれ約4年10ヶ月前。一貫して人事を担当してきました。入社3年目に振り返りを書いたことがあるので、↓よかったらご覧ください。

マネーフォワードに入社するまでは何をしてきたかというと、実は人事一筋ではなく、様々な業界で4回の転職を経てきました。

中には在籍期間が短い企業もあり、「自分が自身の書類選考をするとしたら通さない」と言っているくらい、初見では迷走しているキャリアに見えるかもしれません。

ですが、後述の通り一貫した想いの下で意思決定をしてきたつもりですし、どの企業での経験も自分にとっては宝物で、いずれかが欠けていたら今の自分はなかったと確信を持っています。

そして、何よりこれも一つのキャリアの形です。まったく同じ経験を持つ方は、おそらくいらっしゃらないでしょう。

ちなみに、これまでのキャリアをサマると、下記のような経験になります。

・@広告会社2社で人事、営業、ディレクター:7年6ヶ月
・@ソーシャルゲーム事業会社で人事:9ヶ月
・@人材事業会社でキャリアアドバイザー:1年
・@マネーフォワードで人事:4年9ヶ月←イマココ

人事以外の経験をピックアップすると、下記のような特徴があります。

●クライアントワークで大企業からスタートアップまで担当し、自身も様々な規模・フェーズの企業に在籍した
●その中でメディアプランニングやクリエイティブ、ブランディングといった業務にも関わったこと
●人材事業においては人事をクライアントに持ち、キャリアアドバイザーの立場としても求職者と関わったことがある

なぜnoteを書くのか

自己紹介が長くなってしまいましたが、以降の内容をより理解していただくためにも必要な情報だと思ったので、どうかご容赦いただければと思います。

本当に伝えたいことは後半にあるので、この段階で読むのを止めて離脱してしまう人が少ないことを願います。。

今回、僕がはじめてnoteを書こうと考えたのは、自分に大きな変化が起こるためです。

2019年11月をもって人事を離れ、今は新規事業の立ち上げにチャレンジしています。※正確には、しばらく人事を兼務しますが

とてもタイミングよくSpreadyの柳川さんが、元人事の方が事業にチャレンジすることについて素敵なnoteを書かれていましたので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います。↓こちらです

先にお伝えしておくと、マネーフォワードでの人事の経験は、自分のビジネスパーソンとしての価値観を変えた、大きな大きな存在です。それは今も変わりません。

でも、もともと人事という職種や、現在の役職に拘るつもりはなく、後述する「人事をやる理由」と、マネーフォワードにおいて自身が最もValueを発揮できるのが人事だったというのが約5年間続けてきた包み隠さない事実です。

現在は、自分がいなくてもそれ以上のValueを発揮するメンバーが仲間に加わり、安心して任せることができたこと、「人事である理由」でもある自身のMissionを実現するチャンスが目の前に現れたので、それを掴むことにしたのです。(↓人材採用部のメンバー)

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正直、自分が事業の責任者になる、という未来はあまり想像していませんでしたが、やるからには、”届けたい存在”にしっかり価値を提供し、そこにあるペインを解消し、もちろん事業としても成功に導いていきたいと考えています。

あらためて自分が覚悟と持つために何をしたらいいかを考えた時に、「言葉で表現すること」だと思ったので、筆を取ったというわけです。

さて、「これから」を語るためには、「これまで」の情報が重要になりますね。

これまで人事をやってきた理由

僕が現在も人事という仕事に就いているもともとのキッカケは、新卒で入社した広告会社での配属でした。

学生の頃から企業の宣伝部でアルバイトとして働いていた僕は、意気揚々と広告会社に入社したのですが、何をどう評価されたのか人事に配属され、キャリアのスタートを人事として切ることになったのでした。

もちろん希望の配属ではなかった僕は、当時ひどく落ち込み、同期に置いていかれる恐怖感に苛まれていましたが、結果的にはとても充実した経験を積むことになります。

詳細は割愛しますが、新卒採用をメインに担当していた自分にとってその源泉になったのは、何より仕事で接する学生や入社してくる新卒社員でした。「人事の仕事のやりがいを感じた」というのも事実ですが、今も人事をやっている一番の理由は実はそこではありません。

当時の広告業界は今よりも学生の人気が高く、応募数が多い分、(誤解を恐れずに言うと)深い思慮はなく応募してくる、所謂ミーハーな学生も少なからずいたと思います。(僕自身もそうだったのかもしれません)

ただそんな中にも必ず、実体験に基づいていたり、自分なりの考察、あるいはその両方を兼ね備えた強い想いを持って応募してくる学生も存在していました。

そんな学生は、得てして内定を勝ち取り、会社としても特に入社をしてもらいたいと思う“特別な輝きを放つ”方々でした。

ある年の新卒採用。
十数名の内定者がいる中、ひときわ輝きを放つ女子大学生がいました。特殊な学問を専攻し成績も上々、大学からは就職ではなく大学院への進学を勧められていましたが、他の業界・会社にはほとんど応募せず、当時の僕の在籍企業を第一志望に考えてくれていました。

志望の理由も、自身の実体験から独自の視点で考えられた非常に納得感の高いものであり、新卒採用の担当者としては、間違いなく“会心の採用”と言える方でした。

しかし、彼女は入社をすることはありませんでした。

他社に就職したのでもなく、大学院に進学したのでもなく、ある事件によって命を落としてしまったんです。
詳細を語ることはできませんが、その時に僕が悲しみと無力さと共に持った感情は、

どんなに素敵なビジョンや夢を持ち、そこに向かっていけるチカラのある人でも、無慈悲な外的要因によってその可能性を潰されてしまうことがある

ということです。

それと同時に、

もっと他の学生にも、彼女のように自分のキャリアについて本気で考えてもらいたい

さらには、

キャリアについて考えるのに、就職活動というタイミングを待つ必要はないんじゃないか
大学1・2年生、高校生、中学生、あるいは小学生でも、できる限り早い段階でキャリアを考え、”夢の仕事” を見つけられる人が増えてほしい

と想いを巡らし、新卒採用における企業側、学生側の問題についても考察するようになりました。

そして、学生に限らずキャリア全般についても、強い興味を持つようになった僕は、ヒトのキャリアにおける課題を解決することを自身のMissionにしたいと思い、これまでのキャリアを選択するに到りました。その詳細の話は、また別の機会に。

前置きが長くなってしまいましたが、人事として、入社希望者や既存社員のキャリアと向き合うことに、自分の人生のMissionを重ねている、というのが「僕が人事である理由」になります。

もちろん、それとは別に「僕がマネーフォワードで人事をやる理由」も存在しているのですが、これも長文になってしまうので、また機会があれば書くことにします。

人事を離れる目的

前述の通り、今年の12月から人事を離れ新規事業の立ち上げにチャレンジすることになりました。

なぜ長く経験をして、やりがいも感じている人事を離れるのか。
まさにそれは、前述のキャリアに関するペインの解消を目指す事業を、マネーフォワードで実現したい/できると考えたからです。

そうです。
僕が立ち上げる新規事業とは“人材事業”であり、もっと言うなら“人材紹介”を中心とした事業になります。

「なぜマネーフォワードが人材事業を?」と思われる方もいらっしゃると思います。でも僕はむしろ、「マネーフォワードこそ、人材事業をやるべき」だと考えています。

マネーフォワードのMissionは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」、Visionは「すべての人の「お金のプラットフォーム」になる。」です。
つまり、お金の悩みや課題を解消し、個人の人生、企業の経営を前に進めることを目指しています。

当然ですが、個人のお金と「働く」ことは密接に関係しています。
キャリアチャレンジを支援することでキャリアを最適化することは、時に収入が上がることでお金の課題を解決する一助になる場合や、その方が目指す姿に必要なスキルを身に付け経験を積むための機会を得られる場合、そしてワークライフバランスや仕事の充実度が向上することで人生を前に進めることに繋がります。

また同時に企業にとっては、事業成長に寄与する優秀な人材を獲得することで経営を前に進めることに直結するのです。

これらは、マネーフォワードが目指している世界観に他なりません。

そして、自身のMissionと会社のMissionが交わるなんて、こんなに幸せなことはありません。

決して潤沢ではない人事のリソースを減らす判断をしてまで、僕にチャレンジをする判断をしてくれた当社代表の辻さんをはじめとする経営陣、背中を推してくれた人事本部のメンバーには、感謝の気持ちしかありません。

人事⇒事業へのチャレンジというキャリアパスの可能性を開拓するためにも、必ず事業の成果で報いたいと思います。

キャリアチャレンジのペイン
となっているものを取り除きたい

何をやるのか、事業の詳細はまた後日まとめたいと思っていますが、キャリアチャレンジに伴う様々な障壁を取り除く、「限りなく不安の少ない転職を実現する人材紹介事業」を形にしたいと考えています。

転職市場は年々拡大し、働き方も多様性を増してきていることから、人材の流動性は増してきています。
しかし、まだまだキャリアチャレンジを妨げている障壁は多く存在しています。また、転職をした人の中で「良い転職をした」と思えている割合はどの程度いらっしゃるでしょうか。少なくとも、もっと増やせるはずです。

人事、人材紹介の両方の立場を経験した自分だからこそ、それらを解消できるサービスを実現したいと強く思いました。

また、副業・複業許可の潮流の中で、報酬を得る手段は増えたものの、(同僚としての)ヒトとヒト、ヒトと企業の関係性は希薄化していき、属している一つの会社における仕事に対するやりがいや充実度を感じる人は、むしろ減っていく可能性があるのではないでしょうか。

次の日の朝が来ることが楽しみな大人が減っていく、「あんな仕事がしてみたい」と夢を持つ子供が減っていくことは、避けなければなりません。

一方で、スタートアップ、ベンチャー企業には、パッションと能力を併せ持つ人材が必要不可欠であり、それらの企業の成長が止まると日本経済の成長も止まってしまいます。

ペインを取り除くことで、キャリアチャレンジをする人を増やしたい。
仕事に誇りを持ち、生きる意義を感じられる人を増やしたい。
そうした人材が集まる企業を増やしたい。

そう強く思っています。

どんなペインを取り除き、
どんな体験を提供するのか

新たな転職サービスが次々と誕生している現在においても、キャリアチャレンジにおいて求職者と企業に存在している主なペインは下記だと考えています。

これ以外に、人材紹介事業会社側にも課題があると認識していますが、ここでは割愛します。

#求職者
 ・転職先の企業で活躍できるか不安がある
 ・転職先の企業のカルチャーに合うかどうか不安がある
 ・いきたい企業はあるが、収入の変化への不安から踏み出せない

#企業
 ・採用した人材が、入社後に活躍するか不安がある
 ・採用した人材が、会社のカルチャーに合うか不安がある
 ・入社時に高額のフィーを払わないといけない(ミスマッチで早期退職となっても返金はわずか)

これらのペインを取り除き、

真に企業の成長に貢献する人材のマッチングを実現するだけでなく、オンボーディングを支援することでその方が早期に本来の能力を発揮できるようにすること

収入の変化がボトルネックになっている方には、キャリアプランニングに加えてライフプランニングの支援もすることで、生涯収入(Life Time Value)を高め、生涯収支(Life Time Balance)の改善を目指せるような体験を提供したい

と考えています。

さいごに

自分自身の棚卸のためにも、人事をやってきた理由、人事を離れる理由を言語化してみました。

新たに立ち上げる事業において、少しでも多くの方のキャリアチャレンジと、企業の成長を支援していきたいと思います。

少しでも興味をお持ちいただけた経営者や人事の皆様、事業の詳細をご説明しに伺いますので、お気軽にご連絡をお願い致します。
既存の人材紹介事業のようにたくさんのご紹介はできませんが、持続的な事業成長に必要なキーパーソンをご紹介させてください。

キャリアチャレンジを考えている方、あるいはその手前で悩んでいる方も、お気軽にお問い合わせください。今持たれている不安や課題は、解決のご提案ができる可能性があります。

事業のローンチまでは、もう少し時間がかかる予定です。
今後も事業の進捗と共に、noteでお伝えしていきたいと思います。

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