書き出し用宝箱_アートボード_1

ボードゲームの作り方 その4

前々回の”ボードゲームの作り方 その2”で、どのようにゲームシステムを作って、ゲームの世界をデザインするかについて、大きく以下の3つのアプローチ方法に分解しました。

【コンセプト先行型】
【デザイン先行型】
【システム先行型】

そして、今回はその中から【デザイン先行型】から、どのようにゲームシステムを作るかをご紹介します♪
(前回は【コンセプト先行型】をご紹介しました)


②デザイン先行型
ゲームをデザインから先行して作っていくアプローチ方法です。分かり易い例でいいますと、キャラクターや有名人などの版権物がその代表的な例になります。ポケモンというキャラクターがあって、ポケモンカードゲームが出来るといった形ですね!

他にデザインを広く捉えますと、ゲームの構成要素、いわゆるコンポーネント類だったり、最終的な場のイメージだったり、そういうビジュアル的な要素を先行して作っていくこともデザイン先行型です。

私が作ったゲームを具体的に例として挙げます。

▶オイルモンスターとカッパハウスの例

 ↑:オイルモンスター  ↓:カッパハウス

この2つの写真のゲームは、駒の形から着想を得て、そこからゲームを作った例になります。
オイルモンスターは、真ん中にある動物の駒を鼻先で立てて神さまに見立て、4つある黄色いモンスター駒は、王冠駒をひっくり返して使っています。カッパハウスのカッパは兵隊や潜水服を着た駒として使われる駒をカッパに見立てています。

これらは、東京ゲームメイカーズのメンバーの1人が、駒を見ていて、これモンスターに見える!これ神さまだね!というところからオイルモンスターが生まれ、こっちはカッパに見える!カッパのシールを貼ったら可愛い!というところから、カッパハウスが生まれました。

デザインから、どうゲームシステムを生み出したかは、以下の通りです。
オイルモンスターもカッパハウスも駒が何かを決めたあとに、駒の設定を決めました。オイルモンスターは、オイルが嫌いで、神さまに助けを求めるという設定。カッパハウスは早く家に帰るという設定です。

駒が何かを決め、駒の設定を決めたら、その設定を活かすようにゲームシステムを考えていきます。オイルモンスターの場合、オイルが嫌いというところからオイルに隣接するモンスターが動くときは必ず2歩直進するというルール、カッパハウスの場合、人間に見つからないように慌てて家に帰っているということで動くときは何かにぶつかるまでまっすぐすすというルールです。このようなプロセスを経て、ルールをまとめていいました。

▶にんにんにんじゃの例

DokyoGamesから販売している「にんにんにんじゃ」は、コンセプト先行型とデザイン先行型のMIXになります。見習い忍者のドタバタというコンセプトと、派手な特殊効果(=忍術)を応酬しあって、ババ抜きの反対で秘伝の書を最後の1枚として出せた人が勝利するという最終的なイメージとが、同じタイミングで出てきて、そこを核として作ったゲームになります。

コンセプトと最終的なイメージが出来たら、そこから派手な特殊効果で具体的にどんな内容がワクワクするかを考えていきます。例えば、変わり身の術であれば、指名した人と手札を全て交換するというように、忍術のイメージと特殊効果を合わせていきます。抜き足、差し足、忍び足は、指名した人のカードを全て見ることが出来るのですが、そこは見習い忍者なので、ぽろっと重要な情報を言ってしまうルールにしていますw

▶その他
現在このアプローチ方法から、次のゲームマーケット2019秋に向けて準備している居酒屋をテーマにしたゲームもあります。このゲームの場合は、イラストを描かれるデザイナーの方が、ゲームの最終的な場のイメージを持っていて、そこからゲームを作りたいということで私がゲームシステムを考えています。こちらも、こうご期待ください♪

▶エレメンタルトランクマンの例

東京ゲームメイカーズのゲームマーケット2019春の新作「エレメンタルトランクマン」は、デザイン先行型とシステム先行型のMIXパターンになります。そこに更に"愛着を持たせる"というポイントも付いています。

長くなってきてしまったので、「エレメンタルトランクマン」の詳細は次回ご紹介します!

どんなゲームか、こちらでご紹介してますので、よければご覧ください!
ゲームマーケットのお品書き
予約も開始しております!!! そちらもぜひ♪

この記事のバックナンバーや続きは下記からどうぞ♪
ボードゲームの作り方 その1
ボードゲームの作り方 その2
ボードゲームの作り方 その3
ボードゲームの作り方 その5
ボードゲームの作り方 その5(番外編)
ボードゲームの作り方 その6
ボードゲームの作り方 その7

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?