データ操作の基本
1.記事の内容
この記事では、Pythonのデータ操作の基礎を説明します。また、変数、定数、演算子、式などの基本的なプログラミング用語について説明します。
用語を覚えるのは大変ですが、用語は厳密に意味が決まっていて、以後の説明でも頻繁にでてきます。
忘れてしまった用語が出てきたときには面倒でも説明記事を読み返して思い出すようにしてください。索引記事で用語の説明ページへのリンクを張っていますので活用してください。
2.数式を計算するプログラムを作ってみる。
前の記事で作成したTestProjectに新しいモジュールを作成します。自身で好きなモジュール名をつけてください。この記事ではモジュール名を"shiki_ex1"とし、以下のプログラムを書いてみます。
#shiki_ex1 .py
x = 3
y = 5
wa = x + y
print("x + y =", wa)
コンソールへの出力結果は、以下のようになります。
x + y = 8
順を追ってプログラムの解説をします。
x = 3
この文は「式」です。式というのは、データを操作する1行のプログラムのことをいいます。
この式では、「変数」"x"に数値3を代入しています。変数というのは、データを格納する箱のようなもので、任意のデータを格納することができます。変数につけられた名前のことを「変数名」といいます。ここでは変数名は"x"になっています。この式により、変数xには数値データの3が格納されました。
"="のように、データを操作する記号のことを、「演算子」といいます。算数では「”="は左辺と右辺が等しい」という意味になりますが、Pythonの"="は、「右のデータを左の変数に代入する」という意味になります。算数の"="とは少し違った意味になりますね。"="は右のデータを左の変数に代入する演算子なので、特別に「代入演算子」とよぶこともあります。
この式の3は、数値データの3そのものを表しています。このように、データそのもののことを、「定数」といいます。
同様に、次の式では、変数yに定数5を代入しています。
y = 5
次の式では、xとyの足し算の計算結果を、変数"wa"に代入しています。
wa = x + y
xには3が、yには5が代入されていたので、右のデータの計算結果は8になり、その結果を変数waに代入していますので、waには8が格納されています。
ここで、記号"+"は足し算の演算子です。
代入演算子"="の右のデータは、定数だけでなく、変数や、式で表すこともできます。右が式で書かれている場合は、式の計算結果が左の変数に代入されます。
---以下、補足---
補足1:
この記事のサンプルコードでは、変数や定数と演算子の間に半角スペースを入れています。これは見やすくするためであり、半角スペースはなくてもかまいません。また、半角スペースと同じようにタブを挿入することもできます。
補足2:
変数名に文字数制限はありません。なが~い文字数の変数を使うことができます。また、英小文字、英大文字、数字、マルチバイト文字(日本語など)、記号"_"を使うことができます。半角数字から始めることはできません。
マルチバイト文字を使った場合はPyDev-Eclipseの一部の機能が正常に動作しないことがありましたので、この記事では、変数名には半角英数字と記号"_"のみを使うこととします。
変数名の例:
##変数名の例・・
wa
tashizan_no_kotae1
TashizanNoKotae2
_hensu
和
最後の「和」はPythonで使える変数名ですが、この記事では使わないようにします。
---補足ここまで---
最後にprint文です。
print文は、指定したデータをコンソールに出力するPythonの関数です。
関数については別の記事で詳しく説明します。
print文は、()の中で出力するデータを指定します。()の中のデータは、","(カンマ)で区切って複数指定することができます。
指定するデータは変数、定数、式、いずれの形式でも構いません。
出力される際、","で区切られたデータとデータの間に半角スペースが挿入されます。
print("x + y =",wa)
3.代入文についての補足
Pythonの代入演算子"="は、「右のデータを左の変数に代入する」という意味で、算数の"="とは意味が異なります。次のプログラムを動かしてみましょう。
#shiki_ex2.py
x = 5
x = x + 4
print("x + 4 =", x)
プログラムの2行目、
x = x + 4
は、算数ではありえない式になってますね。
しかし、Pythonでは"="は右のデータを左の変数に代入するという意味になります。よくみてみると、前の行の式で、xには5が代入されてますので、この式は5+4の実行結果9を変数xに代入するという意味になります。この式が実行されると、変数xは5から9に書き換わり、コンソールには以下のように出力されます。
x + 4 = 9
この記事では足し算のみを扱いました。Pythonでは、もちろん四則演算はじめ、いろいろな計算手段が用意されています。次の記事では、Pythonの数値計算の演算子を紹介します。
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