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ゲーセン古今話「格ゲーのインターフェース」

昔と比べると格闘ゲームを取り巻く情勢も大きく変わりました。
「eスポーツ」という言葉自体は昔からあったものの、ここ数年で
広く認知されるようになり、日本で「プロゲーマー」という職業が
誕生したあたりで新しい時代に突入したように感じます。
今回はその格闘ゲームに欠かす事のできないインターフェースについて
書いていきたいと思います。

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動画配信サイトなどで最近の格闘ゲームの大会を見ていると、
プレイヤーそれぞれが自分のアケコン(古く言うとジョイステック)や
コントローラーを持参して
プレイしている光景を目にします。
「はぁ~、すごい時代になったもんだ」と感心せずにはいられません。

そもそも昔は、大規模なゲームの大会を「家庭用ゲーム機」や「PC」で
行うということ自体が稀で(稀なだけであるにはあります)、
「家庭用ゲーム機」での大会なんて、近所のゲームショップでマリオカート
の大会があるとかそんな程度だったと思います。
ですから、自分で自分のアケコンやコントローラーを持ち歩くなんて事は
まずありませんでした。
実際持ち歩くのは、友人に「コントローラー足りないから持ってきて」と
言われた時ぐらいですよね。

普段自分が使い慣れているアケコンやコントローラーをそのまま大会で
使えるなんて、インターフェースに関する問題のほとんどが解決してる
ようなものです。
まぁ、負けた理由をコントローラーのせいにできない点がデメリットと
言えるかも知れませんが(笑)。

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手元


さて、格闘ゲーム全盛期当時から割と最近まで、格ゲー大会と言えば
ゲーセンで行われるのが当たり前でした。そのゲーセンに設置されている
ゲームで大会を行う訳ですから、当然そのゲームが組み込まれている
筐体(ゲーム機)でプレイする事になります。
そう、参加者すべてが同じ筐体・コントロールパネルを使用して
プレイする訳です。常連だろうが遠征者だろうが分け隔てなく・・・。

昔の格ゲープレイヤーは、ゲームの「プレイスキル」や大会でも緊張しない
「メンタル」と同時に、そのゲーセンのコンパネに慣れる「順応力」
求められたと言えます。
ゲームセンター側も、できる限り最良のメンテナンスを保って大会の
準備を行うものですが、明らかに「利かない」「多重反応する」などの
誤動作や破損以上の物は対処しきれません。
具体的にどういったものかというと、「ボタンの押し込む深さが深い」や
「レバーの遊びや感覚が違う」など。
プレイヤー側からすれば、そんな感覚的なものをゲーセンに訴えたところで
直せないのは明白なので、プレイヤー側で調整するしかありません。
(稀にこの手の指摘をお店に訴えてくるお客様もおられましたが・・・)
早めに大会の現地入りをして、野試合をこなしてそのゲーセンのレバーと
ボタンに慣れておいたり、手の内を明かすのが嫌でぶっつけ本番で大会に
臨んだりと、そんな駆け引きが大会前からあったりしたものです。
そう考えると、昔のプレイヤーは無駄な事にエネルギーを割いていた
ものだとつくづく思います。


話を今に戻しまして、インターフェースの問題に頭を悩ませる必要がなく、
自分の使いやすいアケコンやコントローラーを常に使える今の状況は、
プレイヤーのパフォーマンスを最大に発揮できる環境に一役かっているのは
間違いないでしょうね。

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ここからは私事の完全な余談となりますが、昔の格ゲープレイヤーに
属する私の場合ですと、「環境を変える」よりも「環境に合わせる」方が
得意だったりします。ですので、なんでもかんでも「デフォルト」の状態で
プレイしてしまうんですよね。いくつか例を挙げますと、今は格ゲーを
プレイする方はボタン配置を自分のやりやすいようにキーコンフィグで
カスタマイズすると思いますが、自分の場合は初期状態に合わせて慣れて
行こうとしてしまいます。PCのMMO等の場合ですと、基本的には
初期状態のショートカットのままプレイしており、ゲーミングマウスに
新たにショートカット登録したり、キーボードの使いやすい部分に
ショートカットを登録したりするのが苦手なんです。

なぜこんな事になるかと言うと、過去の格ゲープレイヤーとしての
「順応力」が必要という部分が体に染みついてしまっていて、
「どんな環境に行っても安定したパフォーマンスを引き出したい」
という心理が働いているせいだと思います。
今となってはそんな状況になる筈もないんですが(笑)、「順応力」
などと言っておきながらこの「環境を変える」というスタンダードに
順応できてないんですから本末転倒です。
歳をとっても色々なものに順応できる人間でありたいですね。


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